第9話
次の日の夕方だった。
ダークブラントは、セバスチャンに「もうすぐ、閉店だ!今日こそ、勇者たちを片付けよう!」
セバスチャンは「仰せの通りです!偵察のアルマーニによりますと、やはり、ガテゾリアンは、不在のようです!店のドアに“1週間ほど休みます”という貼り紙があったということです!」
ダークブラントは、手をガッツポーズにして「やったー!鉄は熱いうちに打てということもある!やるのは、今しかないぞ!それでだな、いつも通り、勇者たちの知らせの遣いに、ビンに変身してもらって、伝達に行かせよう!」
セバスチャンは「それは、ようございました!では、場所はどちらにしますか?」
ダークブラントは「あいつらのいるシャンポール街の外れのA野原にしよう!そこが、あいつらの死に場所だ!」
セバスチャンは「さぞかし、お花が咲いて、綺麗でしょうね!死体の花ですね!」
ダークブラントは「うまい!うまい!いいぞ!セバスチャン!」
セバスチャンは「恐縮です!ありがとうございます!」
ダークブラントは「じゃあ、用意をして、出かけよう!」
そこに、コアラのビンセントが現れた。
ビンセントは「僕をお呼びですか?メリッサから聞きました。」
ダークブラントは「やはり、おぬしでないと、この役は、果たせないからなあ。」
ビンセントは「身に余る光栄なお言葉です!では、早速ですが、どのようにすれば、よいですか?」
ダークブラントは「勇者たちの所に行って、この手紙を勇者たちに渡してくれ!手紙には、“1時間後に、シャンポール街のA野原に来い!さもないと、お前たちが困ることになるぞ!今までのように甘くはないぞ!なめんなよ!魔王より”と、記しておいた!」
ビンセントは、右足のかかとをもう一方の左足のかかとに付け、「アイアイサー!!!」と応えた。
ダークブラントは「よし!頼むぞ!ビン!」
ビンセントは「僕、ビンは、全力を尽くします!」
そう言うと、ビンセントは、シルバーグレーの猫に変身して、魔王の手紙を手紙をウエストポーチに入れて、頭に、ハチマキを結び、この日は、全速力で、走って、勇者たちに手紙を渡しに行こうとした。
ビンセントは、場合によっては、空を飛んで、行くこともある。
ビンセントは、ファミレス・バンビーノを出て、全速力の前段階の助走していると、老婆のヒルダが他人の家の植木鉢に雑草を植えながら「おい!シルバーグレー猫、今日もお遣いかい?気を付けて行っといで!寄り道するなよ!早くいかないと夜になるぞ!」
ビンセントは「そう言うけど、僕に呼び止めてるのは、あんただよ!雑草なんか植えたら、嫌われるよ!じゃあ、僕は忙しいから!」と抗議した割には、可愛い声だった。
ヒルダは「ふん!偉そうに人に意見しやがって!100年早いぞ!」と叫んだ。
ヒルダは、雑草をあちこちに植えるのが趣味だった。特に深夜に行動するのが多かった。
ビンセントは、全速力モードにチェンジした!
一方、ファミレス・バンビーノのダークブラントは「セバスチャン、吾輩たちも店を閉めて、勇者狩りの準備をして、早く行こう!」
セバスチャンは「では、全力を尽くしましょう!今日で、勇者たちの見納めですね!」