「海」
うっすらと白い天井が見えた。
すると、男の子が私をのぞきこんでるのが見えた。
「あ、白鳥さん!?
大丈夫?」
その男の子はパァっと嬉しそうな顔をしながら笑っている。
たしか、王子の友達だっけ。
「・・・私、なんで。」
「頭から血が出て倒れてたんだよ。」
なんで、私なんか助けたの。
「あれ、これ・・・」
頭に手をやると、包帯が巻かれていることが分かった。
もしかして、この男の子が?
「あ、俺がやったんだけど、ごめんっ!
下手くそだよな・・・」
「別に。
・・・・・・ありがとう。」
素直にありがとうって言っただけなのに、その子は笑顔で嬉しそうに笑う。
王子の周りってこんなのばっかなのか。
「えっと、ごめん。
名前、なんだっけ?」
「俺?覚えてなかったの?
立川海。」
この人にぴったりの名前だと思った。
海。広大で、先が見えない人。
「・・・じゃあ、これで。」
私が立とうとすると、足がズキっといたんだ。
「え、まだダメだって!」
保健室のドアを開けようとすると、
何か喧嘩しているような声が聞こえた。
「そんなことありません!
それは先生の言いがかりです!」
「もし仕組んでたらどうするって言うの?
貴方はそんな子じゃないと思ってたのに・・・ 」
どうやら、体育の先生とさっきの事件の女の子のようだった。
「・・・保健室の前で、うるさいんですけど。」
そう言って、きっと先生を睨みつけると
先生は下を向いた。
「何?
ああ、もしかしてこの事件私が仕組んだんじゃないかって?」
別に、どうでも良かった。
私がどう思われようと、先生の評価はどうせ同じだから。
「そうですよ、それで何ですか?」
そう言うと女の子はびっくりした顔で私を見つめる。
「え、そんなわけ・・・」
「もういいですか?
私が罰を受ければいいんですよね?」
先生は舌打ちをすると、
「もういいわ」と言って廊下を歩いていった。
「・・・ご、ごめんね」
なんで謝る必要があるのか分からない。
勝手に守った私が悪いんだから。
「別に。
気にしないでいい。」
私はそう言って、保健室を去った。