人になった妖精
困った時に頼る大人というと、悲しいかな、病床のメッサだ。俺はメッサの元を訪れた。
あのちょっと広い平屋に行ってみれば、もぬけの殻だった。中に入って、メッサがいない事にイヤなものを感じた。もう、病気で弱っていたメッサ。いつ死んでもおかしくなかった。
メッサが寝ていたベッドも綺麗になっていた。最初からいなかったみたいだ。
痕跡を探そうと見ていても、まず、この家のことを知らない。
メッサのお見舞いに来た時は、気づかなかったが、その家は、夫婦で暮らす用に物が揃っていた。一人暮らしではない。
もしかして、と考えている所に、たくさんの人が入ってきた。
「あんた、誰だ!?」
「メッサの友達だ」
「そうなのか!!」
最初は警戒するも、メッサの友達というと、逆に大歓迎された。
「俺たちは、メッサさんの兄弟姉妹の孫だ!!」
あまりの人数に、俺は押された。メッサ、兄弟姉妹がたくさんいたと言ってたけど、孫の代になると、もう、一族だな。すごっ。
メッサの身内たちは、賑やかに家に入ってきて、手に持っている骨壺を机に置いた。
「メッサ、死んだんだ」
「知らなかったのか!? 俺たちは、メッサさんがもう先が長くない、という使者が来たから、ここまで来たんだ。本当につい三日前に、亡くなったんだ」
「一か月もかけての旅だったけど、死に目にも会えて、本当に良かった」
笑顔で良かった良かったというメッサの身内。
「一か月も?」
「そう、一か月かけて来たんだ。それくらい、辺境の僻地は遠いんだ。金がないから、歩くしかない。死に目に会うことすら不可能だろう、と諦めていたのに、会えた。奇跡だ」
「そうか」
死に目に会えて喜ぶメッサの身内。死んだけど、最後に生きているメッサに会えて、嬉しいんだ。
俺は、アイオーン様の最後を知らない。皇位簒奪されて殺された、と聞いているだけだ。皇位簒奪された皇帝は、墓すら作られない。帝国は弱肉強食だ。皇帝といえども、敗者には容赦がないのだ。
ちょっと賑やかに過ごして、メッサの身内たちは、骨壺を持って、家を出ていこうとした。
「どこに行くんだ?」
「宿をとっている。明日には、また、一か月の旅に出るんだ」
「ここに泊まればいいだろう!! ここは、メッサの家だ」
「知らないのか? ここは、メッサさんの知り合いの物だ。メッサさんが病気となったから、家を与え、面倒みる使用人まで与え、としてくれた。それも、メッサさんが死んだら終わりだ」
「でも、今日くらい、泊まっていけば」
「俺たちは、そこまで恥知らずじゃない」
何か決意を持っている面々。
別に一日くらい、と俺は思った。だけど、メッサの身内たちにとって、この好意を受け続けるのは、恥だという。
「どうして、そういうんだ? メッサはすごい人だ。本当なら、もっといい待遇を受けていてもおかしくないんだ。将軍になったんだ。もっとデカい家を持っていてもおかしくないんだ」
「メッサさんが稼いだ金のほとんどは、仕送りされてたんだ」
「っ!?」
メッサの身内たちは、骨壺を抱え、泣きそうな顔になる。
「メッサさん、俺たちの祖父母や父ちゃん母ちゃん、俺たちまで、苦労しないように、と仕送りしてくれてたんだ。俺たちの祖父母は、平民でも底辺だ。だけど、俺たちの父ちゃん母ちゃんは、メッサさんのお陰で学校に行けて、平民でもいい暮らしが出来るようになった。そこからさらに、俺たちも、メッサさんのお陰で、いい暮らしが出来るように、学校に行かせてもらえた。その金も、メッサさんの仕送りからだ」
そんなことをしているなんて、俺は知らなかった。
だけど、騎士となったメッサの日常は、朝から番まで騎士だから、金なんか使う暇なんてない。騎士は無駄だ、と陰口を叩かれることだってあるが、必要なんだ。いざという時、人手が必要だ。魔法使いでは火力が強すぎて、大変なこととなってしまう。被害を最小限にするために、兵士や騎士が導入されるのだ。
騎士団長となったメッサには、休みなんてないに等しい。生活だって、帝国がみてくれる。給料は貯まっていく一方なのだ。
好きに使えばいいのに、メッサは、田舎の家族に全て仕送りした。手紙だって出しているだろうが、大したことは書かなかったのだろう。
話していると、メッサの身内たちはボロボロと泣き出した。
「もっといい暮らしをしていると思っていた。あんな大金をぽんぽんと送ってくるんだ、きっと貴族みたいだ、と思ってたんだ。だけど、実際は違った。家すら持っていなかった。病気になっても、面倒をみてくれる家族もいなかったんだ!!」
「なのに、俺たちが来たら、むちゃくちゃ、喜んでた。兄弟姉妹に似てるって」
「ごめんと謝ったら、笑ってた。家族なんだからいい、て。俺たち、会ったのは、三日前が初めてだ。なのに、家族だって、メッサさんはいうんだ!!」
たった一度しか会えなかったメッサに、メッサの身内たちは泣いた。死んだから、泣いているわけではない。メッサという人がすごいから、泣いているのだ。
「俺たち、明日には出ます。メッサさん、故郷に帰りたいって言ってた」
「そうなんだ」
メッサの骨壺を持って、メッサの身内たちは去って行った。
メッサの身内に会ったからだ。俺はそのまま、俺の父親の元に向かった。どこに暮らしているのか、俺は知っていながら、いつも、馬車から父親を見ているだけだった。
ハガルは、おかしくなる前まで、かなりの回数を俺の父親に会っていた。俺が拒否してからも、ずっとだ。俺の父親のことを何かの身代わりにしている感じだった。
俺の父親は、まあまあの治安の場所で暮らしていた。こちらも、まあまあ大きい平屋である。ハガルの金を使って、まあまあいい暮らししてたんだな。
家はまた、喪抜けの空だ。それどころか、随分と人が暮らしていない感じだった。埃っぽい。
外はもう暗くなっていた。中を魔法で照らして、一通り見たけど、父親が暮らしている形跡どころか、人の営みもなかった。ゴミ一つない。
こんな暗くなってから、近所に聞き込みをするのは失礼なことなのだが、メッサのこともあるので、俺は近所の家の戸を叩いた。
いくつか戸を叩いて、開けてくれた家で、父親のことを訊ねた。
「あの家に暮らしていた人? 随分と前に死んだわよ」
「そうなんだ」
「知らせは行かなかったの? 死んですぐ、身なりのいい人たちがきて、持って行ったわ。見た目は怪しい感じだったけど、実際は、どこかの貴族だったのね、なんて噂したわよ」
ハガルだ。
メッサの件で、なんとなくわかった。メッサと同じく、俺の親父にも、ハガルは家を与え、何かしら、人をつけたりしたのだろう。金まで渡して、生活を支えたのだ。
そのまま、金だけ渡して、好き勝手していると思っていた。ハガルは、俺の親父に、人並の生活を与えていたのだ。
もし、俺が馬車から降りて、ハガルと一緒に、この家に会いに行っていれば、その事実を俺は知ることとなっただろう。だけど、俺は過去の父親の所業が許せず、気持ち悪くて、どうしても、馬車から降りることが出来ず、見ているのも辛く感じていた。
「いい人だったわよ。子ども好きでね。娘がすごい、と自慢していたわ」
「そうなんですか!?」
「頭がいいから、城で仕事しているって。病気になっても来ないなんて、と言った人もいたのよ。だけど、それには怒ってね、邪魔したくないから黙ってるだけだ、て言ってた」
「………」
そうじゃない。俺が会いたくないから、拒否しただけだ。父親のことは、気持ち悪くて、大嫌いだった。
「私も、恩があるのよ。一度だけ、騙されて、お金に困ったことがあったの。子どもがいたから、どうしようか、と泣いていると、ぽんとお金をくれたの。娘さんからの仕送りなんですって。余裕が出来て、返そうとしたけど、断られたのよ。それよりも、子どもに使ってやってほしいって。もし、娘さんに会ったら、お礼を言ってちょうだい」
「………はい」
そう返事をするしかない。今の俺は偽装していて、男にしか見えない。身内か何かだ、とは思っているだろう。だけど、目の前にいるのは、あの父親の娘だとは、誰も思わない。
頭を下げて、夜分の失礼を詫びて、俺はそこを離れた。
父親との思い出は、封印だ。思い出すのもイヤだった。だから、楽しい思い出ばかりで埋めつくして、父親と過ごした年月をなかったことにしたのだ。
死んだ父親はそうではない。俺のことを自慢し、ハガルから貰った金を困った人に渡し、いい人になっていた。
何が子ども好きだ!? 実の娘には、散々、悪戯して、身売りまでさせていたじゃないか!! 夜には、俺を抱きしめて眠っていたのだって、大事な商品だったからだ。そうやって、盗られないように、囲っていたんだ。
ふと、母親のことを思い出そうとする。俺の中で、母親は存在しない。親父といた時も、ハガルに引き取られてからも、母親はいない。
真実を知るのは、ハガルだ。ハガルだったら、何もかも、知っているだろう。だけど、今のハガルは狂ってしまっている。話を聞き出そうとしても、俺のことを貧民のルキエルと認識してしまう。話は滅茶苦茶になるのは目に見えていた。
それ以前に、今、ハガルに会うのが怖い。皇帝にべったりとくっついて、俺のことを見向きすらしないハガル。俺にとって、ハガルは父親であり、兄であり、師匠だ。死んでしまった父親よりも、もしかしたら、俺の皇帝アイオーン様よりも、ハガルは大事かもしれない。
俺は正確には、行く所がない。立場は魔法使いと偉いのだが、いざ、帰るとなると、筆頭魔法使いの屋敷だ。
俺は、仕方なく、ハガルがいない屋敷に戻った。いつもの通り、私室に行こうとして、何かの気配に、俺は引っ張られた。
とてつもなく強い妖精の力だ。その力の元に行けば、秘密の部屋にたどり着いた。
そこは、筆頭魔法使いが強く執着するものを閉じ込める部屋だ。俺が知る限り、その部屋は使われていない。なのに、その部屋のドアが開いた。
「アイオーンかと思ったら、アイオーンの妖精憑きか」
綺麗な人だ。だけどわかる。これは、人となった妖精だ。しかも、物凄い力を持っている。
声もなく見ていると、妖精はジロジロと俺を見た。
「百年の才能の持ち主かー。ハガルはどうした?」
「ハガルの、知り合い?」
「私は、ハガルに金で買われた妖精だ」
俺が生まれるよりも昔の話だ。ハガルとアイオーン様が隠れて人身売買の現場に行った。そこで、ハガルは人になった妖精が売られているのを発見したのだ。
このままでは、大変なことになる、ということで、ハガルは妖精をとんでもない金額で買った。
そうして、人になった妖精はハガルのものとなったのだ。
ハガルは言った。
「ほら、自由にどっかに行け」
「いやいや、恩返しをさせてくれ」
「何が恩返しだ。こいつ、わざと安い金額で売買させて、売り主も、飼い主も破滅させようと企んでたんだ。一体、どれだけの奴を破滅させた?」
「覚えていないな」
「そんな奴、手元に置いておけない。さっさと好きな所に行って、消えろ」
「恩返しは絶対だ。何をすればいい?」
「………話し相手を探している。お前なら、大丈夫だろう」
そうして、ハガルは話し相手として、妖精を連れて帰ったのだった。
「消えてないな」
「あんな願いで消えるわけがないだろう。ただ、この部屋に閉じ込められた女の話し相手なんて、恩返しでも何でもない」
「え、この部屋に、ハガル、女を閉じ込めたの!?」
まさか、使われていたなんて、驚いた。ハガル、女好きだけど、側に女を置いたことがない。
だけど、それは俺が生まれる前の話なんだろう。いたっておかしくないのだ。
「知らないけど、子どもまでいたって話だ。見たことないけど」
「ハガルに子ども!?」
「養女に出して、そのままだって。ハガルの執着は恐ろしいから、隠されたんだよ。一歩間違えると、弱点だ」
「そ、そうなんだ」
そんな話を聞いて、気づいてしまう。ハガルに子がいることをアイオーン様はご存知だ。だって、皇帝だもん。
この屋敷の使用人たちは特殊だ。城仕えではあるが、筆頭魔法使いハガルのための使用人ではない。彼らは、ハガルを監視し、何かあった時は皇帝に報告するための存在だ。
常にハガルは見張られている。私生活なんて存在しない。隠し子だって、皇帝は知っている。
妖精は、暇なんだな。俺が聞かなくても、ベラベラと話してくれる。
「で、今はどうなってるんだ? 外が随分と騒がしいから、出てきたんだけど。アイオーンは元気か?」
「アイオーン様は、死んだ」
聞かれて、改めて、俺は答えて、ボロボロと泣いた。今更ながら、涙が出た。
俺が泣き出すから、妖精が困った。
「お、おい、泣くなよ!! そ、そうだ、何が好きだ? 持ってきてやる」
「アイオーン様に会いたいぃ」
「無茶苦茶だな。腹が減ったから、弱ってるんだろうな。何か甘いものを食べよう」
妖精はあの秘密の部屋ではなく、別の部屋に俺を引っ張っていった。
筆頭魔法使いの屋敷の使用人たちは優秀だ。妖精がやってきても、動じず、普通に給仕する。
俺が泣きながらも、ここに来る前からの話をとつとつと話した。それを妖精は黙って聞いていた。
アイオーン様が亡くなった所で、話すことはなくなった。
「人って、すぐいなくなるな。死んだと聞いて、驚いた。まだ、出会って百年も経ってないってのにな」
「人は百年も生きない!!」
「だから驚いている。アイオーンともそんなに会ってなかったからなー。あの男も不憫だぞ。息子だという子どもは、友達の子どもだしな。その友達を殺したのはアイオーンだ」
「し、知らない」
初めて聞く話だ。たぶん、皇族の間でも隠されていたのだろう。
「ハガルの恨みは恐ろしいからな。よりによって、友達であるアイオーンに殺させるとはな」
「ハガルが、やらせた?」
「あの部屋に閉じ込められていた女は、ハガルの初恋だ。上に下にとすごかったんだぞ。その初恋の女を人買いに売り払ったのがアイオーンの友達ハイラントだ。その事に、怒り狂ったハガルは、ハイラントの身内を破滅させ、最後には、ハイラントをもアイオーンの手で殺させる、という凶事を起こしたんだ」
「ハイラント、というんだ」
ハガルが夢中になっている皇帝はハイムントと呼んでいた。名前だけ聞くと、確かに身内だ。
何故、ハガルが皇族メリル様を疎んでいるのか、これでわかった。メリル様の子が、ハイラントの子だからだ。ハガルにとって、ハイラントはどうしても許せない皇族だ。だが、皇族を殺せないハガルは、同じ皇族に殺させたのだ。
よりによって、アイオーン様にそれをさせた。
そして、メリル様はアイオーン様を恨んで、散々なことをしたのだ。だけど、アイオーン様は友達ハイラントを殺した引け目があるため、メリル様を許すしかなかった。皇位簒奪を失敗した偽物の息子も、片腕を斬り落とすだけで許したのだ。
そこまで、許されながら、皇族メリル様は、最後まで、身の程をわきまえなかった。
ハガルは、容赦ない。賢帝ラインハルトの瓜二つだという皇帝ハイムントを魅了し、祖母である皇族メリル様を殺させたのだ。その凶行は留まらず、ハイムントは実の兄をも皇位簒奪の現場で殺した。邪魔となったのか、実の父親も皇帝ハイムントが殺したという。
どんどんと、ハイラントと皇族メリルの血筋は絶やされていた。残るのは、皇帝ハイムント自身と、その弟である。
狂気の沙汰だ。身内に殺させるようなことを平然とするハガルは狂っている。狂っているから、絶対に許せない血筋のハイムントを賢帝ラインハルトの身代わりにして愛するのだ。
ハガルには、優しい面もある。元将軍メッサのために、家を与え、療養するための人も与え、さらには、身内まで呼び寄せた。俺の父親にも家を与え、金を与え、安らぎを与えた。
どちらも、ハガルがやったことだ。ハガルはそれを自慢したりしない。ただ、黙ってやっているだけだ。俺がメッサや父親の所に行かなければ、一生、知ることがなかっただろう。
きっと、もっと色々とハガルはやっている。
俺が押し黙ってしまったから、妖精は詰まらなそうにしていた。妖精と人とでは感性が違う。人の感傷なんて、どうだっていいのだ。
「それで、ハガルは今の皇帝に夢中なのかー。それは、仕方がないな。一歩間違えると、ハガル、気狂いで帝国壊しちゃうからな」
「そんなこと、ハガルがするわけないだろう」
「ハガルは、これまでの筆頭魔法使いとは違う。あいつはな、帝国第一みたいな顔をしているが、そうではない。私が知っている筆頭魔法使いは、もっとこう、帝国第一なんだ。まず、外にでて、遊ぶなんてないな。ハガルくらいだ、あんなことしているのは」
「魔法使いだって、それなりに」
「筆頭魔法使いになれるほどの妖精憑きは、帝国が教育するんだ。幼い頃から、洗脳まがいの教育をされる。だから、外で遊ぶなんてしない。ハガルがおかしいんだ。あれもほしい、これもほしい、と欲望がいっぱいだ。そんなハガルの最後の支えは、死んだ皇帝ラインハルトだ」
「家族とか、アイオーン様だっていた。俺だって」
「まともに戻ると、そうなるが、失った後は、また、ラインハルトに戻る。ハガルは、それの繰り返しだ。あの部屋に閉じ込めた女が死んだ時も、過去に縋っていた。そうなると、化け物だ。食べることすらしなくなる」
「俺とは、普通に食事していた」
「ふりだ、ふり。お腹はすくが、必要ないんだ。それでも、ハガルはラインハルトが欲しくなる。そういう時は、ラインハルトの遺骨を食べるんだ」
「っ!?」
思い出す。ハガルの部屋に骨壺があった。あれが骨壺だと知ったのは最近だ。メッサが死んで、骨壺に納められているのを見て、あれが骨壺だとわかった。
「もう、ラインハルトの遺骨はなくなっただろう。そうなると、ハガルは気狂いだ。ああいうのはな、上手におだてないといけないのに、愚かな皇族がいたんだな」
皇族メリル様だ。メリル様は私でも愚かだ、ということを散々、やったのだ。
そうして、ハガルの恨みを買い、最後は、孫に殺されることとなった。メリル様もまた、墓がない。皇位簒奪に失敗した者として記録されたのだ。
「で、ハガル、呼べない?」
「申し訳ございません。ハガル様は皇帝陛下の側を離れたくないと」
「べったりかー。仕方ない。私はまた、引きこもるよ。じゃあな、百年の妖精憑き」
使用人からハガルに会えないと言われた妖精は簡単に引き下がり、また、あの秘密の部屋に戻っていった。




