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第四十八話 再開

まずは……お待たせしてすみませんでしたァァァァァァァ!orz


いやぁ皆様からのラブコールが強すぎて3か月くらいなろうから離れて、もうちょっとだけ頑張ろうと思って小説を書き始めたら全く別のものが書きあがってしまい、そのままずるずると引きづった結果、約一年が経過しておりました。


本当にお待たせしました。

楽しんでいただけたら幸いであります。

~南海side~



「おいおい、逃げてくれるなよ。折角楽しめるかもしれない相手に出会えたというのに」

 

 目の前に浮かんでいる黒い人影は、そう言った。

 お前、さっきまで後ろにいたんじゃねぇのかよ。いつの間に前に移動したんだよ。

 そんな軽口が叩けるほど、私は心の余裕を保っていることができなかった。


 黒い影はゆっくりとした速度で地上に降り立った。

 纏わりついていた影が剥がれ落ち、影の姿が露わになった。


 薄い金色の髪に、青い眼。

 こちらの世界の住人のようでいて、日本にいた時に見たことがあるような顔立ち。

「この世界の住人か? いや、そうだとしても顔の彫りが浅いような気がする」

「もしかして、ロシア人の方ではありませんか?」

 静香がどこか確信めいた表情で問う。


молодцом(お見事)!、私の姿を初見でこの世界の人間ものではなく、ロシア人と見抜いたのは貴様らが初めてだぞ」


「ロシア語……やはり…………」

「なあ。なんで静香はあいつがロシア人ってわかったんだ?」

 確かに言われてみれば顔立ちがこの世界の住人とは異なることはわかる。

 しかしロシア人だと特定して理解するのは相当難しいことのはずだ。

 なぜ静香は初見でわかったのだろうか。


「私の知り合いに、ロシア人の人がいるの。その人の顔立ちとあの人の顔立ちが似ているから、もしかしたらと思ったんだけど……」

 とにかく、静香のおかげで目の前にいる人物が私たちと同じようにこの世界に召喚されたということが分かった。


「それで? あなたはなぜ私たちの前に姿を現したの? あなたほどの実力があれば、私たちなんて姿を現わすことなく殺せるはずよね?」

 咲の言う通りだ。実際に攻撃は受けていないから正確なことは言えないが、これほどの圧を放てるなら私たちに気付かせることもなく殺すことだってできはずだ。

 なのにこいつはわざわざ私たちの目の前に降り立った。その目的は、いったい何だ?

 

「なにが目的だ、って顔をしているな。別に大した理由ではない。ただ単純にお前たちと遊びに興じたかっただけだ―――――殺し合いというな」

 そう言って男は獰猛な笑みを浮かべた。

 その言葉は、逃げることは許さないという意味も込めているのだろう。

 笑みを浮かべてはいるが、目は私たちを捉えて離さない。


 私たちは男に聞こえないように作戦を立てる。

「アイツには小手先の技は通用しなさそうね」

「だからと言って馬鹿正直に正面から突っ込むのは自殺行為だしなぁ……」

「とりあえずフォーメーションは普段通りの私と南海ちゃんが前、咲ちゃんが後ろっていう構成が変わらないけど、いつも通りの攻撃が通用するとはとても思えないね」


 静香の言う通り、普段ダンジョンのモンスターに与えているような攻撃では、向こうには傷一つ付けられない可能性がある。というかその可能性の方が高い。


「話し合いは終わったかな?」

 男が話しかけてきた。待ってくれていたようだ、優しい性格なこって。

「あんたみたいな奴に策を練ってもしょうがないからな。馬鹿正直に正面突破と行かせてもらうぜ!」

 

 私は地面を蹴った。

 それと同時に、宝玉巨腕(ギガントカラー)に嵌め込まれた宝玉が輝きだす。

 輝く宝玉の色は金色と紅色。発動したのは『超活性』の魔法と『煉獄炎』の魔法。


 『超活性』の能力は、肉体のあらゆる部分を強化する魔法である。

 具体的に言えば、血流を速く流して体の動きを速くしたり、筋肉を膨張させて筋力を上げたりできる。


 『煉獄炎』は両腕のガントレットに炎を纏わせることができる。

 その炎は触れたものを焼き尽くすまで消えない。

 炎は纏わせるだけでなく、任意の方向に放射することも可能である。


 その二つを同時に発動させ、一気に相手の懐に飛び込む。


 相手がこちらを認識する前に、相手の鳩尾に拳をぶち込む!

 だが、その寸前、


「おっと、危ないじゃないか」


 そう言いながら体を横にずらして避けられた。


 まず―――――――


 そう思った時には横っ腹に衝撃が走った。

 衝撃を殺しきれず、そのまま吹っ飛ばされて壁に激突した。

「―――――――――!!!」


 うまく呼吸ができない。

 体を起こそうと必死に足腰に力を入れるが体は言うことを聞いてくれない。

 うっすらと目を開けると、男がこちらにゆっくりと歩いてくるのが見える。


「さ、流石にこれは……まずいかも…………」


「南海ちゃんに手は出せません!」

 静香が男の死角から花菊を構えながら突っ込んでいく。

 

「残念ながら見えているよ」


 男が静香のに向かって手のひらを向けた。

 その瞬間、静香に向かって黒い光が放出された。

 

 静香が目を見張る。避けるにはあまりにも距離が近すぎる。


 そのまま静香は黒い光に貫かれた。


「死角を突けば私を倒せるとでも思ったか。あまり私を嘗めるなよ」




「それはこちらのセリフです」




 その言葉が聞こえた直後、男が私の視界から消えた。


 代わりに私の視界に映ったのは、花菊を突き出した静香の姿だった。


「あ、あんた今黒い光に貫かれたんじゃ……」


「その話はあとです。それよりもこれを」


 そういって静香が取り出したのは青色の小瓶。

 RPGなどではおなじみの回復薬である。

 

 この世界の回復薬は青色と緑色の二つしか存在しない。

 

 緑色の回復薬は切り傷のような体の外側に作用するものであり、青色の回復薬は骨折や内臓の損傷といった体の内側に作用するものである。

 

 私は静香がくれた小瓶を呷る。


 口の中に広がる苦みに顔を顰めつつ、先ほど蹴られた部分と壁に激突した時の痛みが引いていくのを感じる。

「サンキュ、静香。助かった」

「礼を言うのはまだ早いですよ。攻撃できたとはいえ、致命傷にはなりえていない」

「大丈夫南海、静香」


 咲が弓を構えながらこちらに走ってきた。

「ああ。静香が助けてくれなかったら危なか――――――」


 私たちはいっせいにその場から後ろに飛びずさる。 

 その直後、先ほどまでいた私たちの足元から火柱がたった。


「まったく、僕の一張羅が破れてしまったじゃないか」

 そういって男はこちらに悠然と歩いてくる。

 男が言った通り、確かに脇腹の部分が切れている。

 体には傷がついておらず、やはり先ほどの攻撃はそこまでダメージを与えられなかったようだ。

 

「これは、お返しをしなくてはな」

 そういって男は指を鳴らした。

 その瞬間、空が煌いた。


 これは、まさか――――――


「Метеоритный дождь。日本語では『流星群』といったか」


 流星群!?

 まずいぞ……私はおろか、静香や咲だってこの攻撃を防ぐ手段がない。

 どうする!?


「さぁ、君たちの底力を見せてくれたまえ!!」


 ここまでなのか?

 こんなところで死んじまうのか!?


 静香も咲も必死にどうするか策を練っている様子だが、流星群はもうすぐそこまで迫っている。

 

 もう無理か……と諦めて目を閉じたとき、声がした。




「こんなところで死なせてたまるかよ」




 次の瞬間、私たちは光に包まれた。


いかがだったでしょうか、ほぼ一年ぶりに書いたものですので、もしかしたら書き方に違和感を感じるかもしれませんが、よかったらコメントにお書きください。

 

あと、2章終わったら内容を見直すとか言っていたような気がしなくもないのですが、このままいくと2章が終わりそうにないので、これを投稿し終わった後に、一話から誤字脱字を見直して言いたいと思います。

あと読者様から頂いた指摘部分も直して行けたらなと思っています。

パクりがどうのこうのとか、劣化版〇〇とか言われていまして、これを直そうかとも思ったのですが、直してしまうとそれはそれでこの作品でやりたいことができなくなってしまうのではとも思ったので、このまま続けていこうと思います。


それでも読んでくださるという神のような方がいらっしゃったらですね、次回を楽しみしていただけたら幸いです。

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