25話 盗賊幼女③
「二斗とセリナね。よろしく」
リストは小さいながらも、腕をブンブンさせて主張する。
「家はあるか?」
「家は......ないの。母とは別れてしまったし父は捕まっている」
この子はこの子で苦労しているんだよな。でも同調はするつもりはない。
「リストちゃん、いきましょう」
リストとセリナは互いに手を繋いでいる。いつの間に仲良くなったのやら。こうしてみると俺たち親子みたいにみえるかもな。俺の妄想にすぎないのだが。
「宿に泊まることにするか」
ーーー
街は静かになり、海の音がスッと入り込んでくる。気温は低くも高くもなく涼しい言ったところだ。俺達は宿らしき建物を見つけることにした。数分歩いただろうか。電灯が少ないため。少し暗い雰囲気をかもし出している。
「これじゃないか」
リストはいち早く宿を探し当てたようだ。
「リスト、ナイス!」
俺は右の親指を立ててポーズをとる。店内の中へと入る。
「いらっしゃいませ」
若いポニーテールのお姉さんが受付のようだ。
「3人で泊まりたいんだけどいいかしら?」
セリナが店員さんと話をする。
「あら、そのこは......」
リストの方をじっと見つめている。
「こいつですか?リストっていいます」
店員さんは少しあわてた様子を見せたがすぐ平常心に戻った。
「リストさんですか。何でもないんです。小さくてかわいい子ですね。部屋は空いてますよ」
3人で計50SCを払い部屋へと案内をしてもらう。
「こちらです。ごゆっくりどうぞ」
丁寧なお辞儀を見届けた後、俺達は部屋の中へと入る。
(しかし、さっきの店員の慌て様何かいやな予感がする......)
「さーて今日は疲れたし。寝るとしようぜ」
「そうね」
「はーい」
俺達は一つのベッドに3人横になるような形で眠りに着いた。
ーー
ドンドンドンドン
扉を叩く音が聞こえる。何だ、眠たいのに。
「ここに盗人のリストが居ると聞いた。抵抗しなければこちらも下手な真似はしない。リストをこちらに渡してもらおうか」
まさか、宿の定員さんが情報をもらしたのか。
「リストに何のようだ」
「お前に話す必要などない。こちらで身柄を預かるといっている」
扉を叩く音は先ほどよりもまして強くなっている。このままでは扉が破られる。
「リスト隠れろ! 俺たちで何とかするから」
「わるいな、にいやん」
リストはベッドの下へと身を隠す。
俺は壊れそうな扉へと近づいていく。
「わかりましたから叩かないでください」
音がやんだのを確認してから、ゆっくりと開ける。
「リストはどこにいる?」
「あなたちは?」
「スカヌハ国で警備兵をやっている者です。リストはこの街で指名手配されるほどの犯罪者であります。街の混乱を収めるために探しているのです」
「いやぁ知りませんね」
知らない振りをしてみる。
「居るような言い方をしたのはなぜだ?」
しまった。あの言い方だと俺たちが匿っているとしられてもおかしくない。
「ちょっといいですか。実は私たちはリストを探しているんです。それで、見つけ次第グランド王国で預かるとキグナスより頼まれたものです」
大柄の男は靴をトントンとさせると。
「信用できないな」
「わかりました。ではキグナスと連絡を取ればよろしいのでしょう」
セリナは携帯端末機をとりだすとキグナスに連絡をする。
「こちらを」
警備兵の一員に携帯を渡す。
「キグナス殿本当ですか?」
「ああ。彼らは私が派遣した者だ。嘘はついてない」
「これは、失礼いたしました。私はカルヴァンと言う者です。先ほどの無礼どうかお許しください」
深ぶかと頭を下げる。
「いえいえ。分かっていただけのならそれで結構です。これからも警備をがんばってください」
「ご協力ありがとうございます」
警備兵は帰っていく。




