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初めのルート選択


 女神が告げた瞬間。目の前には選択肢パネルが出現した。


《消滅しますか?》

《愛玩人形になりますか?》


 との選択肢が。



 周りを見渡せば、やはり同じようなパネルがあり…暫くして姿を消すもの達が現れた。そんな人達は皆虚ろな目をしており、生きることへの希望すら持てなかったのだと気がついた。


 バッドエンド二回…連続。そう、連続。もしかしたら私とは違い連続二回のバッドエンドではなく、ノーマルエンドやハッピーエンドだったり何度も転生を経験したり、悲惨なバッドエンドを経験したのかもしれない。


 でも、まだ希望を捨てきれない目をした者や寧ろやる気満々かと言わんばかりにギラギラした目をした者達は《消滅》を選ばなかったようだ。


 私は…少し悩みながらも、正直死ぬまでは大変でも幸せだった記憶もあり…魂の消滅が何となく怖くて《愛玩人形(愛玩ドール)》を選択した。だって、悩んでるあいだにパネルが点滅しだして消えそうで怖くてそうするしかなかった。あれ、絶対選択しなかったら自動消滅でと何故か確信して死にたくないっておもってしまったんだもの。


「うんうん♪生きたい人達たぁくさん♪よかったわ♪じゃぁ、私の世界を説明するわね?」


 こんなに人がたくさんいるのに聞こえるのは女神の声だけ。もちろん私も声が出ないからきっと皆もそうなのだろうと思った。


「私の世界って全体的にバランスをみるとちょーと女の子が少なくってねぇ♪しかもぉ!せっかくさぁ、魔力はあるのに魔法が上手く使えないの!!!よくて、生活魔法レベル。でもぉ、魔物がいる世界でさぁ。ちょっと大変なんだよね?世界を創るって、むっずかしぃのなんの!!!もー、やだ!!!ってなってたときに、先輩神様達から連続バッドエンドのつまらない魂をくれるって話がきてぇ♪試してみたらなかなか便利でびっくり♪で、愛玩人形(愛玩ドール)として君達を転生することにしてるの♪もう、何百年も前からで、幸せになってる子達もいるから安心して?でさぁ、キャラ選択もあってー。あ、美醜は基本の世界基準とかわらないからねぇ?で、スキルは~…」


 と、何となくイラッとする喋り方でダラダラと語る女神の話を纏めると。


ーーーーーーーーーーー


 ○転生する見た目は今まで転生をしてきた中での人物の姿から選べる。但し、死ぬ前の姿で。選ばなければ日本人の時の初期の魂の姿で転生。


 ○愛玩人形(愛玩ドール)中、見た目の年齢は変わらない。人形(ドール)とあるが出血もするし、病にもかかる。が、購入者(ご主人様)を介して魔力を貰うと治癒可能。正式に神殿にて婚姻の手続きをする場合にのみ人形(ドール)から人へとなる。そうすることにより歳を重ねる事も妊娠することも可能。


 ○美醜基準は日本と変わらない。様は、物語であるような美醜反転の世界とかではない。男女ともに。


 ○スキルは今までの転生人生から得たモノが初期スキルとして選べる。ただし、1レベルからスタート。レベルは10までアップ可能。スキルは1レベルを覚えるまでが大変だけど努力で習得できるのもある。初期選択3つまでとする。


 ○愛玩人形(愛玩ドール)は、転生後ご主人様に購入される(選ばれる)ことによって人生がスタートするが、それまでにスキルを鍛えたり習得したりも自由。基本、魔力が上手く使えない世界なので、魔法が使えると重宝される。


 ○愛玩人形(愛玩ドール)にとってご主人様が全て。ご主人様が死ぬと愛玩人形(愛玩ドール)も死ぬ。又は、ご主人様に契約を破棄されることは死を意味する。契約とは愛玩人形(愛玩ドール)購入(えらぶ)時に発生する契約で、譲渡も可能。


 ○愛玩人形(愛玩ドール)の間の食事はご主人様の体内魔力であること。一応、人と同じ食事はとれるが魔力に変換され、睡眠も魔力回復のためのものであるが、愛玩人形(愛玩ドール)としての満足度は低い。


ーーーーーーーーーー


 こんな感じである。長々と話している女神の話の今現在重要そうなのはこのあたりで、話してる途中からスキル選択パネルがでて、どの人生で習得したのかなどまで書いてある。

 ダラダラ話す女神よりもじわじわ点滅が早くなるスキル選択のが優先だと、周りもパネルを真剣に見て考えている。



《火魔法》

《水魔法》

《風魔法》

《土魔法》

《光魔法》

《闇魔法》

《浄化魔法》

《生活魔法》

《支援魔法》

《鑑定魔法》

《結界魔法》

《空間魔法》

《創造魔法》

《浮遊魔法》

《転移魔法》

《…》

《…》

《身体強化》

《自動言語習得》

《自動回復(体力)》

《自動回復(魔力)》

《…》

《…》

《アイテムボックス》

《…》

《…》

《魔力量アップ》

《記憶能力アップ》

《マナー習得能力アップ》

《…》

《…》


 等とかなりの数があり、似たような魔法も人生別にあったりとかなり選ぶのが大変。後半なんて《…アップ》なんて、通常より早く習得できるとか…正直3つしか選べないなら選ばないよ。日本での小説やゲームでみたものから、令嬢時代の教育関係から魔法使いの時まで様々で微妙な違いで内容も違ったりもするがその中から私が選択したのはこの3つである。


ーーーーーーーー


《自動言語習得》

 今までの人生での異世界言語の習得によるスキル。

 悪役令嬢キャラ時に外国語習得経験もあるため、より早期成長レベルアップ可能。


《鑑定魔法》

 魔法使いキャラ時に習得したスキル。特殊スキルな為に転生後習得不可。


《創造魔法》

 魔法使いキャラ時に習得したスキル。

 魔力を使い自由に魔法を創造することが可能。更に物質は全ての人生において、一度得たことが有るもののみ。物質の創造には魔力プラス対価によって魔力消費を抑えることが可能。特殊スキルな為に転生後習得不可。


ーーーーーーーー

 

 言語の習得など赤ちゃんスタートだった人生では要らないだろうけど、死んだ時の年齢かつ、愛玩人形(愛玩ドール)としてのいきなりの人生スタートなら必須かと真っ先に選択したよね。


 自然とヒヤリングによる習得など時間もかかるし、勉強ができる環境かはわからない。教師がいるとは考えれないので早期成長がついてるなら選択は間違いではないはず。


 鑑定魔法は魔法使い時に習得難易度が高度な魔法であったので、まず初期からスキルであるとレベルアップは簡単。なにより、特殊スキル扱いな為に転生後には手に入らないのであれば習得するよね。小説でも鑑定魔法はモノによっては使い勝手が悪かったりもあるが、レベルアップさえすれば有能スキル。小説などでは定番だったし、転生時にも便利と確認済み。レベルさえ上がれば、愛玩人形購入者(ご主人様)にも重宝されるはずだよね。商人から冒険者に貴族と使い勝手がよいはず。


 創造魔法はこれは何でもこいの最強魔法。前世ではこれがあれば産まれた時に持っている属性魔法以外も魔力量はかなり使うが魔法を発動させることが可能だった。一度、属性魔法スキルとして習得すればそちらを修練することによってレベルアップし、魔力消費も産まれた時の属性魔法に近い魔力量で使うことができる。魔力さえ使えば物質も生み出せるのは前世にはなかったが、次の世界では使えるのはかなり便利だとおもう。これがあれば日本の調味料から異世界での宝石やドレスまで物質を創造できることになるはず…だよね??そして、やっぱり特殊スキル扱いな為に習得。


 ついでに私のキャラ選択は悪役令嬢での人生の姿にした。お父様とお母様に愛された姿。美醜に関してもやはり一番美人である。


「じゃぁ♪最後の選択だよぉ♪愛玩人形(愛玩ドール)としての付属パーツだね!これは、動物から魔物や思い入れの強いモノなどが付与されまーす♪肌から離れないし、紛失しても自動返却されるから好きなの選んでねぇ♪獣人やエルフもいるから見た目が人ではなくて大丈夫な世界だから好きなのどーぞ♪」


 と、目の前に現れたのは裸の悪役令嬢キャラと項目欄。


《猫》《犬》《鳥》


 などの動物に触れると獣人の様な姿に。特徴欄にも《牙や爪も武器となり、身体能力があがる。》《翼により飛行可能。》などのかかれている。

 ちょ…スキル習得後に身体強化できるのわかるとか雑すぎない?!《身体強化》のスキル持ってたら選ばないし、《浮遊魔法》も翼でいけるよね?!


《エルフ》《妖精》《ドラゴン》 


 などの種族名に触れると耳が伸びたり羽が生えたり、魔力量があがるなどの特徴が表示される。

 これも《自動回復(魔力)》や《魔力量アップ》とか選んでたらヤバい。いや、ある意味魔法系無双用?通常の魔法は後からでも習得できるみたいだし。

 ついでに、一度選択して見た目を確認後《決定》《もう一度選ぶ》などの選択肢も出るが、キャンセルは不可能なので愛玩人形(愛玩ドール)は初期は見た目が人ではないようである。ただ気になる項目が1つ…


《ショール》


 それに震える指先で触れると悪役令嬢での人生最後にお母様と刺繍をした純白の生地に銀糸のショールがパネル画面のキャラに写し出された。特徴欄には《思い出のショール。母親の愛情がたっぷりと込められたことにより、武器や翼としても使用可能。更にカラーや伸縮性など変化可能。元々が布なので、衣類からリボンにまで変化もできるが肌の一部となるため破損時には痛覚あり。物理攻撃には強いが燃えやすい。修復には傷同様に魔力が必要である。》と表示され、裸にショールと恥ずかしい姿ではあるがそのショールを見て涙が溢れた。


 お母様と刺繍した最後のショール。事前に婚約者からのドレスの贈り物がないのが分かっていたのでお母様と選び、卒業の思い出にとショールには一緒に刺繍した細かい花達の刺繍。ドレスの邪魔にはならない様にと大柄の刺繍ではなく、花畑に咲く愛らしい小花が広がる繊細な刺繍は可憐ではあるが輝くような銀糸によって光に煌めき、美しく気高さも抱かせるようなショールへとなった。王子妃…いや王太子妃教育によって勉強ばかりの日々で幼い時は庭や森で花達に囲まれながら走り回るのが令嬢としてはダメだが大好きだった私にとお母様が提案してくた刺繍のデザイン。最後には血がにじみ悲しい姿になってしまったが、目の前には汚れのない美しいショールがあった。私はそれをみて《決定》を選択した。


「よーし♪皆時間だよぉ?楽しい楽しい最後の転生♪最後の世界(ラストワールド)で、みんな私の可愛い子達の為に頑張ってね♪ばいばーい♪」


 ニマニマ笑う女神に手を振られながら世界は暗転し、私は…私達は転生したのであった。


 


 今までで一番雑で無駄に転生まで長かったと思ったのは私だけではないと思う。絶対周りの皆も思ったはず…。あ、この女神…駄女神だって。


 そんな駄女神の世界への転生は不安な気持ちでいっぱいな中…まぁ、何とかなるかな。最後だし楽しめたらいいな。っと、ちょっと思ったのであった。


 


 


 


 

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