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REO・ST
『REO・ST』はモリーズマール会社により2150年に開発された。
ファーストモデルであるREO・STは工業用に開発され、高さは3メートル、横幅2.5メートルで動力源となる「原子転移装置」が繋がれていた。
やがて工業用から家庭用へと普及し、2200年の8stモデルでは、なんの変哲もないドアにしか見えない造形となった。
まるで某国民的アニメの青いロボットがポケットから出す、なんとかドアのように。
家庭用レベルの小型化を実現し、工業用レベルでは軍艦一隻を転送できるほどの大きさの製品も開発された。
物質転送社会の普及に伴い、
まず初めに運搬業が衰退していった。
無機物を転送するのは容易かったが、生物を転送するにはまだ技術の発達が足りなかったため、普及当時は「生物を転送してはならない」という規定が設けられていたためである。
やがて、生物の転送が可能になった。
だが、ある事件がおこった。