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感想の書き方にはフレンズ語法が役に立つ

作者: いかぽん

 まず最初に断っておくと、僕はけものフレンズを一話の途中でギブアップしたフレンズです。

 三話ぐらいまでいったら面白いのは聞き及んでいますが、まあまだ現段階では、見なきゃ見なきゃと思いながらも見ていない状態です。


 なので知ったかぶりで喋りますが、まあ多分、フレンズ語法的に間違った文脈では使わないと思いますので、とりあえずご一読をしていただけるとよろしいかなと思います。




 さてさて、フレンズ語法とは何かと一応説明しておきますと、今一部に(?)爆発的な人気を呼んでいるアニメ『けものフレンズ』に出てくる、一連のフレーズのことです。


 「すごーい!」「たーのしー!」を始めとし、「あなたは●●が得意なフレンズなんだね!」といった言葉が、ツイッターライン上に雨後の筍、いやゾンビ映画のゾンビのようにいっそ怖いわと思うほど感染し始めて、今やその手の界隈では知らぬ者はいないほどの人気フレーズになっているように感じています。


 さてこのフレンズ語法ですが、何がウケたかと言えば、とにかく他者を「肯定する」「尊重する」という徹底したスタンスです。

 そのことの良し悪し自体は置いておいて、けものフレンズというアニメ、あるいはフレンズ語法が爆発的にウケた理由の最たる一つとして、この点を否定する人はまずいないでしょう。


 他者の悪いところを見て否定するのではなく、その良いところを見つけて肯定してあげる。

 それを露骨に、怖いぐらいに前面に押し出したことによって生まれる幸せな世界に、人々は賛同の意を表し、それを評価した。


 他者を徹底的に尊重すること。

 そのことこそが、フレンズ語法の正しい在り方と言って良いでしょう。




 さて、それでここからが本題なのですが。


 フレンズ語法の面白いところは、他者(相手)を尊重はするが、相手の悪いところを見ないわけではない、という点です。


 フレンズ語法の一つの典型的なフレーズとして、「あなたは●●が苦手なフレンズなんだね」というものがあります。

 この後に、「でも大丈夫。フレンズによって得意なこと違うから」と続きます。


 これは相手のダメなところをダメであると認めているわけで、冷静に見ると、これはある種の残酷な側面でもあります。


 ただ、ポイントとなるのは、その相手のダメなところはダメなところとして置いたうえで、同時に「その相手そのもの」は常に肯定している、というスタンスです。

 ダメなところもあるけど、良いところもある、そしてその人全体を肯定する。

 これがフレンズ語法の基本テクニックです。


(なお、この文脈を分かっておらずに「相手を尊重しない」フレンズ語法を使っている人たちも大勢いますし、ぶっちゃけ僕も初期はそうでしたが、これが「間違えた使い方」であることは、けものフレンズを好きなフレンズたちには皆賛同してもらえるところかと思います)


 で、このスタンスを作品に対する感想を書く際に流用すると、きわめて有効に機能すると思うわけです。


 つまり、作品の悪い点を指摘する際には、同時に良い点も指摘してあげて、作品全体としては肯定してあげるということです。

 「でも大丈夫! この作品にはこんなに良いところがいっぱいあるんだから!」の精神で感想を書くことにより、書き手と受け手がともに幸せになれる感想ができあがるというわけです。


 ポイントは、良いと思うところをしっかり言葉に出して指摘してあげることです。


 「そんなの言わなくても分かってるだろ?」と言われたら、作者は分かっていないというのが正解です。

 もっと厳密に言うと、「作者はそこを良いと思っているが、それを読者も良いと思ってくれるかどうかは分からない」が正しいです。

 自信と独りよがりは常に紙一重ですし、そこの差を注意深く見極めようとする人ほど、他者からの評価を気にします。


 また、場合によっては、作者はそこをそんなに気にかけていなかったけど、読者はそこをすごく良いと思った、ということもあります。

 というか、実際ありました。

 「えっ、そこを良いって思ってもらえるんだ」みたいなの。

 これは作者自身も気付いていなかった良さに、気付かせてもらうことに繋がります。


 相手そのもの、作品そのものを肯定しない、尊重しない意見は、わりと誰も幸せになりません。

 そんな言葉に対しては、受け手は心理的拒否反応を示し、絶対に受け入れたくないという心理が働くからです。

 また、作品そのものを尊重しない意見は、作品の良さが分かっていないため、「その作品の改善」に寄与しない場合が多いです(その方向に「改善」すると、実質は「改悪」になることもしばしば)。


 なので、より的確に「悪い点」を伝え、作品の改善につなげるためにも、相手そのもの、作品そのもの自体は肯定し、尊重してやるべきです。

 そしてその視点で見れば、作品の見え方が変わってくることもあるでしょう。

 その上で、あなたが感じた「すごーい!」を、ちゃんと言葉にして伝えてあげることが大事です。


 なお、もちろんですが、悪い点の指摘なしの「すごーい!」だけでも、大変結構です。


 稀に「『面白い』だけの感想はダメ」という意見を見かけますが、そういう意見は「自分が面白くないと思う作品が面白いとされているのが気に入らない(=認知的不協和)。せめて理由を書け」という大変こじらせた観点からの意見と思われますので、無視するが吉と考えます。


 そしてそんな意見に対しても、「大丈夫、どんなフレンズにだって良くないところの一つや二つあるよ」というおおらかな気持ちで接してあげるのが、フレンズ語法の支持者として取るべきスタンスでしょう。




 というわけで以上、フレンズ語法に基づいた、感想の書き方でした。


例によって感想レスは大幅にサボると思います。

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[一言] 残酷に罵り馬鹿にしけちょんけちょんに貶す気のおけない友人こそが作家志望者どもを篩にかけ、鍛え育てると若い頃に何度かききました。 リアルでface to faceの付き合いがあり、根底に信頼が…
2017/08/06 21:47 退会済み
管理
[一言]  なろうでも受けてる作品はストレスフリーな主人公全肯定作品ですものね。ためになりました。
[良い点] 何より気持ちを表現することが簡単ですしね。 やっぱり、余計な事を飾らないで素直に気持ちを伝えると誰にとってもうれしー!し、たのしー!ですからね。 [気になる点] すごーい!あなたは●●が得…
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