二話 固有空間出現
本日で書き初めて三日となりました。一日一話投稿できるように頑張りますのでよろしくお願いします。
変化といっても、外からは全くわからない変化といってもいいのかもしれない。なぜなら、自分の中で発生した変化だからである。
前々から違和感を感じていることがあった。知らないはずの魔法の名称をなぜか知っていたり、この世界の料理の名前を知っていたりと。何の気なしに生活していれば、例の女神さまが何かしたんだろうというレベルでの違和感だったのだが、この日は違っていたからだ。
変化が起こる5分前・・・・・・・・・
幼いながら、メアリーの魔法を見て研究していた日々であったが、この時何かしら文献など見られないのかと思った。幼いながら、やることがなかった私が目の前で生活魔法をふんだんに使用するメアリーを見て、魔法といった存在を知った後は、どんどんなぜそういった現象が出るのかといった幼子が考えないことを日々考えていたのだ。
それはそうとして、何かしらの文献がみられないかと思った次の瞬間自分の目の前が歪曲し、図書館といってもそれでは足りないほど広いまさに本しかない空間になった。
『あら、思ったより早いご到着ね。どう?私が不自由ないようにしておいたけれども。』
例の女神様だった。とはいっても、声だけだけれども。
『あ、もしかして転生にしたこと怒ってたりする?ごめんなさいね。この世界少し排他的なところあるから、転移者よりいいかと思ってね。それよりこの空間の話ね。この空間はあなたのための図書館よ。恐らく必要になるからと作っておいたの。これがあなたをサポートするためのものね。貴女が元居た地球の全書とこの世界の魔導書、魔物図鑑、薬草図鑑在るったけすべてね。で、この空間へのアクセスの方法なんだけど、今みたいに意識ごとこちらに来る方法と、もう一つは必要そうなキーワードを考えると該当する文献を脳内で閲覧できる方法ね。どちらにしても、司書として、私が一人こしらえておいたから、わからないことはすべて聞いてみるといいわ。知識は大賢者並みにしておいてあるから、たいていは答えが返ってくるはずよ。まぁ、魔法についてはだけどね。そのほかに関しては、本を探して持ってきてくれたり、脳内検索したときにキーワードに該当しそうな本はすべて持ってくるようになってるわ。精巧に作ってあるけど、言わばマギクラフトね。魔力を起動源とした人形の事よ。あ、因みにあなたの体は今すやすや眠ってるけど、この子にお願いすれば疑似的な意識を入れておいてくれることもできるから、そのあたりは慣れてから好きにしてね~
ほな、恨み言言われる前に、バイなら~』
説明はわかりやすかったが、なぜこの女神は会うたびにフランク度が上昇していくのか、疑問でならない。まあそれはいいとして、彼女が言っていたマギクラフトなる少女はかなり美少女であり、本物の人間かとは思ったが、話すことに関しては苦手らしかった。
「我ガ主様。御用件ヲ。」
人形、というよりしゃべるとロボットに似たものがあった。これは私が魔法を使うことができるようになったら変えていくしかないのかと思った。
「今日はあいさつ程度にしておこうかな。あなたは、話すことが苦手なの?しゃべりにくいとか?」
「いえ、ただあのようなしゃべり方のほうが雰囲気出るかと思いまして。」
「うぉい!この子雰囲気まで考える最良な子だったんかい!てか、しゃべれるなら元からしっかりしゃべってよ~」
ただの彼女なりの雰囲気づくりだったらしい。
「了承いたしました。私の名前ですが、あいにく作られたばっかりでして、ありませんのでお好きなように呼ぶようにと我が創造主からいいつかっております。」
名前か。ないと不便だが、他人に名を付けたことがない。なんとつければいいかわからず、安直に
「アリスのマギクラフトだから頭と最後とってアトっていうのはどう?」
「アトでございますか。わかりました、我が主。名アト、これから我が主アリス様に忠誠を誓いましょう。」
「アト、よろしくね。あ、それと、あいさつだけにしておこうかと思ったけど、外の体が寝ているのなら魔法理論と初期魔法入門関係の本を読みたいんだけどある?」
「ならば、僭越ながら私が魔法理論についてはお教えいたします。初期魔法入門に関しては、その前に古代魔法言語を覚えたうえでやるとかなり楽になるでしょう。」
このようなことで、私の睡眠時の家庭教師はアトとなったのであった。この時二歳。のちに神童というより可愛い女の子の皮をかぶった非常識と呼ばれる原因となった出来事である。
読んでいただきありがとうございました。感想等ありましたらよろしくお願いします。