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「全くわけがわからん。できるだけマイルドな話し方で分かりやすい表現にしてくれ。あと句読点を使え。喋り方が速すぎて全部右耳から左耳へ抜けてったぞ」

「もう一回言ったほうがいいのか」

「やめてくれ。それされると今度こそ脳がパンクする」

 左手のひらでスピカの心にブレーキを促す。「僕の質問に答えてくれ。それだけでいい」

 最初からこうすればよかったと自責しながら、幸太郎は質問を投げる。

「君たちは何なんだ。人間じゃないと言っていたみたいだけど、じゃあ何かを教えて欲しい」

「さっきも言ったように、私は本来なら肉体を持たぬ存在だ。机上の存在と言い替えてもいいかもしれん」

「で、その思念体様?が、そこらへんにいる大学三年生の僕に何の用で来たんだ」

「私たちは敢えて名前をつけるなら思念体と呼ばれ、ありとあらゆる情報を欲し活動しているというところまではわかっているな?」

 既にそこから意味不明の極致ではあったものの、幸太郎は適当に頷いた。ここでさらに思念体の概念や体系を語られるのも面倒臭い。一度、全体的な話を聞いておくだけでも聞いておこうと覚悟を決めた。

「今回私たちがこの世界に半固定されたのは『人間の幸福とは何か』と『それによっていかなる問題・事象が生じるか』ということを知るためだということはわかっているな」

「暫定的に分かってるってことにしておいてくれると嬉しいかな」

 しかし幸太郎の疑問は尽きない。

「つまり、スピカはこれから僕の私生活において半永久的につきまとって僕の私生活を監視しまくった挙句、僕や人間の幸福についてのご大層なレポートを作りたいってこと?」

「あっている部分もあれば間違っている部分もあるな。私たちは別にお前たち人間を監視してあらゆるデータが欲しいわけではない。もっと魅力的で、わかりやすいものでお前たち人間の幸福や幸福から生じる諸々を図らせてもらう」

「アンケートに答えりゃいいの?」

 投げやりと嘲笑を混ぜた言葉を、スピカは「いや違う」と正面から弾き返した。

「アンケートなんて無意義の権化みたいなことをしているだけ時間の無駄だ。お前たちはアンケートを形式的にばらまいているが本当にそこから向上のヒントや得るものがあるとでも思っているのか? そう思っているのなら今すぐ顔を洗って来い。付け足しておくが、すべてのアンケートがそうではないから誤解するな。お前たちは僅かな例や物言いを過度に一般化したがるからな」

「話を戻そう。で、結局僕は何をすればいいんだ? 聞くだけ聞いてやる」

「お前にとって何が幸せか祈ってみろ。私がそれを叶えてやる」

「その代償として僕は壺でも買えばいいのか?」

「代償といえば、お前たちには戦争をしてもらう」

「戦争?」

 これほどにまで清々しく日本人の生活様式から乖離した言葉が他にあろうか、そんな雰囲気すら含んだ語調で幸太郎は語尾を上げた。小馬鹿にしたニュアンスで付け足す。「戦争なんかしてどうするんだ。それで測れるとでも?」

「測れる」

 断定された。大きな自信を孕んだ言葉が、幸太郎の鳩尾にずっしりとのしかかる。


すごく書きたいことがあったんですけど忘れちゃいました。これ僕の中ではかなりの頻度であるから俗に言うあるあるネタですが、他の人もそうなのかもしれないですね。ほかのなろう作者さんはいかがでしょうか?

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