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魔能術MAFIA  作者: TAKUMI
クロノス再結成編
3/4

ロザリア

 ガラミティ一家である両親ロバート・ガラミティ、ルシーア・ガラミティに捨てられ、クロノスファミリーのボス、カルロ・クロノスに拾われた少年、マクシミリアン。名前を隠すためにカルロからは新しくマックスと改められ、更には『魔能術』も教えられた。


 彼の魔能術は『催眠の力』であらゆる相手を催眠状態にして拘束し、操り人形のように操作する能力だった。


 しかし、そのカルロ・クロノスがロバートの命令により、ガラミティ一家のフランクによって銃弾に倒れ、この世を去った事により、クロノスファミリーは壊滅状態となった。


 クロノスファミリー壊滅により、ガラミティ一家は勢力を拡大し、更に同じくリチシア国で有名なリチシアマフィアのドロフィーファミリーと手を組み、ベイリーカ国全体とリチシア国全体をマフィアの抗争区域として、他のマフィア、ギャング、警察、政治家、更には一般人などが銃撃戦に巻き込まれ、死亡するケースが多くなった。


==========================



 あれから5年の月日が経過した。


 いつもの通り、ベイリーカ国は全体的にマフィアの抗争区域で、銃撃戦などで、死者が多く出ていた。


ドドドドドドドドドドッ!


「ハハハハハハハハッ!ここはガラミティ一家の島だ!」


 ガラミティ一家のアヴァリスが中心になって、ベイリーカの街で銃撃戦が行われていた。




 一方、カルロの弟子マックスは、クロノスファミリーの壊滅からは孤児院で生活していた。


 17歳になったマックスは、孤児院での他の子供達などとの付き合いもありながら、5年前の復讐について考えていた。


 孤児院の担当者に何も言わずに勝手に出ていって、銃撃され殺されてもおかしくない状態にも関わらず魔能術がどのくらい強くなっているのかを確認しに外出をしている事もあった。


 ある日、いつものように魔能術の確認をしている時だった。


「おいそこの兄ちゃん。俺と勝負しろ」


 ガラミティ一家のアヴァリスがマックスに絡んできた。


「…」


「おい聞いてんのか!?勝負しろっつってんだろ!」


「俺に触るな」


「アァッ?今何つった?」


「俺に触るなと言っているんだよ」


「生意気なガキが。テメェあんま調子に乗ってんじゃねぇぞゴルァ!」


 そう言って、アヴァリスは、マックスを殴り飛ばした。


「ハハハハハハハ。テメェ案外弱ぇじゃねぇか。テメェのような弱っちいやつはよ。おとなしく俺に従っていればいいもんよ」


 アヴァリスがそのように言うと、


「ならば、その相手がマフィアの弟子で『魔能術』を持っている奴だったらお前はどうする?」


「アァッ?テメェ本気で言ってんじゃねぇだろうな?まさか?お前は?」


「5年前、お前と戦った男。マックスことマクシミリアン・ガラミティだ」


 こう言って、マックスは懐中時計を取り出した。


「魔能術!催眠の力!」


キュイーン!


「しまった!まさかコイツに…!」


 アヴァリスはマックスの魔能術にかかり、催眠状態となった。


ドーンッ!ドーンッ!


 アヴァリスが催眠状態になったままマックスは銃殺した。


『とりあえず敵にはこの力は使えそうだ。5年前、フランクとアヴァリスにこの力を使うべきだった。この力を生かして、我が師匠カルロ・クロノスの仇を取るため我が父ロバート・ガラミティ率いるガラミティ一家を潰す』


 このように呟くと、


「フフフフフフフフフフ…。フハハハハハハハハハ!ハハハハハハハハハハハハハハハ!」


 大きな高笑いが街中に広がった。



 その頃、ガラミティ一家では、ロバートが妻のルシーアを始め、他の仲間達と話し合いをしていた。


「私達はマフィアとして全国的、いや全世界に名が知られた。警察も諦めるほどだ」


「クロノスファミリーを壊滅させ、更にリチシアのドロフィーファミリーと手を組んだのだから」


「反ベイリーカの本気を私達が見せつけたのだから。これで親ベイリーカのマフィアやテロリストとか一般人に政治家はどういう反応をするかだわね」


「とにかく、次の相手がどのような相手なのかはわからない。私達は抗争を引き起こしたと恐れられ、他のマフィア、政府、警察、もしくは一般人からも攻撃されるのかもしれない。万が一攻撃を受ければたとえ一般人でも殺せ。ガランク政権の支持者もだ。逆らう者は皆殺しだ」


「御意」


 ロバートはメンバー全員にこう命令した。


「アルバート」


「はっ」


「アヴァリスにもこの事を連絡しろ」


「御意」


 アルバートがアヴァリスに連絡をしようと携帯で電話をかけたが、


プルルルル! プルルルル!


「ボス。アヴァリスに連絡がつきません」


「なんだと?アイツ、まさか何者かに攻撃されたのか?」


「わかりません。でも確かに連絡がつかないのです」


「もう良い。アヴァリスは攻撃を受け死んだ者とする。お前達もいずれそうなる覚悟を持っておけ」


「御意」


『簡単に殺されおって。そんな奴は仲間じゃない。弱い者だ。弱けりゃ切り捨てる。これがマフィアという者だ』

 


 一方、マックスは、ガラミティ一家の一人を倒し、夜になったので孤児院に帰る途中だった。夜の街中は賑やかで人通りも多い道を歩いていた。しばらく歩いていると、何やら気になる光景があった。


「あれは?…まさか!?」


 マックスは驚き、慌てていた。


 なんと、赤レンガのレトロビルの壁にマックスと同じくらいの年頃の金髪の美少女が倒れており、苦しそうにしていた。


「おい!大丈夫か?返事はできるか?」


「ハァ……ハァ……ハァ……」


「失礼する」


 少女のおでこに触れると、


「ひどい熱だ」


『俺は、この子を無事に助けられるのか。それとも助けられずに終わるのか?無事に終われるのか?

カルロも!この子も!』


 マックスは少女をおぶって自身の孤児院に走って連れて行った。


バタンッ!


「ただいま戻りました!この子の手当を頼みます!」


「マックス。外で何してたの?この子は?」


孤児院のスタッフがマックスに声をかけた。


「何をしてたのかは後にして下さい!道端で倒れていて今具合が悪くて連れて帰ってきました。手当を頼みます!」


「わかったわ」


 マックスと孤児院のスタッフは少女をマックスの部屋に連れてベッドに寝かせて少女を看病した。


保健室から薬などを持ってきて少女を一生懸命に手当をした。


「これを飲んで」


「…」


 少女は無言のまま薬を飲んだ。


『このまま安静にしていれば治るかもしれない』


マックスはこう呟いた。





 翌日の朝、少女はマックスの孤児院で目を覚ました。


「私は…確かビルの下で倒れていたんじゃ?」


 少女は、床に敷いてある布団で寝ているマックスの方を見ていた。


『あの人が助けてくれたのかしら』


少女はこう呟いた。


 しばらくして、マックスも目を覚ました。


「いつの間に寝てしまったな…」


寝起き状態で口にした。


「あなたが助けてくれたの?」


少女に聞かれると、マックスは起きたばかりで眠たそうにこう言った。


「ああ…。そうだ…。ビルの前で倒れていたら、放っておけないからな」


「そう…。ありがとう…」


 少女は元気がなさそうに言った。


「俺はマックス。マフィアだ。名前は何ていう?」


 マックスはそう質問すると、


「私はロザリア。私もマフィアよ」


と少女は答えた。


「ロザリア。お前はなぜあのビルの前で倒れていたんだ?」


 ロザリアは、マックスから質問され、このように答えた。


「お父様の命令で任務に就いていた。任務が完了しなければ戻ってくるなと。私は具合が悪いまま任務に着かされていたわ。当然まだ任務は完了していなかった。寒い中気が付けば夜になっていて頭がクラクラしていて倒れてしまったの。

私は、お父様からはひどく扱われ、唯一お母様が私の事を気にかけてくれた」


「…!」


「お父様はマフィアボスで、厳格な人だった。いつも私にはきつい口調で怒鳴り、鞭で打ったり、更には殴り、蹴られたりもしたわ」


「…酷すぎる…」


「私を気にかけてくれたお母様は私が7歳の頃に亡くなり、頼れる人が私にはいなかった。お父様の恐怖政治に耐えられる以外他にはなかった」


「俺も同じだ」


 マックスもロザリアから聞いた話で自分の過去と似ていると感じた。


「あなたはどうだったの?」


「俺も父上と母上から酷い仕打ちを受けて育った。更には頼れる相手だった師匠も父上に殺されたからな」


「あなたも私と似ているわね」


少し笑った表情になった。



「そうだな。俺は師匠を殺した父上を倒すためにあるマフィア集団を復活させる予定さ」


「あるマフィア集団?」


「クロノスファミリーさ」


「クロノスって確かガラミティに壊滅させられた…」


「そうだ。俺の親父はロバート・ガラミティ。だが俺は捨てられた」


「酷い…」


「親に捨てられたところを拾ったのがカルロ・クロノスだった。カルロは意外にまともな人だった。そのカルロが親父に殺された」


「まともな人ほどこの世からいなくなる…。なんて理不尽なのでしょう…」


「ところで、お前はこれからどうするんだ?」


 そう聞かれて、少し嫌そうな表情になった。


「わからない…。だけどニ度とお父様の所には戻りたくない」


「そうか。ならしばらくはこの孤児院で暮らすしかないかもな。行き場がないのであれば」


「…」



 数日後、ロザリアは孤児院の入所手続きを行い、入所した。行き場が決まるまではしばらく孤児院で暮らす事を決めたのであった。

 



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