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継ぎし賢者の禍祓い(更新停止中)  作者: 漆黒月 劉狐
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 最近、夢を見る。


 それを見たことが無かったはずなのに。懐かしさがあるのは何故だろうか。


 とても綺麗な女の人が目の前で儚げな笑顔で逝く夢。

 辺りは荒野なのに、それすら彼女の美しさを引き立てる唯の調味料にしか感じない。それ程に鮮烈な映像。

 とても夢とも思えないような、誰かの記憶と言った方がまだ納得がいく。

 ただ、それもまた信憑性に欠ける事象だから何とも言えない。


 あの人は一体。そして僕が見ていた景色は誰が見たものなのだろうか。といった考えが一頻り頭を巡る。


 まぁ、完全に目が覚めた時にはもう記憶の彼方にいっていたことだったけど。




 そんな僕はいじめを受け続けている。所謂いじめられっ子っていうスクールカースト最下位と無能の烙印を押された者。周りからは当然の様に痛めつけられ、反撃も出来ずにただ只管耐え忍ばなければならない存在。


 僕も気付けば周りに距離を取られて、友人と言える存在なんて空想の世界に思えてしまう。そんな環境の中過ごしてきた僕は、毎日が専らそれだから、最近は色んな意味で麻痺してしまっているかもしれない。


 第一、麻痺した感覚すらわからないのだから、これはもう重症の域なのでは? などと考えてしまうこともしばしば、こんな自分が何故かそれに納得している現状に少なからず自分に軽蔑してしまう。

 もう少しやりようはあったというのなら。そういった後悔だけが僕の心の内に留まり続ける。


 全く、そろそろキリがいい所だし、自殺も悪くはないのではないだろうか?


 僕は何度考えたかわからないこの問いを前に、またしても立ち止まり先送りしてしまうのだろうな。

 何故? いやいや、僕ですらわからないんだから仕方ない。死にたくても死ぬことが出来ないんだよ。


 そう、何故か何も躊躇いも無く死ねると思えるのに、行動に移す半歩手前で必ず歯止めがかかる。

 どうしてそうなるのか。僕にもわからない。僕はこのところ生きたいという欲が薄れつつあるから尚更だ。


 はぁ。僕は何時になったら死ぬことが出来るのだろう。

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