64話 厳しい修行
本格的な修行にこれからはいっていく訳だが、今までの訓練である程度の体力精神力が身に付いた俺にとって恐れることはない。
ここの食事は全部ユベルが作ってくれる。俺は半ば居候のみなのだ。今日の料理はゴブリンをふんだんに使った海鮮丼になっていた。ゴブリンの皮膚のコリコリとした食感はたまらなくうまい。
現世では食べられない料理が食べられるのが心地よい気分にさせてくれる。
「朝早くから訓練を開始する。先ずは昨日のおさらいからだ」
ユベルは投げるようにして剣をほかりこちらに指示を送り出し、
ユベルの剣をすすっと取りに行き、間合いをとり戻っていく。我ながら上達したもんだ。どうだユベル。
「うんうん。いい感じだね。よし君のイミテーションのスキル実は私もできるんでね。ちょっと見せようかな」
ユベルの元に風がなびいてこちらからは見えない。
「どこだ! ユベルさんが消えた」
風が静かになったかと思うと、そこには既にゆべるの姿はない。俺は闇雲に剣を振る。しかし空振りのみで当たる気がしない。
「どこ狙っている。暴風風」
凄まじい風がその場にいた俺は吹き飛ばされ、たってはいられない。こんな技を隠していたなんて。粉塵が空高く舞い上がり、おれの周囲を囲む。
「技を隠していたとは思っていませんでした。ですがあきらめまん」
「いいね。その表情だよ。どんなときも諦めてはいけないたとえピンチな状況があっても生きているまではチャンスは続いている。さぁどうこの要塞を破るかな。にとには期待しているよ」
身長の倍以上ある竜巻にどう立ち向かっていくか
俺のイミテーションでは現実にあるものをすり抜けることができない。だがこのままではやられてしまう考えろもっとあたまをつかえ。
閃いた!
「こうすればいんだ! ドドドドドオ」
俺は必死に剣で地面をかきはじめる。下に潜り込んでこの危機を脱する!
間一髪のところで俺は助かった。




