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最低最悪な魔法使い  作者: 春香秋灯
教皇長と魔法使い
3/38

神殿の裏側

 もう、賢者テラスとの縁も切れただろう、そう思っていた。普段から、テラスは城の外には出ない。出たとしても、聖域の慰問だ。神殿にも立ち寄らず、さっさと聖域の穢れをその身に受けて、去っていくのだ。

 教皇長となって、最初の頃は、月に一度くらいは賢者テラスが聖域の慰問のついでに顔見せしてくれるものと期待していた。しかし、賢者だから忙しいので、そんなことしない。やることやって、さっさと次の聖域に聖域を通して飛んで、そして、城に帰って行ったのだ。そういう俺の期待を見事に裏切ってくれたので、もう、何も期待していなかった。

 なのに、見習い魔法使いハガルに対してやらかしてから、テラスがわざわざ神殿にやってきたのだ。さすがに、俺もどうしてか理解する。

 見習い魔法使いハガルのことで、何か言いに来たのだ。

「約束もなく来るとは、本当に自分勝手な男だ」

 王都の教皇ウゲンは、予定を狂わされて、俺に向かって文句をいう。

「仕方ない。俺がやらかしたからな」

「どこがいいのか、あの妖精憑きの」

「………」

 そっちか!? 見習い魔法使いハガルを口説くようなことについて、ウゲンは今だに怒っているのだ。ウゲン、舌打ちまでした。

 ウゲンは教皇となるほどに、それなりに実力のある神官である。それだけでなく、本来であれば、魔法使いとして、城勤めをするべきなのだ。

 しかし、ウゲンは俺が教皇長となると、神官になったのだ。ウゲンは、俺の側にいたくて、魔法使いという栄光を捨てた。

 稀に、こういうことがあるという。妖精憑きにとって、ただ一つの執着というものが。ウゲンにとって、俺がその執着だ。俺にはわからないので、ウゲンの一方通行だ。それでも、ウゲンには構わないのだ。

 だから、ウゲンは教皇にするしかなかった。平の神官にするには、妖精憑きの力が強すぎるのだ。教皇だからといって、妖精憑きの力関係が必要なわけではない。ウゲンだけが特別なのだ。

 そういうことで、ウゲンは永遠に王都の教皇である。別の聖域に移動することはない。絶対にさせてはいけないのだ。妖精憑きの執着は、絶対に優先される。

 ウゲンの執着は恐ろしい。俺が男相手でしか閨事が出来ないとわかっていて、それを受け入れてしまうほどだ。俺は知らないが、俺自身には、ウゲンの執着が妖精憑きにわかるようになっているという。だから、神殿にいる神官たち、シスターたちは、俺に対して、迂闊なことをしない。何せ、実力の上では、神殿中で、ウゲンは最強である。

 俺はウゲンを軽く抱きしめてやる。

「そんなに拗ねるんじゃない。今はウゲンが一番だ」

「初恋はテラスですけどね」

「………」

 ウゲンに蹴られた。そこでしっかりと言いくるめられないから、俺は失敗するんだな。

 しかし、ウゲンは絶対に俺とテラスを二人っきりにしない。城にだってついて来たのだ。だから、怒りの表情をしながらも、しっかりとテラスを迎え入れるのだ。

「突然、すみません」

 テラスは単騎である。聖域の慰問の帰りに立ち寄ったからだ。聖域の慰問は、賢者や筆頭魔法使いの仕事だ。ちょっと聖域が酷い状態の時は、手の空いた魔法使いがやるが、基本、賢者と筆頭魔法使いがやる。だから、側仕えのような魔法使いを連れて来ない。

 帝国最強の妖精憑きであるテラスに、護衛とか、いらないけどな。腕っぷしも、騎士団で上位だ。全身が人間凶器だな。

「本当に、そうですね」

 そして、ウゲンは遠慮しない。ほら、神殿と魔法使いは対等だから。が、普通はしない。ウゲンだからするんだ。

 ウゲンはそれでも丁寧な給仕をする。ほら、俺も受ける側だから。

 ウゲンが作った菓子を見て、テラスは目を見張る。

「ウゲンも、とうとう、時魔法を使いこなせるようになりましたか」

「当然です。私はエズル様の妖精です。あの妖精憑きに出来ることは、全て、こなしてみせます」

 ギリギリと歯を噛みしめていうウゲン。テラスは誉めているのだが、ウゲンは悔しいのだ。目の前で、見事な魔法で作られた菓子を出されたことが。

 別にいいんだがな。時間をかけて作られたウゲンの菓子も十分、美味しい。俺はいつもの菓子を食べる。ウゲンが作る菓子は、俺好みの味付けだ。だから、少し、甘さ控えめだ。同じものをテラスも食べている。テラスはこれっぽっちも表情を変えない。

「それで、何か用か? もう、あの見習い魔法使いに妙なちょっかいは出さない」

 俺から先に言っておいた。見習い魔法使いハガルに関わることは、俺の寿命を削ることだ。こんなのには金輪際、関わらないようにしよう。

「どうして、ハガルを勧誘したんですか?」

 テラスはただ、俺がハガルに興味を示したことが気になっただけだった。

「どうしてって、あれほど完璧な教育をされた側仕えだ。欲しいと思うだろう」

 そう言った途端、ウゲンに足を踏まれた。容赦ないな!?

 見えない所で、俺とウゲンが痴話げんかをしているのだ。テラスは呆れている。

「たったそれだけ? あなたは男好きですよね。そういう意味で、何か感じたのではないですか?」

「………否定は、出来ん」

「エズル様、浮気ですか!?」

 テラスにそう言われてしまえば、正直に答える俺の胸倉をつかむウゲン。もう、俺は救いようがないな。

「ウゲン、悪かった。ちょっと魔が刺したんだ。本当にそうなんだ。見た目はあんなに平凡だというのに、妙に惹かれた。大した妖精憑きでないのなら、俺の側に置いて可愛がってやればいい、程度に考えた。すまん」

「この男は、本当に最低最悪だな。それでも、私はあなたがいいんですよ。私が見ている内は、浮気は許しません」

 乱暴に離される俺。ウゲンに頭下げるしかない。

 俺の本音を聞いたテラスは呆れた。

「エズル、ウゲンのことを大事にしなさい。そこまで、独占されるほど求められているというのに、何が不満なんですか」

「はい、大事にします」

「妖精憑きに執着される、ということの、本当の恐ろしさをわかっていませんね。都合のいい男と扱うくらいなら、最初から、受け入れなければ良かったのに」

「そんな隙もなかった」

「ただの人では、本気の妖精憑きには勝てないということですね。ウゲンが羨ましい」

「?」

 遠くを見るテラス。

 俺が城に近寄らなくなってから、本当に随分と長い。年に一度の食事会も欠席し、十年に一度の舞踏会も欠席し、皇族の儀式も欠席し、とあらゆる集まりを欠席していた。本来なら許されないことなのだが、教皇長はなりてがないので、特別に許されたのだ。

 そうして、俺は初恋からも、皇族のお役目からも逃げた。その期間はとんでもなく長い。その間に、テラスの身の上に、何かあったのだろう。

 つまり、テラスもただ一人を見つけたということだ。

 その予想に、俺は胸の痛みを感じる。まだ、俺は初恋を引きずっている。これは、永遠だろう。そして、そんな俺の機微にしっかり気づいているウゲンは容赦なく俺の足を踏んできた。

「それでは、もう、ハガルのことは諦めましたか?」

「もう、勧誘はしない。俺だって、命が惜しい」

「その気持ち、きちんと強く持ってくださいよ。私ももうすぐ寿命です」

「そんな、俺より先に死ぬのか!?」

 つい、俺はテラスに迫ってしまう。まさか、俺よりも先に死ぬなんて、思ってもいなかったのだ。

 そして、ウゲンに首根っこつっかまれて、引きはがされる。

「心配いりません。私はエズル様より長生きですよ。安心してください」

 テラスに見せつけるように俺を抱きしめるエズル。

 そんな俺とエズルをテラスは心底羨ましそうに見ていた。

「私も、もっと抱きしめていれば、いや、もう遅いか」

 苦笑するテラス。そうか、テラスはその唯一の執着を失ったのだ。

 だから、どこか覇気がないのだ。久しぶりに会ったテラスには、何か足りなかった。帝国のために生きていた男だ。全ては帝国優先である。それは、確かだろう。

 しかし、久しぶりに会ったテラスは、抜けていた。俺が大きな失敗をしたら、まず、手が出てきた。なのに、先に出たのは大魔法使いアラリーラだ。テラスはただ、傍観していただけだ。

 力ある妖精憑きは妖精に引きずられるので、若い見た目が保たれるという。テラスの寿命が迫っていることもあるが、何か抜けて、老けたのだろう。

「テラス、もう、失敗はしないから、心配するな」

「そうだといいですがね。ウゲン、しっかりとエズルのことを捕まえ、支えなさい。エズルは簡単に、皇族狂いを起こすだろう」

「………わかりました」

 テラスに心配をかけまいと言ったのに、どうしても、俺は心配される。

 用は見習い魔法使いハガルについてだけだった。俺がこれ以上、ハガルの勧誘をしないと宣言したことと、ウゲンがきっちり見張っているので、テラスは帰っていった。

「エズル、今日はしっかりとしましょう」

 そして、そこから、ウゲンの嫉妬が炸裂した。






 しかし、俺のほうからは近づかないのに、相手から来るわけだ。

 見習い魔法使いハガルは、詫びの菓子なんか持って、神殿にやってきたのだ。

「テラス様から、エズル様はこの店の菓子が好物だと聞きました。先日は、大変、無礼な態度をとりまして、申し訳ございませんでした」

 頭まで深く下げてくるハガル。常に側にいるウゲンは、俺の好物である菓子なので、無下にできない。確かに、その店の菓子は今も好物だな。

「そこまで気を遣わせてしまって、悪いな。俺だって、悪いところがあった。酷いことを言ってしまったな。ラインハルトに叱られた」

「いえ、皇族であるエズル様のいうことに、俺が口答えすることは、間違っていますから」

「いいんだ。俺は、教皇長だ。こう言ってはあれだが、教皇長としては、間違いだって犯すし、失敗だってする。時には、神殿の代表として、頭を下げることだってあるんだ。だから、気にするな」

「ありがとうございます!!」

 終始、頭を下げっぱなしのハガル。本当に完璧だ。皇族に絶対に謝罪させないのだ。

 それで終わりでいいのだが、ハガルは少し、神殿に興味があるようで、きょろきょろと見回していた。見習い魔法使いだから、神殿に来ることはほとんどないよな。

「案内しようか?」

「あ、いえ、家族とよく来ていますから」

「来てるの!?」

「? はい」

 驚きだ。だけど、思い出せば、ハガルは特殊な見習い魔法使いだ。

 基本、妖精憑きは帝国の持ち物だ。生家からも縁を切らせる。まあ、生家からも、妖精憑きからも、その後は訊けば教えてもらえるが、普通はしない。平民にとって、妖精憑きの身内というのは危険だからだ。

 妖精憑きの力を悪用するために、家族が狙われることは過去、あった。そのことを儀式後に、家族に説明するのだ。そして、だいたいは縁を切って、その後も調べない。妖精憑き側もそうする。

 しかし、見習い魔法使いハガルは、生家で育った。戦争後からは、魔法使いの館で暮らしているが、それでも、生家との縁が切れていない。それほどの繋がりである。本来はありえないのだ。

 いやいや、関わっちゃいけない類だよ、この子には。

 だが、ハガルはある事に興味を示していた。

「エズル様、問題のある人を収容する施設の見学は、させてもらえますか?」

 そっちかー!! 表には絶対に出ない部分だ。

 俺から言い出したんだ。ハガルの問題のある父親を神殿で引き取ろう、と言った!! 側で聞いていたウゲンは助けてくれない。溜息しかついていない。

「ハガルは、その、父親を神殿に入れたいのか? 相談には乗ろう。噂で聞いたが、本当にどうしようもない父親だな」

「俺にも悪い所がある。親父だけが悪いわけではない。それで、見学出来ますか?」

 誤魔化せない!?

 あまり、見せたくない場所である。いや、見せるよ。困った家族を抱えて、という人だって神殿は門戸を開いている。見学だって、まあ、許可してるな。

「一応、ここでの事は他言無用となっているんだが、いいか?」

「妖精の契約をするのですか?」

「そういうことだ」

「わかりました」

 だいたい、ここまで条件を出すと、半分は諦めてくれるのだが、ハガルは諦めてくれなかった。

 仕方なく、教皇ウゲンがその場で、沈黙の契約をハガルに施した。

「っ!?」

 ところが、ウゲン、あまり表情が良くない。いつもならすぐに終わらせるというのに、沈黙の契約に、時間がかかっている。

「お前、いつまで手を握ってるんだ!?」

 散々、俺のこと浮気者扱いしておいて、ウゲンは長いことハガルの手を握っているから、俺のほうが怒りでウゲンを剥がしてやる。

「違います!! 契約が出来ないんです」

「お前は魔法使いになれるほどの実力持ちだろう!!」

「出来ないんです!! ハガル、貴様、一体、何者だ。こう見えても、私はかなり力のある妖精憑きだぞ」

「………絶対に口外しませんから、勘弁してください」

 言いたくないんだな。俺にもウゲンにも目を合わせてくれない。

 それからのウゲンの警戒はとんでもなかった。俺の腕を組んで離さないのだ。

 沈黙の契約は出来なかったが、まあ、ハガルは大丈夫だろう、ということで、俺は信じることにした。ハガルはかなりきちんと教育をされている。やっちゃいけないことも理解しているだろう。

 そして、神殿の後ろ暗い部分の見学である。普段は、信者さんたちは表の部分でお祈りして終了である。しかし、神殿はもっと広いのだ。それなのに、信者が入れる部分はほんの一部である。

 神官やシスターの生活区域は別である。神殿は不眠不休に動いている。夜番も置かれるほど、厳重だ。だから、交代で休む場所だってあるのだ。それと、聖域で万が一のことがあった時、帝国の支配されない妖精憑きの暴走時、そういう妖精憑きでないと解決出来ない事が起こった時のための道具を納める倉庫もある。それでも一部だ。大部分は、問題のある人の収容施設である。

 貴族なんかは、表に出せない身内を神殿送りにするのだ。俺が教皇長になって、一番驚いたのは、公爵家の嫡子が顔を呪われて神殿送りになったことだな。

 ハガルは、個室に閉じ込められている者たちを、小さい窓から見て、中を観察していた。ここでは、人として問題のある者たちだ。金さえ払えば、誰だって神殿送りに出来るのだ。その代わり、一生、ここから出されない。表向きは更生したら出されるのだが、そういうことはない。だから、中では悪あがきして、ドアを蹴ったりする者もいる。その音に、ハガルは驚いて、ウゲンにぴったりとくっついて怯えた。俺には来ないんだな。

「まさか、ここに俺の親父を入れようとした?」

「ここは、厄介な奴を入れる場所だ。金持ち平民でも、貴族でも、どうしてもそういうのがいるだろう。神殿送りと言えば、だいたい、察する。そして、死ぬまでここで収容だ。そのかわり、金がかかる」

「なるほど」

 それから先に進めば、少し汚れた感じになる。手入れは最低限である。そこは、もう、どうしようもない人を収容する場所である。

 気狂いを起こしていて、もう、手が付けられない。外に置いておいても、迷惑をかけるだけなので、神殿が積極的に受け入れるのだ。

「まさか、ここに親父を?」

「ここは、気狂いを起こした奴らだ。金をかけられないからな。何せ、寄付で賄われている。だから、最低限の世話しかしない。そこは、妖精憑きの力でもってこなすがな」

「確かに、妖精憑きなら、大した作業じゃないですね」

 手を抜いているのかもしれない。そこはわからない。綺麗さについては、教皇ウゲンの判断だ。

 そして、そこから地下に降りることとなる。

 神殿自体、大昔の、今ではよくわからない魔法で作られている魔法具だ。地下に降りると、空間が捻じ曲げられており、外の神殿の大きさではないだだっ広い地下が広がっている。この地下だけで、王都並だと聞いたことがある。

 だだっ広い地下は、教皇が降りると、きちんと魔法具が作動して明るくなる。それを物珍しそうに見るハガル。こういうのは、見習い魔法使いでは、見ることがないんだろうな。

 地下牢にも色々とある。物置だってある。

 地下牢だが、大きさはまちまちだ。また、全てに人が収容されているわけではない。

 何より、地下牢には特殊な魔法が施されている。

「これは、呪われた人、ですね」

「見たことがあるのか?」

「妖精が呪っています」

 見た限りでは普通の人だ。しかし、ここに収容されている人たちは全て、妖精の呪われている。

 呪いには二通りある。目に見えない呪いと、体の一部を変異させる呪いだ。

「この神殿では、妖精の呪いを受けた者を見つける機能がある」

「そういえば、以前、魔法使いの定期検査で、道具を使って、呪われた魔法使いが発見されましたね」

「あれには驚いた。魔法使いでも妖精に呪われるなんてな。そういうわけで、呪いを受けた者たちは、問答無用で、ここに収容し、祭壇でお祈りをさせている。身分によって、ここの広さや快適さは変わる。逆を言えば、寄付金があれば、快適に暮らせるということだ」

 ここもまた、金次第である。

 呪われた人は、絶対、神殿送りにしなければならない。この地下は、その呪いを外に出さないために、特殊な魔法が施されている。しかし、人は生きているのだ。呪われたといったって、食べるし、体だって汚れる。手がかかるが、結局、寄付や帝国の予算で生かすしかない。呪われた人は、簡単には処分出来ないのだ。何が起こるのかわからないので、死んだ後は、魔法使いに燃やしてもらう。そうしないと、呪いが残ってしまう。

「ここに、入れるつもりでしたか?」

「いや、奉仕作業を強制的にやらせようとしていた」

「そうなんですか!?」

「神官に無理矢理つけてやれば、悪さなんて出来ない。何せ、妖精憑きの神官たちとシスターたちが監視しているからな」

「そうなんだ」

 何か心配していたのだろう。ハガルはその場で座り込んだ。

「お前の父親、いつでも引き受けてやるぞ」

「いえ、大丈夫です。俺たち家族で、どうにかします」

「神殿は、帝国民の味方だ。いつでも頼りなさい。相談にも乗ろう」

「………」

 妖精憑きだからだろう。自尊心が高いんだな。ハガルは返事をしなかった。それは仕方のないことで、私は気にしなかった。

 こうして、どうにか、ハガルを神殿から放り出せたと思えた。

 ところが、この出来事が縁で、俺はハガルと長いこと、付き合うこととなった。

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