仲間との再会
アルをはじめとした元クロノスファミリーのメンバーだった人らが、何人かを集めて、作戦会議をしていた。
「なあ、ダッシュ。5年前にボスが殺されてから俺達あまり会ってなかったよな。今はガラミティによって反ベイリーカ勢力って奴らがマフィアの抗争の中心になってるんだってよ」
「ボスを失ってから俺達は5年間活動できてなかった。しかし今いるメンバーだけでもガラミティを何とかしないとベイリーカはヤバい事になるかもしれない」
「そういえばボスの弟子は元気にしてるのかな?」
「孤児院で過ごしてるって聞いた事あるけど流石に正体を周りには隠してるだろうね」
「彼ロバート・ガラミティの息子だからマクシミリアンて名前じゃなくてマックスの名前で入ってるんだろうね」
かつてのクロノスファミリーのメンバーのアル、ダッシュ、トロイ、ゼイン、マドックスの5人は孤児院にいるマックスの事を心配していた。
一方、マックスは、孤児院内で出会ったナイトと一緒に孤児院内でのイベントを見に行っていた。
このイベントは孤児院にいる子供などが年に1回出し物を発表するイベントである。
ナイトとは、去年くらいに孤児院で出会い、生い立ちが共通していた事から交流が多くなった仲であった。
ナイトは、5年前のガラミティ一家による反ベイリーカ勢力の抗争で両親を失い、マックスと同じ孤児院に入ってきた。
「マックス、そういやお前、最近彼女でもできたのか?なんか部屋に新しく入ってきた女子入ってたけど」
マックスは少し顔を赤らめて、
「ちっ違う!あの子は勝手に俺の部屋に入り込んで…」
と言った。
「本当かぁ?」
「本当だ!」
「それにしても、最近入ったあの子、ロザリアだっけ?めちゃ可愛い子じゃないか。マックスも狙ったらどうなんだ?」
「ええぃ、俺には関係ない。出会える環境にもいないし、俺と気が合いそうな女子などそもそもいない。それに、俺にはやらなければならない事があるからな」
「本当にやるのか?ガラミティ一家を潰す事なんて。相当レベルが高いかもしれないぞ?あっ、そうかお前ガラミティの令息だから上手くいくかもしれないな」
「静かにしてくれ。周りにバレたら大変な事になるぞ。俺が令息だからといって上手くいくとは限らない。あと今のところ俺がガラミティの令息というのがわかるのはお前や孤児院のスタッフだけだ」
「新入りのロザリアには話さないのか?」
「うぅ…!」
ナイトに言われて言葉が出てこなくなってしまった。
「それに一人で戦うための練習なんて危険だぞ。マフィアに襲われてもおかしくないんだから」
「わかってるさ。だが俺は、いつか倒さなけれならない。家族、いやガラミティ一家を」
イベント会場はものすごく盛り上がっていた。
舞台上ではストリートダンスなどを披露するようなショーもあった。
「ウェーイ!」
「ウェーイ!」
観客による声援や歓声が会場中に響き渡った。
観客席にはロザリアの姿もあった。
『ダンスは懐かしい。私とは違うジャンルだけど』
見ていたロザリアがこのように呟いていた。
マックス達は、舞台であったダンスショーについて喋り合っていた。
「あのダンスショーすごい盛り上がっていたな」
「本当にすごかったぞ。ところで、この後はまた戦いに行くのか?」
「そうだ。このイベントも俺はこういう時しか行けないからな。この後は戦いに行くよ。マフィア共と」
「お前はよく戦いに行くよなぁ」
「我が恩師の仇を取らなければいけないからな」
「はいはい」
こうしてマックスは、マフィア達と戦いに孤児院を後にした。
『俺もいつかマックスと一緒に家族の仇を取るためにガラミティと戦いたい』
孤児院を後にしたマックスは、周りにマフィアがいないかを確認しながら街中に出た。
『また奴らに見つかると面倒な事になる。今度は見つからずに済むといいんだが…』
引き続きマフィアがいないかを確認しながら歩いている時、何かの物音がした。
ガタン!
「!」
マックスは物音がした方に銃を向け、
「誰だ?そこに誰かいるのか?」
と言った。
しかし、そこには誰もおらず、物が落ちただけだった。
一方、アル達は、作戦会議で決めた事を話し合っていた。
「まず俺がこの作戦を取り仕切る。5人バラバラになって行動する。もしガラミティや反ベイリーカ勢力の奴らってわかるような行動をしているのを見たら俺に連絡してくれ。そこで指示を出す」
「了解」
『我が旧友、カルロ・クロノスの仇、ここで取る』
アルは心の中で呟いた。
アルの指示で仲間のダッシュ、トロイ、ゼイン、マドックスとアルの5人全員バラバラで街中を歩きながらガラミティと反ベイリーカを探す作戦を実行させた。
『本当に奴らはいるんだろうか?』
『奴らはどこに隠れているんだ』
など内心そのように思いながら街中を捜索していた。
「アイツら、武器を持っているぞ」
「武装組織か?マフィアか?」
街の人達からはこのような反応をされるものの、それらは気にせずに5人は捜索を続けた。
『たとえ俺達が武装組織だって構わない。我がボスの命を奪った連中共をこの手で仕留める』
5人は全員内心このように思っていた。
捜索開始から2時間が経過した。
『まだ何も連絡が来ないな。少し休憩でもするか』
アルは2時間くらい捜索して休憩を取ろうとして、近くにあるカフェに立ち寄った。
「オーナー。コーヒーを一杯お願い」
「かしこまりました」
コーヒーを待っている間、アルは内心こう思っていた。
『マジで何も連絡が来ないな。あとマックスも何年も会ってないから現状がわからん。今どうしているんだろうな』
そう呟いていた。
「お待たせ致しました。コーヒー一杯です」
「ありがとうございます」
一方、マックスの方も別でマフィアがいないかを捜索していた。
「奴らはいないな。結構な時間捜索していたから一休みでもするか」
マックスも最寄りのカフェに行ってコーヒーを飲みながら一休みする事になった。
「いらっしゃいませ」
「コーヒーを一杯と牛乳もお願いします」
「かしこまりました。こちらの席へどうぞ」
「ありがとうございます」
カフェの店員に案内され、席に着席しようとした時、見覚えのある人がいた。
『もしかして、アル?』
アルの方も向かい側の席に来た人が見覚えのある人だと気付き、
『まさか、マックスか?』
と思った。
「お待たせ致しました」
店員がコーヒーを持ってきた。
「ありがとうございます」
マックスは注文したコーヒーに牛乳を入れて飲んでいた。
「そこのお前さん」
「はい」
「俺を覚えているか?マックス」
「アル‥か。久しぶりだな」
「元気にしてたか?」
「ああ。では孤児院暮らしをしている」
「ボスが死んだ後一時はどうなったかと思ったぜ」
「アルは、ちなみに何をしているんだ?」
「仲間4人とガラミティ一家やドロフィーファミリーの捜索をしていたんだ。だけど今のところ何も連絡がなくてさ」
「そうか。俺も同じく、奴らに関する捜索をしていた」
「お前、孤児院にいながら、奴らに関して何か調べてたのか?」
アルが聞くと、
「師匠から教えてもらった魔能術催眠の力を人形とか使って試してみたり、街に出て戦ったりとかしていた」
とマックスは答えた。
「やっぱりボスを殺した奴について情報が欲しいからとか?」
「そうだな。一つお願いがあるんだが…」
「何のお願いだ?」
「俺は師匠の跡を受け継いでクロノスファミリーをもう一度立て直す。その時はアルや他の仲間達も協力して欲しい」
マックスはアルにクロノス再結成についてお願いをした。
するとアルは、
「お前にどこまで務まるんかわからんが、やってみるがいい。失敗する事もあるぞ。もしやるんだったら覚悟を決めろ」
こう言われ、マックスは、
「分かった。どこまでかは分からないができるところまではやってみる」
と答えた。
「それと…」
マックスは何かを言いかけた。
「何か言いたいのか?」
「俺は孤児院で育ってよくわかったんだ。あの子供達もガラミティ一家に家族を殺されてあの孤児院にいる。だから俺は、あの子供達をこの狂った世の中から救い出すためにもガラミティをぶっ潰す」
「そうか。お前も立派になったな。ところで、この後は何かあるか?」
アルが聞くと、
「操索するくらいだな」
とマックスは答えた。
「もし良かったら一緒に操索しないか。他の仲間にも再会できる」
「ああ。喜んで」
マックスは、アルと2人でガラミティやドロフィー関連の操索をする事になった。
『ボスの弟子が引き継いだクロノスファミリー、か』
アルは内心このように呟いた。
マックスは5年ぶりにかつての仲間との再会を果たした。




