資本プロレス
資本プロレス
中継「さあ、やってきました。この赤の会場で虐殺されに来た資本家、ビル・ゲーツ。会場の観客からはブーイングが飛んでいます。とんでもなくアウェー会場。観客全員がコミュニストです。そして相手はカール・マルクス。解説の江頭さんいかがですか?」
江頭「Wordは欠陥ソフトだ。この野郎!」
中継「おーっと。江頭さんまで熱くなっている。ビル・ゲイツ生きては帰れないか。ここで試合開始です」
カーン。
中継「マルクス攻める。得意の悪口責めだ。気に入らない奴は先ず悪口」
江頭「マルクス。嫌いな奴の悪口本とか出版しちゃいましたからねえ」
中継「ビル・ゲイツ、怒った。独占パンチ! マルクス吹っ飛んだ」
江頭「マルクス本気を出しますよ」
中継「でた搾取チョップ。どんどん技の強さが大きくなってきます。江頭さんこれは?」
江頭「資本の動きです。『貨幣→商品生産販売→より増えた貨幣』を繰り返すことを資本と言います」
中継「ビルゲイツ危ない! 独占パンチも威力が前のままだ」
江頭「近代経済学は資本の概念がないんですよ。アホですから」
中継「ビルゲイツ危ない! やられるか。命がないぞ。ダウン! ダウンです。」
江頭「資本の動きがないと勝つのは難しいでしょう」
中継「おおっとここでビル・ゲイツ技術革新だ! これは資本の動き。独占パンチが資本の動きだ」
江頭「わからなくなってきましたよ」
中継「うおーっと、ビル・ゲイツ広告ラリアット、技術革新スープレックス。ゲイツ華麗な技の数々だ―。しかもみんな資本の動き。それに比べてマルクスは搾取チョップを見切られた―。ほかに技がないのか。搾取チョップしか出せないぞ」
江頭「それこそマルクスの資本論では人件費の搾取しか、利潤発生して資本になる原動力にしてませんから。資本論は未完成トンでも本です。マルクスは流通では利潤がでないとかアホなこと言ってるし、しかも物の作る資本だけの搾取しか利潤を生産しないとか言っています。そんなアホな。ここまでですね」
中継「独占パンチ、広告ラリアット、技術革新スープレックス、政治資金キック。それが全て資本の動きだ―。マルクスやられているぼろぼろだ。しかし江頭さん。マルクスは資本主義は自動崩壊するって行ってましたよね」
江頭「そこなんです。おっしゃるとおり。先ず資本主義は利潤が低下して崩壊するって言うマルクスのドグマが有りましてね。なぜかって言うとマルクスの利潤発生は搾取、つまり人件費です。それが機械化で減っていくから利潤が減ってゆく、それで資本主義は崩壊すると言うわけです。ところが利潤を生み出すものって人件費だけじゃないですよね。つまりマルクスも資本論もインチキなんですよ。この不況をマルクスが言い当てたなんて言うのは全くのインチキです」
中継「そうすると近代経済学が正しいわけですか?」
江頭「いえ、そうともいえませんね。先ず資本の概念は彼等だとたんなる機械とか生産財を表します。『貨幣→商品製造販売→より増えた貨幣』という概念がない。企業行動が利潤最大化でストップしちゃうんですね。そのあとは拡大していく資本の動きになるのに、そう言う概念がなければ資本主義社会を分析しようがない。問題はそこです。近代経済学が資本の概念を取り入れ、マルクスのように搾取一辺倒でなく、利潤に至るあらゆる可能性を分析すれば、よりよく経済活動は分析され、この不況にももっとましな処方箋が出てくるでしょうけど、そう言う動きは全くない。要するに近代経済学もインチキです。この不況も乗り切れるか怪しいです。さあ資本が暴走しますよ」
中継「あーっと観客を巻き込んでどんどん大きくなっていくぞ。乱闘だー。コミュニストがやられていく。ビル・ゲイツ! 止まらない止まらない!」
江頭「資本ですから」
中継「あーっと会場が崩れる。それでは逃げ出したいと思います。江頭さん? もうとっくにお逃げでしたか。どんどんお大きくなるぞ。ビル・ゲイツ資本。うわーこれが近代経済学にはない資本の概念ースタジアムが壊れた―」




