休みます。
どうもこんにちは。
暑い。温暖化にも程がある。荒れ果てた都会の路上を、自分と右京は二人でとぼとぼと歩いていた。
「おい、カズト~。むし暑い」
「同意見でーす」
そう言いながら、自分は氷系初級魔法の一つを展開し、氷の柱を二つ生み出す。片一方を右京に渡し、自分のを噛み砕く。
「カズト~? どっかで休みましょうな」
こくりと頷き、適当な日陰を探す。すると、珍しいことに、茶屋が一軒あった。
「いらっしゃい~」
茶屋に入ると、自分とあまり変わらないような年の奴が3人ほど奥にいた
「珍しいですね。こんな所に……。強盗とか来ないんですか?」
はっきりいって、ここら辺の危険レベルは超高いと、ネットワーク情報に出てる。
「ん? 来るよ? ほら」
「え?」
のんきな顔で自分の後ろを指差す。振り向いてみると、ドアが粉々に吹っ飛んだ。
「いらっしゃい」
さっきから話していた奴がにこにこしながら入ってきた3人組をみている。まるで、バカにしているような目だ。入ってきた3人組は全員大男で、1000式の法具(前、紹介し忘れたが、汎用型の防弾チョッキ型の法具とは、これの事)を装着している。魔法師か。
「ん? ガキだけか。……気に入らないから全員消えろ。」
スキル『全読み取り』
なんだか、訳わからない理由で放たれた魔法の分析結果は、炎系上級魔法。結構強力だな。相殺しようと右手を伸ばす。
「あり?」
ミラクルだ。奥の3人以外、その場にいた全員が間抜けな感想を声にした。魔法が、発動した大男の周りをくるくる回っているではないか!
「! なんだそれ……?」
ちなみに、まだ自分はスキルを発動中である。『全読み取り』にて、魔法の動きが変わった原因をみつけた。―外部からの干渉による、術式構造の変化だ。さらにそれをしたのは、奥にいるニコニコしている奴。さらに、過去をスキャンし、奴がやってのけた行動を知る。魔法が発動された瞬間、コンマ0,01秒の間に、魔力により、シンクロした拳銃で弾丸を撃ち込み、圧力で術式構造をいじった。さらに何の意味があるのか某ドラ○エシリーズのLVアップの歌をミュージックプレーヤーで再生しながらガッツポーズをする―この神業ともいえる事を一瞬でしてのけたのだ。
「リン、遊ぶなよ」
となりにいる奴がそいつに話しかける。
「へーい。わかったよ。ショー」
その瞬間3人の大男は消えた。そう、消えたのだ。この次元から追い出したんだ。
ひやあせがこめかみを伝う。
―こいつら、一体何?
呼んでいただいた方、居るならば、ありがとうございます。