sign 2 (side 裕美)
sign第2話です。
今回は女性視点になります。
私の彼、周ちゃんとは付き合い始めて1年半になる。
知り合ったのは私の会社の1つ先輩―――明日香さんの紹介。
明日香さんは美人で、仕事がものすごくできて、後輩の私のことをとても気遣ってくれる。
大手製薬会社に勤める素敵な彼氏さんがいて、本当に日々輝いてるなーと感じてしまうのだ。
入社してからずっと私の憧れの人だ。私もこんな風に輝いた女性になりたいなっていつも思う。
「裕美ちゃん彼氏いないよね?大学の同期で腐れ縁のヤツがいるんだけど、ちょっと会ってみない?」
社員でごった返す昼休みの社食で、たまたま明日香さんと二人っきりでご飯を食べていた時、突然そう言われた。
入社してもうすぐ半年という時。
それまでは仕事に慣れるのに一苦労してたけれども、やっとうまくこなせるようになってきた頃だった。
「ヤツとはたまーに連絡を取り合ったりしてるんだけど、『とっても性格が良くて、かわいい後輩ができたの~』って自慢のメールしたら『会わせて』って言い出してきかないのよー」
明日香さんのその言葉は、私にとって衝撃的だった。
私が『とても性格が良くてかわいい後輩』と見られていることに。
すごく嬉しかった。憧れの人にそう思われていて。
『明日香さんの大学の同期の方が私に会いたがってる』ということなんて全然頭に入ってなくて、その後は夢見心地で明日香さんの話に相槌を打っていた。
気付いたらその2日後に、その方と食事をすることになってしまっていた。
慌てる私に、
「大丈夫よ。1回会うだけでいいから。それで裕美ちゃんが嫌ならもう絶対に会わせないし。」
と明日香さんが言ってくれたので、とりあえずその方に会うことを決心した。
2日後の金曜の夜、おしゃれなイタリアンレストランで3人で食事をした。
「はじめまして、柴原明日香の大学の同期の高崎周一です。」
「はじめまして、明日香さんの会社の後輩の有澤裕美です。」
そんな自己紹介から始まった食事だったけれど、緊張して最初のうちは私から話すことができなかった。
でもそんな私を気遣ってくれてか、彼の方からたくさん話し掛けてくれた。
趣味、休日の過ごし方、好きなアーティスト…etc。
話してみると、彼とはとても共通点が多いような気がした。
明日香さんも雰囲気を和ませようと、大学時代の彼の失敗談などを話してくれた。
お酒の力もあり、しばらくすると緊張も解けてきた。
話が弾んであっという時間が過ぎた。




