「ハプニング」
着替えて、チャイムがなっても歩いて行ったら
もう説明が始まっていた。
先生は私を見て見ぬふりして説明を続けた。
いつも通りだから、どうでもいいんだけどさ。
「今日はボールを魔法で動かしながら、体育を行います!」
そう、ここの体育は普通の体育ではない。
魔法と体育という、実際ではありえない所なのだ。
そして、授業内だけ魔法の許可が降りている。
「えっと、魔法が得意な人に・・・
じゃあ、野沢さん!」
そりゃあ、私を指名するわけがない。
先生は私を拒絶しているから。
上条学以外この学校の先生は皆そうだ。
すると、おずおずした小柄の女の子が
前へ出てきた。
「このサッカーボール動かせる?」
「あ、はい!」
すると、その子は天然なのか分からないけれど
奥のサッカーボールの入った大きなかごを動かしてしまったのだ。
「すとっぷ!そっちじゃないわ!」
そんな事言ってももう遅く、女の子は魔法の制御が出来ないのか大きいかごが暴走する。
先生もどうやらパニック状態で生徒に「落ち着いて!」なんて言ってるけど一番おろおろしているのは先生だ。
「あ、ぶつか・・・」
女の子にかごが当たろうとしてたその時、
その時、私も分からなかった。
なぜそんな行動をしようとしたのか。
いつの間にかそのこの前に立って、守っていたのだ。
「えっ!?」
かごは私にぶつかり、私は弾き飛ばされた。
痛いを越している。
気絶しそうだった。
「っ・・・・・・。
ちょっと保健室行ってきます。」
頭から血が出てるのが分かった。
それに、手や足の骨が軽く折れてそうなことも。
ヨロヨロしながら保健室へ向かう。
「あ、白鳥さ・・・」
「別に、来なくていいから。」
その女の子は心配そうな顔をしながら立ち尽くしていた。
私は、ヨロヨロと保健室へ向かう。
「さすがに・・・これは・・・っ。」
意識が朦朧とする。
このまま、死んでもいいんじゃないかって思ってしまった。
「え、白鳥さん・・・?」
その時、クラスメイトらしき人の声が聞こえた時点で
意識を失った。