零話 スカウトみたい
初投稿となり、読みにくい、ここを区切ってほしい等あると思います。
また、感想等ありましたら、モチベーションアップになりますのでどしどしお待ちしております!
何かが起きるときってかなり突然である。
いつも見慣れた街を歩いているとき、いきなり目の前が暗転し体を打ち付けた。今思うとこれがはじまりになるのか、と今でも思う。
周囲にはかなりの人が集まり、「早く救急車を」やら「AEDを持ってきて」「心音がしないぞ!心臓マッサージをするから誰か人工呼吸できる人と、体力に自信のあるやつ来てくれ!」といったことばが聞こえた。
遠のいていく意識の中、胸のあたりをかなりの力で、リズムよく圧迫されている感覚を感じながら、(AEDの感覚も死ぬ前に体験しておけばよかった)などとどうでもいいことを考えながら意識を手放した。
気が付くと真っ白で壁も何もない、地平線までそのまっさらな白が続く世界で一人、木製の椅子に座っていた。なぜか、動揺や焦りを感じずただ単にこれがよく小説とかで見る死後の世界ってやつなのかと思い、死んだことに納得がいっていた。
『気が付きましたか。気持ちよさそうに寝ていたので、起こす気が起きませんでした。とはいえ、あまり動揺していないようですね。』
という声がいきなり後ろから聞こえた。
後ろに振り向くと、ただ単に金髪美人とだけ言えばたいてい誰もが想像するであろう、絶世の美女が立っていた。
『ふむ、動揺するどころか今の状況を完全に把握してるというわけですか。では、まず私の自己紹介よりも前にあなたの考えているであろうことを先に話しておきましょうか。あなたは病名でいうのであれば急性心筋梗塞によってあなたが倒れる2週間前に心停止していました。少し呼吸がしにくかったとは思いますが、あなたが死亡した原因は酸素不足による脳の壊死が主なものらしいです。まあ、私は医学の神ではないので詳しくはわかりませんが、そのような報告が来ています。』
確かに、いきなり息がしにくくなっていた記憶がある。まあ、ストレス性のようなものだと思って放置していたけどそれが原因だったのかと今思っても後の祭りだと思って、今は目の前にいる美女と話してみることにした。
「死んだ、ということはこの空間を視認したときには納得いっていましたので、まぁ死因を聞けてよかったです。それはともかくあなたは誰ですか?」
今思えばまぁ、不愛想な感じだったんかなぁとはなったけど、気にしていないようだったのでまぁいいかと思う。
『私はそうですね、簡単に言ってしまえばスカウターですかね。厳格に、正しくいうのであれば異世界やパラレルワールドといった従来の地球とは違う世界の管理者です。先ほどスカウターといったのはあなたに異世界で生活してくれないか、というスカウトをしに来たのが由来です。』
異世界…やはり学生の時一度は夢にまで見た世界に行けるというのには惹かれるものはある。
「異世界ですか。行きたいのはやまやまですが、なぜ地球とは違う世界の管理者が私のような平凡で病死したような人間、しかも言ってしまえば弱肉強食の世界では食われる側になりえる女である私をスカウトするのには何かしら訳があると考えてしまうのですが、そこら辺を聞いてもいいですか?」
『やはり気になってしまいますか…
わかりました。この際包み隠さずにお伝えします。』
そういって聞かされた話はかなり壮絶なものであった。
『この世界はありていに言ってしまえば平穏で、貴女が考えているような異世界といってもいいです。ですが、この平穏な世界もある一時期をもって生き物という生き物は、すべて疫病によって淘汰され、ただの荒れ果てた自然しかない世界になってしまいます。この世界はいってしまえば中世のヨーロッパのような街並みが多く、魔法も使えるといった世界であることから、病に関しての知識を深めたものはおらず、怪我をすればヒーラーに病に伏せば聖職者にといった魔法で治せればオッケーといったものです。地球で過ごし、発展の様を学んでいる貴女からすれば異常かもしれませんが、このような状態が5000年続いてきています。街並みは変わらず、営みも変わらない。魔法は日々発展はしていきますが、病に関することは5000年前と何一つ変わっておりません。厳しく言ってしまえば、魔法が発展を阻害しているのかもしれないと考察するほどです。』
「その世界に関してのことはたいてい理解したけど、何で疫病によって淘汰されると知っているの?」
ただ、気になったことを聞いてみた。
『なぜか、ですか…
私は管理者という最高位の神位を得る前は、時の神としてその世界では崇め祀られておりました。その時、ふと気になってしまったことがあったのです。3000年続いてきたこの世界はあとどれくらい続くのかと。もちろん時の神だけあって、権能によって未来視を行ってみたのです。のちのかなり先の未来、その世界は荒れ地に木が生え、草が青々と生い茂る未来しか見れなくなったのです。不思議に思った私は、巻き戻っていくとある時に疫病が大流行しているということを知りました。これを当時の管理者より上の創造神に伝え、その世界の管理を譲渡してもらいました。未来がわかれば、何をすべきかわかっていたからです。』
「大体わかりました。それでは私は何をすればいいのでしょうか?」
『そうですね、貴女にはーーーーーーーーをしていただきたいと考えています。そのサポートとして私からは最大限できることを行いますので頑張っていただきたいと思ってます。』
そんなことは無理に等しいだろうと思ってしまった。できたとしても聖人君主かキリストかといったほどであると考えた。
『あ、因みに貴女は不自由なく生活できるようにしておきますのでよろしくね~』
何で最後フランクなんだ!って突っ込みを入れようと思ったら、白い世界が崩壊していきまたもや意識を失った。