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3-4

「なんかほんともうお前がウチ来てから散々なんだけど」

「しかし私がいたから奈々子は生き返れたのだぞ。もっと感謝してくれても足りんくらいだとは思わんか」

 まあそうなんだけどさと幸太郎は漏らし、夜の歩道を歩いていた。風呂場へ不本意な侵入をしてしまい奈々子の機嫌をすっかり損ねてしまった幸太郎は、どうにか媚を売るべくアイスを買いに走り、今は帰路をついてきたスピカと共にしている。やはりと言うべきか、コンビニの店員もスピカを見るなり驚きを露わにしていた。同時に、何故幸太郎のような当たり障りのない学生と一緒にいるのかと怪しむ目線を受けたことも言うまでもない。

「そういえば」

「なんだ、また質問か?」

 ふと、幸太郎の中で沈んでいた疑問が浮上する。些細と言ってしまえば些細だが、とりあえず、深く考えずに外へ出す。「その願いから出てきた能力って、総称とか呼び方ってあるの?」

「それはつまり、地球上に生息しおおむね二足歩行で移動を繰り返しさまざまな言語を操り時折後先考えず戦争を繰り返す浅ましい存在を『人間』と称するような、要は名詞か?」

「その通りなんだけど、妙に棘がある物言いだね」

「私は事実を言ったにすぎんぞ。で、お前はその能力群を何と呼ぶのかを知りたいというわけだな」

 幸太郎の首肯に、スピカは無感動に返す。

「私たち思念体はそれを、幸福フェリキタスと呼ぶことにしている」

 フェリキタス。口の中で反芻し、尋ねる。「何語?」

「ラテン語だな。これも例にもれず私たちの情報交信手段では地球人の発音可能域から逸脱しているから便宜上、一番それらしい言葉を選んだといっていい。ちなみに私たち思念体から祝福を受けて戦争に参加する人間のことは祝福者と呼ぶことにしている。なぜこれは日本語なのかは私にもわからん。知りたかったら思念体中枢に聞けばいいが、そこまで面倒なことをするまでもないだろう」

 二つの単語を何度も噛み締めて、幸太郎は自分の右手の平を眺める。この手に世界を巻き込むような力があるとは、とても思えなかった。

「二つの呼び方は覚えておいたほうがいいぞ。この先、何度も口にすることになるだろうからな」


いやー。やっと出ましたね。フェリキタスの意味。みなさんからしたらおせえよ!って感じでしょうか。申し訳ないです。あと、明日はどうやら一般的に休みだそうですね。残念ながら僕は大学があるので行ってきます。みなさん、楽しい休日をお過ごし下さい

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