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一話 誕生から数年

今回は少し短めになってしまいました。

連日投稿できるように頑張っておりますのでよろしくお願いします。

一度気が付くと真っ暗な狭い空間にいた。暖かく、心地が良くほとんど静かで、時折低音が聞こえてくる、そんな場所だった。しかし、またもや気を失ってしまった。


今度気が付くと明るい場所に向かって動いているさなかだった。出口からはかなりの喧騒が聞こえてくる。聞いたこともないような発音の連続だったが、なぜか意味だけは理解できていた。


『あともう少しですよ!頭が見えました!』


『頑張るんだ、あともう少しだ!』


何を言っているのだろうか、私には皆目見当がつかった。そうしているうちにずるっと狭いところから出た感覚を得た。出たのはよかったが、息ができず思いっきり息を吸って声を出してみた。


「おぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


おぎゃぁぁ…?あーーーといってみただけなはずなのに… 周りの人がデカい…なぜ成人しているはずの小さくはないが、軽くは持ち上げられないであろう体を持ち上げているのだろうか?


『おねぇちゃん!ほら見て!元気な女の子だよ!』


『あら、本当ね!この子の名前はアリスにしましょう!』


『アリスか!いい名前じゃないか!』


元気な女の子、おぎゃぁと泣いた自分、ほかに新しく命名されるような人物がいない。この三つのことを考えたうえで私は納得した。私は元の体で異世界に転移したのではなく、新たに生を受ける転生によって異世界に来たことを、そして今から私の名前はアリスであることを。


(あの女神、面倒くさいからって転生させやがったなぁ…次あったときは覚えていろよぉ…!)


その後数日間は寝て過ごし、ある日しっかりと目が開いた。その目を見たこの世界の親は息をのみ驚いていた。それは仕方ないことであったのかもしれない。左目は青く右目は銀色、猫の写真によく見られたオッドアイというものが自分の両目だったからだ。


その後いきなり家じゅう騒がしくなったと思ったら、牧師と思われる風貌の人間と魔女といえばこんなと言えるぐらいにテンプレ魔女の格好をした魔女がやってきて診察をされた。親はこの世界にはオッドアイの人間はあまりおらず、いたとしても幼児期に死亡してしまうか、異常な魔力量と能力を持ったものになり人里離れた地に住むもののどちらかであるからだ。めったに見ない症例が自分の娘に現れたとすれば騒がなくてはおかしいものだが、これは仕方のないことだと知ったのはのちの話である。最もこの時私は、なぜこんなことで騒いでいるのかと思っていたのだから。


『先生、この子の魔力量やら、目の状態を見てもらいたい!いくら何でもこの世に生を受けた娘が魔力の暴走で消えてしまうのはこれ以上にない不幸になる。』


『先生お願いします!』


『ふむ…そう焦らなくとも大丈夫だとも。この子は御神のお使いなのかのぅ。わしには祝福がこの子に宿っているように見える。』


『そうさねぇ、この子の魔力量は今は少ないが器は大きい。恐らく成長とともに増えていく可能性が高いの。それよりも私には、この子の右目は魔目ではないかと推測してもいいレベルで魔力が渦巻いている。いつその能力が顕現するかはわからないが、普通のオッドアイの出生児と同じにしてはいけない子だねぇ。まぁ、安心をし。この子は一筋縄では魔力の暴走を起こさないよ。』


この二人の言葉に、崩れ落ちお互い抱きしめあいながらうれし涙を浮かべているさまを、首も座っていない幼児でありながら記憶に残っている。この場合残っているというより、覚えているのほうが正しいのかもしれないが、このようなことがあった。


それから二年ほどたち、周りの様子が理解できて来た。

父親の名前はアーサー、母親はマリー、私たちの家族の姓はスペンサー=チャーチルというらしい。だから、私はアリス・スペンサー=チャーチルとなる。

予想できているかもしれないが、貴族の、それもかなり高位な貴族の家系らしい。あまり家の中を見た歩いたわけではないが、かなり広く、おまけにメイドさんがたくさんいるという家だった。

私はその家の長女として生まれ、初の子供ということで母親であるマリーは毎日遊んでくれたが、それとは別に専属のメイドが付いており、名をメアリーといった。のちに聞いた話では、私の専属メイドの座をかけた争奪戦が始まり、かなり厳しい審査を経てメアリーが専属メイドの座を得たらしい。その時のメイドたちの様子に父親であり、彼女たちの雇い主であるはずのアーサーは完全に恐怖を覚えたらしく、このことはあまり話したがらないため、メアリー本人から聞いた。


そんなこんなで、この新しい生を受け生活を始めている異世界になれ始めたある日、私にある変化が起きた。

何か気になったことや、感想等ありましたら、お待ちしております!

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