表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
第32世界  作者: 閃夜
Ⅱ ファーラス家の闇
24/47

 閑話 レジェルとルディアの攻防

「……ルディア」


はぁ。と大きなため息をするレジェル。


「なあに? お兄様」


ルディアはニコニコしながら少し首をかしげる。


「そろそろ、そこからどいてくれないかい?」


「い・や」

輝く無邪気な笑顔。


これが、対レジェル、アルスの最大の武器である事をルディアは知っていた。


カルストが教えてくれた。


はぁ。と再び大きなため息をするレジェル。



今日はレジェルが学園の尞に帰る日。いつもの事だが、ルディアは彼の妨害にかかっていた。

今回はレジェルが学園の尞に持っていく荷物の上にちょこんと座り、一向に動かない。


「はぁ。シルフ、シルフィード。すまないが、ルディアをどけてくれ」


「ルディア嬢くらい自分でどかせるだろ?」


シルフィードが面倒くさそうな表情で姿を表す。


「無理だ。可愛すぎる」


とんだ兄バカである。


「バカだろ」


シルフィードがぽそりとつぶやき、慌てて口をふさぐ。案の定レジェルにおもいっきり睨まれた。


「こんな事に我らを遣うのは、世界中どこを探してもお前だけだぞ」


シルフが呆れながら姿を表す。


二人がすうっとルディアの側を駆けると、突風が巻き起こり彼女を取り込む。


コオオォォォ

「きゃっ!」


荷物から引き剥がされ、ルディアの体が宙に舞う。三メートルくらいの高さまでで放り上げられ天井をかすめた彼女は、そのまま真っ逆さまに落ちていく。


落ちてる!?


衝撃に備えて、キュッと目をつむる。ボスンッという音とともに鈍い衝撃がはしる……が…


…あれ? 痛くない?


そっと目を開けると、目の前三十センチの所に床がある。


浮いてる? これは……


体をひねって辺りを見ると、ユオンが不機嫌そうな顔でこちらを見ていた。


「……何事?」


「ユオン!!」


落下しても痛みがこなかったのは、ユオンが落下直前に風魔法でルディアを受け止めたからだった。


ユオンがサッと手を横に振ると、風がルディアを優しく包み地面に立たせる。


「さすがは、騎士(ナイト)だな」

シルフィードが、ぐるぐるとユオンの周りを旋回する。



「……眠」


そんなシルフィードなど視界に入っていない様子で、目をこすっているユオン。どうやら起きたばかりのようだ。服装も就寝用の服装だ。


「ユオンって、朝弱いのね」


「いや……朝弱いって……そう言う事じゃなくてな? 今何時だと思う?」


ユオンは、欠伸をしながらルディアに尋ねる。


「さあ?」


「朝の四時、十分前だ。お日様も昇ってないし、使用人達ですら起きてないよな?」


「嘘っ!!」


ルディアは、近くの窓までいって、バッとカーテンを勢いよく開ける。


「暗い」


辺りは真っ暗でしんとしていた。ルディアは今になってはじめて自分がとても早い時間に起きている事に気付く。


兄様……そんなに私に会いたくなかったの?


かなりショックを受けた。



「とりあえず、僕は二度寝しよう。おやす「ぁああっ!!」


「今度は何?」


「お兄様がいない!!」


「レジェルならさっきシルフ達連れてどっか行ったぞ?」


「えぇっ!?」






その頃……ファーラス家から少し離れた場所の上空。



「また今回も捕まったなぁ。ルディア嬢もよくやる!!」


ゲラゲラと笑い転げるシルフィードを横目にレジェルは、ため息を吐く。


今日何度目のため息だろうか。

そう思うと、再びため息が漏れた。


「まさか四時前に起きて来るとは思わなかったよ。ユオンが起きてきてくれて助かった」


もし、ルディアに捕まったら、また尞に着くのが門限ギリギリになってしまうところだった。罰則は、尞の庭掃除一週間。

可愛い妹には悪いが罰則は受けたくない。


まぁ、今回はユオンもいるし彼女も退屈はしないだろう。




「で、今から尞に行って開いているのか?」


「多分、六時には寮監が起きてくるだろうから、それまで待つよ」


「じゃあ、行くか」


「あ、ゆっくりでかまわないよ」


「「了解」」


彼等はゆっくり学園の尞の方向に進みはじめた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ