乗り込みます。
2話目、書かせていただきます。
高原の空気はとてもすんでいた。外は寒く、息は白い。ここは田舎で、ときおりきこえる銃声以外は、とても静かな所だった。
ただいま、自分はくずれかけた道を独りさびしく歩いている。本当に静かだ。気をまぎわらすように、転がっていた骨をけりあげる。骨はうすぎたないランドセルに当たって転がっていった。路上で山積みになった車を乗り越えて、瓦礫だらけの道路をしばらく歩いていくと、鋼鉄製のでかい門が見えてきた。
「よいしょっと」
侵入口がなかったもので、むりやり門をけりこわして中に入った。なつかしいグラウンドの砂をふむ。ゴム人形やら拳銃やら、色々と練習道具が転がっている。最後の授業の時のままだ。
「お、これは」
自分が愛用していたのと同じ型のハンドガンが足元に転がっていた。銀色が目立つそのハンドガンを拾ってみる。何発か弾は入っているようだ。とりあえず右手で持つ。布カバンからナイフを取り出し左手で持つ。
「うん、しっくりくる」
ヒュ
風のぬけるような変化を感じて、体が反応する。自動的に眼が認識し、対抗手段を何通りかスタンバイする。
水属性の獣類、中級魔法生物 有効属性 電 レベル30~
後ろへステップをふみ、左手をするどく前に突き出す。直後、自分がついさっきまでいたところで青い火花がとびちる。表現できないような断末魔が響き、顔をしかめる。再び静かになってから、自分はのんびりとナイフの血をハンカチでぬぐった。
風がざわざわしてきた。そろそろここから離れた方がいいかな。
「調子よし、と。行くか」
職員室の窓を突き破って、いざ、乗り込む。
恥ずかしいです…。読んでいただきありがとうございます。