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3-5

「本当に戦争なんかあるのか? 今日だって、世界はこんなに平和だし」

 幸太郎は無作為に周囲を見渡すも、戦争が始まるような物々しさやこれから死者が出るような過激さとは縁の遠い、ただの街並みだけがそこにはある。

「始まるに決まっている」

 私たちが始めるんだ。

 スピカが宣言とともに、白く長い人差し指を天に突き立てる。その軌道を追って、幸太郎も黒目を上へ。

 塗りつぶしたように暗いそらの中で、紅の光が一閃した。

 流れ星だ。幸太郎が呟く。灼熱した光芒が尾を引き、まるでその一筋が呼び水だといわんばかりに、無数の光が降り注いだ。白、黒、緋、蒼、萌黄、藍、藤紫をはじめとするあらゆる色が淡い軌跡を残し、水平線の向こう側へと消えていく。照明も乏しい街並みが、流星の光で満ちる。地面を見れば流れ星各々が持つ光を反射して、刹那刻みに表情をめまぐるしく変えていた。

「始まるぞ」

 スピカにしては珍しい、待ちわびたような、唇の両箸を釣り上げた笑みを浮かべている。

「戦争だ」

 天を見上げ、よく通る声でスピカは告げた。

「この時を以て、我々思念体は【祝福戦争】の開戦を宣言する」

 スピカの声で、一層の流星が地へ降り注ぐ。様々な色が綯交ぜになった空を、幸太郎はただ見上げることしかできなかった。


今日は結構控えめな量です。さておき、やっと本編始まった感がありますね。これからも気合入れて頑張ろうと思います

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