王子の友達
___その瞬間、何が起こった分からなかつた。
白城が私の顔の隣に置いた手を取ったのだ。
「って・・・なにすんだよ?」
白城が後ろから何者かに首の所を掴まれていたのだ。
私は、少し安心した。
そして、白城の後には2人の男子が立っていた。
「・・・バカか。もう少しで授業が始まるというのに、何しているんだ。」
「さっすが、蓮~!まった新しい女の子捕まえてた・・・
って、白鳥ちゃんじゃん!」
1人は、成績優秀。クラスの副委員長を務めている品川太一
もう1人は、遊び人として有名な香川夏樹
「ごめんごめん!白鳥さんとちょっとはなしがあってね?」
白城がこっちに目線を向けたが、私は反対方向を向いてうでをくんだ。
「お友達と授業に行ったら?」
私は嫌味ったらしく言う。
すると、お友達二人の顔が歪んだ。
そして、品川はクイッとメガネを鼻の上にかけ言う。
「・・・副委員長として、授業の放棄は認められない。
お前も」
「じゃあ、私に成績勝ってからにしてよ。
万年二位の品川くん?」
私はにやっと口角をあげる。
ほんと、私って性格悪いな。
「・・・俺さ、成績とか悪いけど。
それはないと思うぜ?だって好意でいってくれてんだろ?」
すかさず、香川が反応する。
そんなの知らない。好意なんて嘘っぱち。
最初に言ったじゃない、副委員長としてって。
「・・・うるさいな、私に関わらないで。
関わった所で、あんた達に何の利益があるの?」
「教室で待ってるからさ、ね?
行こう、太一、なつ。」
白城は苦笑いをしながら、2人に目線を送る。
___ほら、人って簡単に失望する。
馬鹿だなぁ。最初から私なんかに関わんなければ良かったのに。
3人はさっさと屋上から出ていった。