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第一 あなたは悪魔なりや?

ある日の夜。

正確に言うと10月の中旬頃のことだ。


23時になりベッドに入ったはいいがいつも通りに寝付けずにスマホでネットサーフィンをしていた。

特に気になるような内容を調べていたわけではないがふと目に入った。サイトを読み上げる。


「なんだこのサイト?、、悪魔になる方法?」そこにはよくあるようなダークな雰囲気のサイトだった。


少し気になってサイトに書かれている記事に目を通す。


「何々?、、部屋に何でもいいから鏡をセットして12時になる瞬間に割って呪文を3回唱えるか、、呪文

は、、「あくまさま、あくまさま。降臨してください」、、ねぇ、、」


俺は眉唾ものだと思いながら暇つぶしのためにやってみることにした。

机の引き出しにあった手鏡を手に持って12時になるまで胡坐をかいて待つ。

そして日付をまたいだ瞬間に鏡を割り、目をつむって例の呪文を唱える。


「あくまさま。あくまさま。降臨してください。あくまさま。あくまさま。降臨してください。あくまさま。あくまさま。降臨してください。、、、これでいいかな、、」といい目を開く。


だがやはり何も起こらない。

「やっぱパチモンか。」と言いながらベッドに戻り眠りにつく。




だがその日の夢はいつもの夢とは違う夢を見たのだ。

暗い部屋の中で誰かと会話していたのだ。

「おまえはわたしになにをもとめる。」

そいつは外国の観光客みたいな片言の日本語で喋っていた。

俺はそいつ相手に笑いながらこう言っていた。


「最近飽きてきたから何か刺激が欲しいんだよね。

例えば、、、巷でよく小説にされている異世界転生とか!あれ前から気になっていたんだよね!

あ、でも普通に転生したらすぐ死にそうだからな、、

そういえば今日寝る前に悪魔になる方法とかやったな、、なら異世界転生で悪魔になってみたいな!

、、、、ってこんなこと見ず知らずの相手に言っても意味ないか!」


と言うが相手の返事はこうだった。


「あいわかった。其方を異世界で悪魔と転生するようにしてやろう。」


と言ったのだ。

だけど夢の中の俺は笑いながら「おう!じゃあ頼むわ!」といったところで目が覚めた。


「、、、、、、、、、なんか変な夢見たな、、、、着替えよ」


と言いベッドから降りる。

だがいつもと感覚が違った。なぜかベッドから降りたはずなのにベッドの感触を感じる。

しかもお尻から、、不思議に思い振り返って確認する。

自分のお尻から細長い悪魔のようなしっぽが生えていたのだ。


「なんじゃこれ!!!!!!!」


びっくりして大声をあげ、我に返ったように口をふさぐ。まだみんな寝ているはずなのだ。俺の奇声で

目を覚ますと機嫌が悪くなるのはいかんせん申し訳ない。そう思い扉を見る。

だが目線の先には扉はなかった。

それどころか部屋さえもなかった。

洞窟の洞穴みたいな岩肌しか見えなく、困惑した。まさかまだ夢の中なのか、、、?と思った。

だが感覚は逆に研ぎ澄まされている。洞窟の水滴が地面に落ちる音が鮮明に耳に入ってくる、、


「とりあえず、、洞窟出てみるか、、」


と一人でつぶやいて、出口を探す。案外あっけなく光が見えた。躊躇なく光に入る。だが外の光景を見て絶句した。

そこには日本の住宅街では見れない森が広がっていたのだ。


「はぁ???ここどこ?日本じゃ、、、ないな、外国?でもなんで?」


最初誘拐を考えた。

だがなんで誘拐した奴が近くにいない?

目が覚めた時に話しかけてくるだろこうゆうとき、

そして頭を掻く。額に何か鋭いものがあるのを感じた。


、、、、まさかと思い、鏡を探す。


だが洞窟にいたので人工物があるのはあり得ないと思い、川を探して森を歩く。


数分歩いてやっと川を発見し、顔を見る。川に映ったのはいつも通りの俺の顔。

とはいかなく額に2本の角が生えているいつも通りの俺の顔だった。


「つのぉぉぉぉぉぉぉ?!」


びっくりして大声で叫んでしまった。まさか、、昨日の夢の話はほんとだったのか?

俺はほんとに悪魔になってしまったのか。。?

じゃあここは、異世界、、、?

俺は思考を巡らせて今の状況を見つめなおす。

「えっと、、まず俺はこの近くの洞窟で目を覚ました、そしてここは異世界みたいな風景。

そして確認したら悪魔みたいになっていた。」

うーんこの。

まったく要領を得ないな。

とりあえず近くに村とかがあれば話が聞けるだろうと考えて歩き始める。


だがいつまで歩いても木がずっと隣にいる。

ここまで深い森だったは、、、てかこんな歩いて俺さっきの洞窟に戻れるの?

「めんどくせぇ、、」とつぶやく。

ふと、おそらく近くで鉄のにおいがした。おいおい、こんなところにも不法投棄みたいなのがあるのか?と思いにおいにつられるように 歩き出す。

いや、これは、、「まさかとは思うけど鉄じゃなくて、、血のにおいか?」


そう思うとにおいのする方向に走り出していた。においのもとになっていてたところには

馬車と思われるものが大破しており、その周りに倒れた人が何人もいた。

そしてお姫様と思われる女性が山賊らしい男に馬乗りにされ

今にも凌辱されそうになっている。

「やめて!お父様!お母様!サリー!助けてぇ」

と泣きながら叫んでいる。

近くではその従者と思われるメイド服を着ている女性が

「やめなさい!お嬢様に手を出すな!」

と怒号を山賊に飛ばす。

どちらも17~18歳ぐらいの女の子に対して山賊は

「こんな上玉ほっておけるかよ!お前は残念だがそっちのメイドで我慢しな」

「へえへえわかってますよい。しかしメイドも上玉ですぜ?旦那」

「ほう、なら一通り味わったら交換するか。」

と言っている。


「おっとこれは、、異世界転生でよくあるパターンか?」


そう思ったが何か対策を取らないとな、、異世界でよくある魔法はよくわからないからなぁ。

悪魔ってだけでビビらせられるかな、、ええい!物は試しだ。失敗してもなるようになれ!


そう思ってまず姿を出さずに大声で話し始める。

「誰だぁ、、、私の森で好き勝手しているやつはぁ」

その声に驚き山賊は「な、なんだぁ!?」と言いながらあたりを見渡す。

お姫様たちもおなじように見渡す。

「ここはお前たち人間の森ではない!悪魔である私の森だぁ!!その森で禁忌を侵すものは誰であろうと容赦はせぬぞぉ!」

とびきり低い声で脅す。

「あ、悪魔だって!?そんなの聞いたことないぞ!?」

「お助けェ~」

と言いながら山賊は一目散に逃げて行った。


お姫様もメイドも逃げようとしたが怪我をしているみたいで二人で抱き合って震えている。

俺はお姫様たちに「山賊はもういないか?」と言う。


「は、はい、あなたさまの声を聴き一目散に逃げだしました、、あ、あなたさまはわたくしに何をするおつもりですか、、、?」不安そうな、だが威厳ある声で話す。

俺はそろそろいいかなと思い、茂みから顔を出して姫様たちに近づく。

俺の顔を見た姫様たちは警戒していたので、

「あ!さっきのは山賊を追い払うための嘘ですよ!なんか襲われていたので」

と言って両手を上げる。

お姫様とメイドはいぶかしげに俺を見ながら


「ではさっきの悪魔というのも嘘なのですか?そのしっぽみたいなのは?」

と言う。


「あ、それに関しては悪魔だと思いますよ。でもあなたたちに危害は加えませんので、自分もこの世界に来たばっかで何もわからないんですよ」


という。

メイドとお姫様は顔を見合わして、「まさかそんなことが、、、」と驚愕している。

俺は「とにかくその怪我の手当てをするのでこちらに来てください。近くに川があったので案内しますね」


なんやかんやあって川まで案内してお姫様たちのけがの治療をし、この世界の状況をいろいろと聞く。

異世界によくある展開のようで魔王が世界征服をしようとしている世界のようだ。

それの対抗策として異世界からの転生者を勇者とする計画を来月に決行する準備にいったお姫様たちが

この森で山賊にあったらしい。

「ということは、、俺が転生したのはたまたまなんですね?」

そういうとお姫様は少し気まずそうに「そ、そうなりますね、、」と目をそらす。


「ですが!ここであなたに助けられなければ私たちは死んでいたでしょう。

たすけてくれて本当にありがとうございます。」

姫様とメイドはが深々と頭を下げる。

「いやいや、当然のことをしたまでですよ。」

と言う。

「お礼と言っては何ですが、、従者を例の輩に殺されてしまったので、城につくまで護衛として付いてきてはくれませんか?」

と目を輝かせながら言う。

さっきよりなぜかぐいぐい来るお姫様の圧に驚きメイドを見る。

それを察したようにメイドが話し始める。


「お嬢さまはいつもお城の部屋で閉じ込められていたので話し相手の私がいましたが、異世界からの転生者であるあなた様のお話が聞きたいのでしょう。私からも頼みます。ぜひ一緒について行ってくれませんか?」


俺はうなって

「うーん、、、でも俺悪魔らしいので一緒にいると何言われるかわかりませんよ?俺のせいで姫様の名声に傷がつくのはメイドさんも不本意でしょ?」

と言う。

それでも姫様はあきらめずに俺に頼む。

俺は姫様が目に涙を浮かべ「だめですか、、?」と言う言葉に折れてしまった。


「わかりました。ですが俺は魔法の使い方の知らない素人です。ここで少し講習していただければ役に立つくらいにはになると思うので教えてもらいませんか?」

俺の返事を聞き姫様は笑顔で「喜んで!」と言う。

「そういえば自己紹介がまだでしたね。私はロードウッド・ウェン・アイリス。この国ロードウッド王国の第一王女です。そしてこの子が専属のメイドのサリーです。」

紹介を受けたメイドのサリーは軽く頭を下げる。

「あなた様の名前は何と申すのですか?」


「俺の名前ねぇ。。じゃあデモスと呼んでくれ。」


自己紹介を終えて魔法の練習が始まった。

この世界の魔法は世界の根源に「マナ」というものがあり、

そこから借り受けて顕現させるというものだ。簡単に言うと銀行に行ってお金を借りる感じらしい。

「集中して呪文を唱えて魔法を顕現させるのです。私よりサリーのほうがうまいのでサリーに詳しいことは教えてもらってください。」

そう言われてサリーに魔法を見せてもらう。

サリーは目を閉じてつぶやく

「風の精霊であるシルフよ。今一度我に力を貸し願う。かのものに暴風の怒りを!台風ハリケーン!」

そう言ったサリーの手から風が生きよい良く吹き荒れる。

俺はポツリと「すごい、」と言う。それが聞こえたのかサリーは

「いまのは第2級魔法です。これより上の魔法は危険ですので基本は使いません。それと私は風魔法しか使えませんので、あの時の状況だとお嬢様も巻き込んでしまうので魔法は撃てませんでした。」

と言い近づく。

「さあ。デモス様も」


と魔法を撃つように促す。

俺はさっきのサリーの感じで集中する。

目をつむって詠唱しようとする。

だがふと思う。今さっきのサリーの詠唱はまだ簡略化できるのではと。

さっきの感じだと重要なのは借り受ける魔法の種類に対する精霊の名前。

借りる魔法の力加減。そして魔法の名前を言うといった内容だった。これの最初の二つを頭に浮かべて魔法の名前だけ口にするのはだめなのか?と考えた。

俺は、知っている精霊のサラマンダーとマグマを思い浮かべ、「火槍ファイアランス!」と言う。



俺の考えは正解のようで、手から火の槍が放たれる。

それを見た、サリーとアイリスは口を開けてぽかんとしている。「デモス様、、今、無詠唱で、、しかも第4魔法の火槍ファイアランスを、、」と言っていた。

サリーに向かって「これ思ったより簡単にできたよ?精霊と規模を考えて魔法の名前を言うだけで最初の二つにとられたマナも魔法に乗るみたい。サリーも試してみて?」と言う。

サリーはデモスの言う通りに集中して両手を前に出しつぶやく。「、、、風纏刃ウィングカッター!」そう言ったサリーの腕に風で作られた刀が現れる。「ほんとにできた、、」とサリーは驚く。

アイリスも「デモス様!すごいですわ!魔法が初めてなのに無詠唱を!しかも他人にも授けてしまうなんて!!」

サリーも目を輝かせて「デモス様の言う通りにすればこの国の魔法学がまた進化しますわ!」と二人して詰めてくる。

「えっと、とりあえず魔法を習得できたってことだからアイリス嬢。そろそろお城に向かいましょうか?」少し気障になってアイリスに話しかけると、

アイリスもそれにならって「そ、そうですわねデモス様!サリー出発の準備を始めるわよ!」と言う。

サリーもそれに倣ってアイリスにうなずく。


こうして俺、デモスは国王のいる城までアイリスたちを護衛するミッションが始まった。













お久しぶりです。忙しくてなかなか手が付けられなくて時間がかかりましたが1章開幕です。

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