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キスゲーム  作者: 天無 冷斗
ゲーム開始編
6/32

第六話【カミサマ】

水川みずかわ家…?』

「あぁ、何十年も前から赤熊あかぐま家と関わりを持っている家だ」

『い、いやー聞いたことが無いな…』

「まぁとにかく血瑠璃ちるりを助けにいくぞ」

『お、おう』

『で、どこに血瑠璃は―――』

水川はある一か所を指さした。その指の先には女子便所があった

『え……』

「何だ?助けるのに恥ずかしさでもあるのか?」

『いやねーよ!』

青鈴は恥ずかしさを押し殺すように勢いよく言った

そして水川と青鈴は女子便所へと向かった




「あははは殺してあげるからーそこでじっとしててーあはははは」

「何でアンタが私を!…」

「………………そんなのきまってるでしょ…………濫真らんま君と一番仲のいい貴女だからどうせ付き合ってるんでしょう……そんなのは許さない…許さない許さない許さない許さない…貴女は私にとって邪魔だから邪魔だから邪魔だから邪魔だから殺されて頂戴…」

「まって!付き合ってなんかいないし!第一邪魔だったとしても殺される理由が無いでしょ!?」

「うるさい!とにかく…死んでほしッ――――――」

渡部わたべの言葉が途中で途切れる

「フン…こんなヤンデレ女だったのか血瑠璃を殺そうとしたのは」

言葉が途切れた渡部の体には5本程度の矢が突き刺さっていた。もちろん矢を放ったのは水川である

「…章悟しょうご…?」

「あぁ、久しぶりだな」

「っていうかその弓矢何!?」

「あ?ゲームの参加者なんだから持ってるに決まってるだろ」

「え…アンタが?…」

「あぁそうだまぁ強行勝利はしねぇよ。戦うのを楽しみてぇからな」

青鈴は矢で打ち抜かれた渡部の傷を負った記憶をなかったことにしようとしに渡部に近寄った

『!何だよコレ!?』

「?」

血瑠璃もその言葉に釣られて渡部の方へと目を向ける

「体が砂になっていってる!?」

「あー言ってなかったな俺のこの弓の能力はどうやら力を使いながら打った対象を砂化させて消滅させるみてーだ。まぁ能力の上に能力がきかねーのはとある人物から聞かされてるからその鎌で切り裂いたところで無意味だと思うぜ」

『ある人物?』

尾上おがみって奴だよ。夏だってのに暑っ苦しいコートみてーな服にマフラー巻いてる奴だ」

『じゃあもうコイツは…』

「あぁ死ぬなだけどそれがどうした?」

『どうしたじゃねーよ!何でゲームに関係ない人間を!』

「何で?血瑠璃を殺そうとしたからだろーがそんな奴は生きてるに値しない殺すのがいいだろ」

『いいや!生きてるに値する!せめて殺すならゲームに関係ある人間にしろよ!』

「じゃあお前を今ここで殺すぞ?」

『……何で殺すってなるんだよ…』

「邪魔だからだ。第一ゲームの参加者と守護人は敵対関係にあるはずだろ?」

『そうだとしても絶対敵対関係にある必要は――』

「ある」

「敵対することで闘争心を揺さぶる的なことなんだろうぜ」

「だから俺は素直に愚直に揺さぶられてお前と敵対する」

『でも…』

「でも?」

水川は聞き返した

『お前は戦いたくないような戦い方をしてるように見える』

「…………」

水川が黙り込む

『…お前は参加者よりも守護人をやりたいんじゃないのか?』

「黙れ…」

『え?』

「俺は参加者なりに血瑠璃を守る」

「ちょ、ちょっと二人とも!そんな話されても困るし!」

血瑠璃が口を挟む

「まぁ俺は用が無いからもう帰る」

『ま、まてっ!』

「あ?」

『コイツを救う方法は無いのか?』

青鈴が渡部を指刺して言う

「無い。いや…」

『いや?』

逝見ゆくみとやらににあってきたらどうだ?」

『逝見?逝見っていったい誰なんだ?』

「俺が会った尾上って奴から聞いた話なんだがソイツは生死も何もかもを司ってるらしい」

『は?…そんなのカミサマみてーなもんじゃねーか』

「よくわからんがその人を呼んで来たらいいと思――」

水川の声が止まるそして新しい声がトイレの中に響く

「へぇーそんな人っているもんだねってここにいるんだけれどさ」

その場にいた青鈴と血瑠璃が後ろを振り返る

「やっほーどうも逝見さんでーす本当はまだ君達と関わりをもつつもりじゃなかったんだけどきちゃった♪」

『アンタが…逝見さんか?』

「正解正解大正解なのでマイナス百点満点だぜ」

『はい?』

「で、君はその娘を復活させたいんだろう?まるでどこぞのRPGの復活呪文みてーに軽々しく」

『あ、あぁ』

「それじゃあ直してあげるよなにしろこの世界に最初はたった一人しかいなかった主人公の願いだからねぇ」

『主人公?』

「あぁこっちの話。それじゃあまぁ…この娘が死ぬのって幸せだなー」

『いや幸せじゃ…』

幸せではないのだけれども砂化がみるみる消えていく

『なっ―――――』

「ほら?もれなく皆幸せだろ?」

「それじゃあね」

『あ、ちょっとまって!』

その言葉も聞かず逝見は青鈴たちの目の前から消えた






『関わりをもってよかったのか?』

尾上が言う

「うん?いいとは思ってないよ?」

『じゃあなんで助けたんだ?』

「それゃあ君と同じ

 『主人公』サマだからさ『神様』とか『化物』とか言われる僕より上のね」

「だから」

「僕は前作のような最悪な展開を起こしたくないんだよ。神様が主人公を凌駕するってヤツをね」


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