2章:交通事故
お昼休みにあったことはみんなに話てはいない。話ても笑われるだけだから。今日は、あの“チェシャネコ”という人が消えてから、別に変わりわない。
無事に学校も終わって今は友達と下校途中。
やっぱり、あれは夢だったのかな?
「ね!亜里朱!」
『え?あぁ、ごめん。今聞いてなかった。』
「ねぇ亜里朱。大丈夫?今日、昼休みからぼんやりしてるよ?」
『うん。なんか眠いみたい』
「あぁ、わかる今日の授業つまんなかったよね」
「うんうん。」
違う話になった。
それはそれで助かる。私の話なんてつまらない…
「アリス…。」
!!
あの人の声だ。
どうしよう…。
恐い。
私の身体はカタカタと震え出した。
『あ!私用事思い出したから、ちょっと早く帰る!』
「え!」
「そう?じゃあわかった。じゃあね!」
『うん!また明日!』
私は走って横断歩道へと走った。
信号は青。
早く。早く。
足を動かして行く。
早く。早く。
「ププーー!!」
車のハンドルについているベル(?)の音が聞こえた。
えっ………。
「危ない!!」
「ドーーーン!!」
まるで、映画のワンシーンだった。
すべてがスローモーションの世界。
大型トラックが迫って来る。
もう、だめだ…私、死ぬんだ。
「危ない!!」
男の人の声だった。
あれは、チェシャネコ…さん?
私とトラックがぶつかった…ううん。違うぶつかりそうになった時。
私は、チェシャネコさんに背中を押された。
「ドーーーン!!」
『いてて。』
「亜里朱!!大丈夫?!」
みんなの声が聞こえた。
『うん。私は…。』
みんなの居る方を見ると大惨事が起きていた。
ぐちゃぐちゃになったトラック。
折れて再起不能な電柱。
車の方の信号は赤になっている。
私、助かってる。
トラックの隣に背広を着た人が立ってこっちを見てニンマリしている人がいた。
「よかった。…アリス。無事で、よかった。」
チェシャネコさんが助けてくれた。
パトカーと救急車のサイレンが聞こえる。
愛弓が連絡したんだろう。
みんなの顔が少し青ざめていたのに気が付いた。
私はみんなのところに行こうとした時、前が霞んだ。
あれ?
私は、その場で倒れた。
だけどその時倒れる私を優しく包んでくれた人がいた。
私の目に写ったのは、怪我をしていて、私より重傷で、私を助けてくれた。
悲しそうな笑みを浮かべてる…
チェシャネコさん…