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林檎は削除されました。

作者: ひまぶつし
掲載日:2026/06/19

初投稿です!読みづらいところ多々あると思いますが読んでいただけると幸いです

りんごである。またの名を、Apple、バラ科リンゴ属の落葉高木の一種、セイヨウリンゴという。彼は、異世界転生者だ。ある日目覚めると、2026年の雨の飲み屋街に転生した。彼は、転生したからりんご、またの名をApple、バラ科リンゴ属の落葉高木の一種、セイヨウリンゴになったわけではない。異世界転生をしたことによって彼にりんご、またの名をApple、バラ科リンゴ属の落葉高木の一種、セイヨウリンゴという分類を与えたのである。そして彼は、分類を与えられたことにより自由が効かなくなってしまった。眼の前ではタクシーと呼ばれていた博物館でしか見たことのない乗り物が走っている。彼はりんご、またの名をApple、バラ科リンゴ属の落葉高木の一種、セイヨウリンゴという分類を与えられたことをいささか後悔はしていたが、今ここで過去の遺産がどのように動いていたのか、過去のこの街がどのような姿だったのかを目に焼き付けることは、今にもタクシーにひかれ死にゆく彼にとって重大な使命であり、そんなだから、死ぬのである。

りんご、またの名をApple、バラ科リンゴ属の落葉高木の一種、セイヨウリンゴは消滅しました。このページは20秒後に削除されます。このページは10秒後に削除されます。このページは1秒後に削除されます。デジタルライブラリ内の文庫本から、りんご、またはApple、またはバラ科リンゴ属の落葉高木の一種、セイヨウリンゴを含む記述またはそれを含むページ、それを扱う書籍が花びらのように舞います。つい30秒前までは素晴らしい児童書ともてはやされていたグリム童話白雪姫、ディズニー長編映画白雪姫ももちろん対象です。アップルパイは現在審議の対象となっております。削除中の書物、花びらへの接触は禁止となっています。リンゴ等を名称に含む歴史上の人物や団体に関する情報は別ライブラリに保管されます。データの移行を行うため、赤い花びらにも接触禁止とします。

その中に青い花びらが舞っていることには、誰も気づかなかった。「白雪姫:改造編」どこかの誰かの黒歴史、どこかの誰かの強い気持ちが色んな意味でこもってしまった「自我を持つ本」。ライブラリ検閲者は、この「自我を持つ本」をあろうことか見逃し、「自我を持つ本」をデリート対象としてしまった。だがもう遅いのである。青い花びらはデータライブラリを抜け出す。その先は3065年快晴の草原である。青い花びらは元の「自我を持つ本」へと姿を戻し、白紙となったりんご、またはApple、またはバラ科リンゴ属の落葉高木の一種、またはセイヨウリンゴのページにApple社というかつて歴史上において文明開化を起こした企業が作ったというiPhoneという重要文化財を持ち出し、青リンゴ、またの名をりんご、バラ科リンゴ属の落葉高木の一種、Green apple、セイヨウリンゴ、王林、ジョナゴールドを記載し、関連ワードをもとに、りんご、またの名をApple、バラ科リンゴ属の落葉高木の一種、セイヨウリンゴを復活させた。そして「自我を持つ本」は、データライブラリに、小さなバックドアを残し、戻っていった。

彼は、もはや姿を持たない。だが、データがたしかに彼のもとに飛んできた。誰かのドきつい妄想である。しかし、彼を2026年の大雨の飲み屋街に引き戻すには十分なデータであった。彼は新たに白雪麗華という分類を与えられた。美少女だが同時に猫の姿も持ち合わせ、どこかの大富豪のお嬢様であり、テレパシーの使い手である。彼女は毒集めを趣味としており、身分を偽りわざと自意識過剰な女王に近づき、毒を盛られることに成功。そしてその毒を再利用し、国家の転覆を図ったという現代末期頃に溢れかえっていた厨二病と妄想癖とグリム童話を良くない配合で混ぜ合わせたような美少女である。彼…白雪麗華はとりあえず、近くにあるという現代末期頃特有の宿泊施設、ルートインホテルスへと足を伸ばすのであった。

白雪麗華の復活により、3065年のデータライブラリ管理者たちは絶望を感じていた。「自我を持つ本」の覚醒という避けなければならない問題が発生したのだ。元々彼を2026年へ派遣したのはりんご、またの名をApple、バラ科リンゴ属の落葉高木の一種、セイヨウリンゴの絶滅を元からその種が存在しなかったことにしてもみ消すためであり、「自我を持つ本」の覚醒ではない。むしろ、「自我を持つ本」を誤ってデリート対象にしたことによって、「自我を持つ本」はついに「自我を持つ本」たるようになり、彼へのデータ転送を行ったのである。これによりりんご、またの名をApple、バラ科リンゴ属の落葉高木の一種、セイヨウリンゴは復活し、絶滅は明らかとなった。だが、問題は「自我を持つ本」である。おそらく、彼とデータの消去は不可能に近いだろう。歴史の教科書は大きく変わることになる。

白雪麗華は、なぜ自分が現代末期の日本、またの名をJapan、日本国に派遣されたのか、よく知っていた。だからこそ、りんごによって人生を歪めた白雪麗華との合体は彼にとっては好都合であった。幸い2026年の現代末期では、3065年では入手すらできない毒物や薬品が大いに出回っていた時代である。白雪麗華の捻れた野望は、彼の中の何かと共鳴し、データライブラリ管理者たちの最も恐れている行動へと動き出そうとしていた。データライブラリ管理者は、おそらくこの動きを察知するであろう。なら、それを利用するしか、ないじゃない?

ルートインホテルスの客室は大変リーズナブルであったため、長期の連泊が可能であった。私はとりあえず、3065年に作っておいたバックドアを利用して、こちらとあちらの行き来を可能にした。それと同時に、国会議事堂などと言った現代末期の主要な建造物を訪問し、花火や爆竹と言った3065年現在では厳重注意爆発物となっているものを手に取ってみたりした。ルートインホテルスのテレビに備え付けてあるYouTubeというものも、私に大変沢山の知識をもたらしてくれた。3065年現在では抹消されているような歴史が、ここには生々しく残っているのだ。

データライブラリは、現在使用中止となっております。不具合の調整のため、ご迷惑をおかけしております。詳細については、以下のリンクをご覧ください。「自我を持つ本」の暴走に伴い、現代末期頃の歴史に多大な影響が起こる可能性が出たため、ライブラリの使用を中止しております。今後、皆様の生活の中で大きな変化が起こるかもしれません。ですが、その際は冷静に落ち着いた行動を行ってください。現代末期の歴史改変はたしかに大きな出来事ではありますが、現在その影響を最低限に抑えるため管理者一同尽力しております。データライブラリの管理者は、こんなホームページをとりあえず載せておき、過去のデータの編集に当たっていた。バックドアには、気づいていなかった。

白雪麗華は、ついにルートインホテルスのカードキーをフロントへ返した。計画は完了した。あとは邪魔をされないよう、Wi-Fiのホットスポットを探し、特定を防ぐ必要がある。彼も、私もひどく冷静であった。2030年ごろの歴史に改変が入っていることには、薄々気がついてはいたの。だけれど、誰も過去を変える、だなんて言ってない。やっぱり、私の計画は完璧だったみたい…

3065年のデータライブラリには、消去されたはずの歴史が溢れかえっていた。データライブラリの外には現在は消え去ったはずの現代末期における薬物や花火、爆竹といった危険物が横行している。データライブラリ管理者たちは、白雪麗華に敗北した。彼女が狙っていたのは過去ではなく、我々である。バックドアの存在に気づけなかった我々は、危険物をあろうことかこの現代に迎え入れてしまったのだ。

4026年、彼は道路にいた。りんご、またの名をApple、バラ科リンゴ属の落葉高木の一種、セイヨウリンゴという。大雨の飲み屋街で、彼はタクシーの下を通過していた。3065年という空白の年の研究は、4026年の今でも解明されていない。

最後まで読んでいただきありがとうございました!楽しんでいただけたら嬉しいです

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