閑話 その頃の勇者たち(1)
PVが45000を突破しました!ありがとうございます。
今回は閑話ということで、いつもの半分くらいの短さです。
~side幸希~
晃があの大穴に落ちてからすでに三日経った。
俺たちは血眼になってあの迷宮を攻略しているが、一向にあいつの姿が見当たらない。
あの高さから落ちたのだから、もうすでに死んでしまっているだろうという意見もあったが、俺たちはあいつが死ぬわけがない、という思いで探し回っている。
クラスの連中も、自分たちの中から死人が――――いや、行方不明者が出てくるなんて考えていなかったのだろう。今までゲーム感覚で騒がしかった連中も理解したらしい。
この世界はゲームや小説のような御伽噺みたいな世界じゃない。ちゃんと実在する世界、たった一度のミスで、死に直結することが普通にある世界なのだと。
なにより、あいつがいなくなったことで、危なっかしい奴が出てきたのだ。
そう、久美先だ。
久美先はあいつが、晃のことが好きだった。これは俺の勘違いとかじゃなくて、みんなが知っている。知らないのはあいつ自身だけだ。
というか、あれだけ積極的にアプローチされたらふつうは気づくはずなんだけどな。それを南海に言うと、
「あんたも人のこと言えないよ」
と返されたのだが。わからん。
とにかく俺はあいつが生きているの信じて、今日も迷宮潜り&レベル上げだ。
そうそう、迷宮潜りで思い出したが、俺のレベルが結構上がっていた。
隊長さん曰く、クラス中では2,3番目、冒険者としてはCランク程度だろうと言われた。
これが成長した俺のステータスだ。
――――ステータス――――
名前:海城 幸希
種族:人間
職業:最強の盾使い
Lv37
HP:4200/4200
MP:3300/3300
STR:1021
DEF:5099
AGI: 804
MGA:1001
MGD:2544
INT: 543
LUK: 102
スキル
【火魔法Lv5】【土魔法Lv7】【頑丈Lv9】
【俊足Lv3】【怪力Lv1】【盾術Lv6】
【槍術Lv4】【鑑定Lv5】
ユニークスキル
【絶壁Lv3】
称号
異世界人・召喚されし者・守り手
これが俺のステータス。
そしてこれが俺の使っている武器だ。
鋼の槍
鋼で作られた槍。攻撃力はそこまで強くはないが、耐久性が高く、騎士などが好んで使う。
ランクは中級。
変形盾【レバントリス】
形を変形することができる盾。耐久性が高く。Bランクモンスターの攻撃でも難なくはじく。
ランクは上級。
俺も強くなったが、一番強くなったのは久美先だろう。
少し前に一度だけ久美先のステータスを見せてもらったことがある。
――――ステータス――――
名前:久美先 静香
種族:人間
職業:最強の剣士
Lv51
HP:7320/7320
MP:5130/5130
STR:6310
DEF:4110
AGI:8100
MGA:2150
MGD:2180
INT:1110
LUK: 154
スキル
【剣技Lv9】【並思Lv4】【空歩Lv1】
【風魔法Lv4】【水魔法Lv9】【白魔法Lv1】
【鑑定Lv4】【剛力Lv6】
ユニークスキル
【剣聖Lv4】
称号
異世界人・召喚されし者
俺とのレベル差が14もある。
何でこんなに差があるのか聞いてみたら、みんなが寝ている合間にこそこそとレベリングをしていたらしい。
おかげで彼女はクラスの中で最強となっており、団長さんとも互角に渡り合えるほどである。
まあ、経験の差か、ギリギリのところで負けてしまってはいるが、彼女はめげずに頑張っている。
あいつはたぶんヒカルのことだけしか頭にない。
あいつが生きていることを信じて、狂ったように強くなっていく。
そして、それは俺も同じだ。
俺だけじゃない。
南海や担任の弘原海先生、副担の愛奈ちゃんやほかのクラスの奴らもあいつが生きていることを願っている。
だから、俺たちは強くなる。
もう一度、生きてあいつと出会うために。
次から次章へと突入します。
こんなことやってほしいとか、リクエストがありましたら気軽にコメントいただけると幸いです!