走っても歩いても、きっと同じ道を進むのだろう。
就活生に届きますように
深夜2時。灯りの消えた6畳半の部屋の隅で、翡翠色に光るエアコンのランプをぼんやりと眺めている。見えるはずのない天井の染みを数えながら、思考はぐるぐると同じ場所を巡る。この部屋にあるのは、シングルベッドと正座をするには少しだけ高すぎるテーブルだけ。そのベッドの上で仰向けになりながら、考えずにはいられない。
「あぁ、なんて恥の多い人生を歩んできたのだろう」
恥じるべき瞬間はいくらでも思い出せる。幼い頃、幼馴染を叩いてしまい泣かせてしまったこと。初めて告白したあの放課後、「ごめんなさい」と引きつった顔で言ったあの子の顔。
そして先日、勉強さえしていれば誰でも受かるような試験にろくに準備もせず挑んで落ちたこと。自分の後輩はあっさり合格したというのに。
そして今。私は就活という人生の中で1番大きな壁にぶつかっている。
ベッドの上でぼんやりと天井を見つめる。胸の重いものはまだ消えない。それでも、ふとスマートフォンを手に取りSNSで「就活 内定」と検索をかけてみる。
その中にこんな投稿があった。
「内定ゼロでも明日はあるのか」
そう書かれた投稿。読み進めてみると投稿主の言葉が心に染みる。
「何社受けても落ちてばかり。自分が世の中に必要とされてない気がする。全部投げ捨ててしまいたい」
コメント欄を見るとそこには無数の返事が寄せられていた。
「私も同じ、でもあなたの頑張ってる話を聞いて少し元気が出たよ。一緒に頑張ろう」
「もう十分頑張ってるよ。だから少し休んでみて」
そんなコメントの中に一際目立つ深夜2時。灯りの消えた6畳半の部屋の隅で、翡翠色に光るエアコンのランプをぼんやりと眺めている。見えるはずのない天井の染みを数えながら、思考はぐるぐると同じ場所を巡る。この部屋にあるのは、シングルベッドと正座をするには少しだけ高すぎるテーブルだけ。そのベッドの上で仰向けになりながら、考えずにはいられない。
「あぁ、なんて恥の多い人生を歩んできたのだろう」
恥じるべき瞬間はいくらでも思い出せる。幼い頃、幼馴染を叩いてしまい泣かせてしまったこと。初めて告白したあの放課後、「ごめんなさい」と引きつった顔で言ったあの子の顔。
そして先日、勉強さえしていれば誰でも受かるような試験にろくに準備もせず挑んで落ちたこと。自分の後輩はあっさり合格したというのに。
そして今。私は就活という人生の中で1番大きな壁にぶつかっている。
ベッドの上でぼんやりと天井を見つめる。胸の重いものはまだ消えない。それでも、ふとスマートフォンを手に取りSNSで「就活 内定」と検索をかけてみる。
その中にこんな投稿があった。
「内定ゼロでも明日はあるのか」
そう書かれた投稿。読み進めてみると投稿主の言葉が心に染みる。
「何社受けても落ちてばかり。自分が世の中に必要とされてない気がする。全部投げ捨ててしまいたい
コメント欄を見るとそこには無数の返事が寄せられていた。
「私も同じ、でもあなたの頑張ってる話を聞いて少し元気が出たよ。一緒に頑張ろう」
「もう十分頑張ってるよ。だから少し休んでみて」
そんな中。一際目立つ投稿があった。
「1度立ち止まるのも良いよ。就活はマラソンみたいなもので疲れたら少し水を飲んで、歩いて、また走り出せば良いんだ。」
「……マラソン」
心の中でその言葉を噛み締める。確かに自分はずっと全力で走り続けていたように思う。最初は気力もあった。だけれど、だんだん呼吸が苦しくなり足が重くなり走る意味すら見失いかけている。
「休んでも良いのかな」
その瞬間、目の奥がじわりと熱くなるのを感じた。ずっと走り続けるべきだと思い込んでいた。立ち止まるのはなぜだか負けだと思っていた。でもそうじゃないのかもしれない。そう考えると不思議と肩が軽くなるのを感じた。
「その言葉に救われました。少し休んでみます」
一言その投稿にコメントをし送信ボタンを押した。目を閉じると睡魔が襲い、意識が遠のいていくのを感じた。
翌朝、いつもより少し遅い時間に目が覚めた。外から差し込む光が眩しい。ベッドから起き上がり窓を開けると冷たい風が頬を撫でた。
「今日は少し歩いてみよう」
就活用の資料も、スーツも、その日は手をつけなかった。代わりに近所の公園で静かな景色を眺める。
何かをしなければならないという焦りは完全には消えていない。でもそれでいい。今は少しだけ息を整えよう。
誰もが同じ速度で走れる訳じゃない。同じゴールに向かっているわけでもない。一人一人に道がありそれぞれのペースで進んでいくのだ。
だって
「人生のマラソンはタイムを競うものでは無いのだから」