表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
sign  作者: 雪菜
1/14

sign 1 (side 周一)

初めて小説を書きました。

非常に拙いとは思いますが、完結できるようにがんばります!

――――彼女の様子がおかしい。


そう感じ始めたのは、いつ頃からだっただろう。







共通の知人を通じて、付き合い始めて1年半。

お互い部屋は借りてあるのだが、俺の部屋で同棲みたいな状態になって早5ヶ月。



俺は時々仕事が忙しくなって、帰宅は日付が変わる頃…なんてこともある。

しかし彼女―――裕美ゆみは必ず手料理を用意して俺の帰宅を待っていてくれる。

裕美もOLとして働いているのに。


「おかえりなさい。今ご飯温めるね。お風呂入ってきて。」


裕美の優しい笑顔と声に、疲れなんか一気に吹っ飛ぶ。


俺の帰りが遅い時は、裕美は先に夕食を済ませている。

温かい手料理をがっつく俺の横で、お茶を飲みながら楽しそうに今日一日のことを話すのだ。


寝るときはいつも一緒にベッドに入るのだが、どんなに寝る時間が遅くても裕美は早起きして、必ず朝ごはんを準備してくれる。


「おはよう。髪はねてるよー。鏡見ておいで。」


クスクスと笑う裕美の笑顔一つで、俺はこの上なく幸せになれる。

こんな素晴らしい彼女を持てて、本当に俺は世界一の幸せ者なんじゃないかって思うのだ。


できれば同棲みたいな状態じゃなく、すぐにでも結婚したい。

でも結婚するからには、絶対に裕美を幸せにしたい。


世の中金がすべてじゃないけど、結婚するからにはそれなりに貯蓄が必要だ。


大卒で今の会社に入社してもうすぐ3年の俺は、やっと大きな仕事を任せてもらえるようになったレベルで、裕美を幸せにできるほどの余裕も貯蓄もまだ足りないと感じている。


だからもう少しだけ。

もう少しだけ、結婚は待ってほしいと裕美にお願いしてある。

裕美もそれに同意してくれていて、『周ちゃんがいいと思えるまで私は待ってるから。だから今は仕事に専念して。』とこれまた優しい笑顔で言うのだ。


あぁ、やっぱり俺は幸せ者だ。

裕美との幸せな結婚生活を頭に描いて、今日も仕事に向かう。


―――裕美との同棲はうまくいっていると思っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ