11話 ジルクニス討伐③
まともにやりあったところで、おそらく勝ち目はない。俺がおとりになる間に、キグナスが瞬間移動してあいつの背後に回りこむ。これしかない。
俺は、二人に作戦の内容を伝える。
「二斗、大丈夫なの」
セリナは心配そうにこちらを見つめる。
「大丈夫だよ。それに俺にできるのはこれくらいだから」
強い技とか使える訳ではないからおとりになるのが一番の仕事だと思う。
「引き付けた後はキグナスに任せる」
「りょうかいした」
ーー
俺は、普段使っていないだろう筋肉を全身使い走り抜ける。
「ジルクニス! 俺が相手だ。うおおおおおおお」
「ふっ。でしゃばりおって。まずはお前から狩らせてもらう」
急降下を始め、こちらへと距離を詰める―かかった。人間よりは賢くないみたいだな。
「今だ、キグナス」
「おう!」
杖を持ち詠唱する。
「空間移動!」
キグナスは、ジルクニスの背後へと回り込む。
「冷気刃斬」
無数の氷の結晶がジルクニスの背後から襲い掛かる。
「ぐおおおお、おのれ。ユルサンゾ」
尻尾を振りかざしている。まずいこのままではキグナスが危ない。
「でやぁ」
俺の剣は、ジルクニスの目に刺さる。やったこれでまともに動くことは出来まい。弱っている今ならできるかもしれない。
「キグナス、次元閉鎖だ」
「でも、あの技は効かないはず」
「弱っている今なら効くかもしれない」
確証はないが、賭けるしかないっ。
「わかった。ロックド・ディメンション」
ジルクニスは、別次元へと吸い込まれていく。
「おのれ、ニンゲンども。次会う時はただでは済まさんぞ!」
俺達はジルクニスの討伐を達成したのだった。
ーー
「冒険者のみなさん。本当にありがとうございました。これは、お礼の気持ちです、受け取ってください」
渡されたのは、15万GCの入った袋だった。
「こんなに受け取ることはできません。10万GCで結構です」
報酬を余分にもらうことに後ろめたさを感じ言う。
「いえいえ、いいんです。受け取ってください」
一歩も引かない彼女をみて、受け取ることにした。
「それでは、遠慮なくいただきます」
「感謝する」
「ありがとね」
感謝の気持ちを伝えて洞窟を後にする。
「これからどうする」
「街にかえりましょ」
「そうだな」
クエストを済ませた俺達は、街に戻ることにした。




