表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
優しいだけの嘘つきは今日もラブコメを演じる ~幼馴染、義妹、婚約者、金髪碧眼、親友に迫られてます! 俺? ごくごく普通の陰キャモブですが……【第一章完結】  作者: なつの夕凪
~第一章 堕天使遊戯編~

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

278/281

第263羽♡ 終わりと始まり


 ――時は遡ること7月31日、午後11時22分。


 波乱続きの第32回非公式生徒会WEBミーティング終了後、

 副会長と新会長が残り、ふたりだけのミーティングを行っていた。


「会長、就任早々お疲れさまでした」

「ありがとうございます、副会長も」

 

「今後忙しくなると思いますが、引き続きお願いします」

「いえ、こちらこそ」

 

「火中の栗を拾うようなものですからね」


「そうですね。我々には敵が多すぎます。緒方霞以外にも、第三新聞部、三条院や彩櫻のグループ、それに時任蓮司、数え始めたらきりがありません。そして内部の不満がかなり溜まってますね」

 

「えぇ、前会長はよく頑張りましたが、ここらが限界でした」

「元々、彼女は今日までの予定でした。無理をさせ過ぎてしまったと思います」

 

「今回のこともあり、役員も今は半信半疑です」


「非公式生徒会内部に天使がいたこと……役者と脚本家が同じなら、舞台を準備する側が戸惑うのも当然です」


「そして、あなたも天使だ」

「はい、ですが深い意味はありません……さて、終わりと始まりの天使メールを準備しましょう」


「……かしこまりました」

「今日じゃなくても構いませんよ。あなたもお忙しいでしょうし、明日の件で」


「私がいなくても、彼女たちが頑張ってくれるでしょう」

「頼もしいですね。こっそり覗きに行こうと思ってます」


「かまいませんが、くれぐれも気を付けて」

「ただの高校生として行くだけです。何ら問題はありませんよ」


「そうですね、では」

「はい、おやすみなさい」


 WEBミーティングアプリは、それぞれ退出済みとなった。



 ◇



 ――翌8月1日、午後11時58分。

 

 誰にも知られずに、一通のメールが送信された。

 差出人は、存在しないはずの“非公式生徒会”。


 件名は、たったひと言──「天使メール(八月一日)」


------------


 From:sdfkbbc244tt8g4eeytk_epl@zfgkuiy45.ru.bigining

 To:(緒方霞のメールアドレス)


 Subject:天使メール(八月一日)


 こんばんは緒方霞


 こちらは白花学園高等部非公式生徒会です。


 七月三十一日をもちまして、堕天使遊戯が終わったことを宣言します。


・癒しの天使 宮姫すず  獲得ポイント:-5 総合ポイント:-47 総評:もっと頑張りましょう 

・櫻花の天使 赤城さくら 獲得ポイント:-5 総合ポイント:-98 総評:もっと頑張りましょう 

・気ままな天使 高山莉菜 獲得ポイント:-5 総合ポイント:+72 総評:素晴らしい

・月明かりの天使 望月楓 獲得ポイント:-5 総合ポイント:-78 総評:もっと頑張りましょう

・放課後の天使 前園凛 獲得ポイント:-5 総合ポイント:+76 総評:素晴らしい


 総評:もっと頑張りましょう

 判定:落第

 

 本日のワンポイントアドバイス:五人同時に告白は非常識です。もっと女の子ことを考えましょう。




 ♡堕天使戯曲 開幕のお知らせ♡

 

 九月一日より、堕天使戯曲を開幕します。

 緒方霞と天使同盟十二翼は、強制参加となります。

 

 詳細は追って連絡します。

 

 また、堕天使戯曲開幕に伴い、一部ルールが変更となります。

 

 緒方霞は癒しの天使、櫻花の天使、気ままな天使、月明かりの天使、放課後の天使と協力して堕天使戯曲を演じてください。

 

 戯曲が美しい旋律を奏でれば、セカイはあなたたちを祝福するでしょう。


 目標が達せられない場合、あなたは大切なものを失います。

 それでは楽しい学園ライフを!

 

 ※このメールは自動生成されています。

 本メールに関するお問い合わせは受け付けておりません。


------------





 ……遠くで、何かが聞こえた気がした。


「○△、まだ起きてたの? 明日も早いから早く寝なさい」

「ごめんね、×△。軽くストレッチしてから寝るよ」


「そう、あまり遅くならないようにね、おやすみなさい」

「うん、おやすみ」


 ドアの閉まる音が、静かに部屋に響いた。


 これが、堕天使遊戯の終わりであり、

 同時に──堕天使戯曲の、静かな開幕だった。





 

         ~~第一章 堕天使遊戯編 終幕~~


お越しいただき誠にありがとうございます。


本日夜にあとがきと番外編2話を投稿後、完結フラグを立てる予定です。

ぜひ最後までお付き合いください!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
なつの夕凪の作品
新着更新順
ポイントが高い順
☆バナー作成 コロン様★
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ