表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
優しいだけの嘘つきは今日もラブコメを演じる ~幼馴染、義妹、婚約者、金髪碧眼、親友に迫られてます! 俺? ごくごく普通の陰キャモブですが……  作者: なつの夕凪
~第一章 天使同盟編~

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

260/265

第246羽♡ 緒方霞バースーディ


 ――7月31日、月曜日、午前0時。


 俺は16度目の誕生日を迎えた。

 

 ……特別な感慨はない。

 

 来るべき日がついに来ただけだ。


 親父と母さんと3人で誕生日を迎えたのは、6歳の時が最後だ。

 

 リナの家で暮らすようになってからは、毎年7月31日に、俺の好きなおかずを沢山作ってもらえたし、去年も楓と加恋さんが、ホイップいっぱいの手作りケーキを作ってくれた。

 

 何だかんだで、恵まれていたと思う。

 

 出会いと別れが多く、つらいことも沢山あったけど。

 

 0時を回った頃、スマホにはそれぞれメールとRIMEメッセージが届いていた。

 

 RIMEは親父からだった。

 

 『16歳の誕生日おめでとう、たまには莉菜ちゃんと3人で飯でも食べに行こう』

 

 (……俺やリナはいつでもいいけど、部屋から出てこないのはどこの誰だよ?)


 (もう若くないんだから、たまには外で運動して体力作りでもしたほうがいいぞ)

 

 ……って、気楽に言えればいいのに。

 

 6年間離れて暮らしてたことをまだ気にしているのかな。

 

 俺は高山家で、かわいい妹もできて幸せな日々を過ごした。


 だけど人付き合いがヘタクソなのは親父譲りだと思う。

 似たくないところが似ているから困る。

 

 男同士は難しい。

 素直に寂しいって言いづらいから。


 母さんのことは、もうほとんど覚えていない。

 優しい人だったなと思うくらい。


 忘れてはいけないことをこれまで沢山忘れてきた。


 だけど、代わりに色んな人に出会い、多くのことを学んできた。

 

 非公式生徒会が誰かわからなくても、今なら立ち向かえる。

  

 RIMEを閉じて、次に受信したメールを確認する。


 差出人は他でもない、非公式生徒会だった。

 


------------



 From:jgbcababc244tt8ghytke_bo@tgbhj45.ku.endmg



 To:XXXXXXXXXXXXXXXXX



 Subject:天使メール(七月三十日)


 こんばんは緒方霞


 こちらは白花学園高等部非公式生徒会です。


 昨日の堕天使遊戯判定結果をお送りします。

 

・癒しの天使 宮姫すず  獲得ポイント:+3 総合ポイント:-42 総評:もっと頑張りましょう 


・櫻花の天使 赤城さくら 獲得ポイント:-4 総合ポイント:-93 総評:もっと頑張りましょう 


・気ままな天使 高山莉菜 獲得ポイント:+2 総合ポイント:+72 総評:素晴らしい


・月明かりの天使 望月楓 獲得ポイント:+4 総合ポイント:-73 総評:もっと頑張りましょう


・放課後の天使 前園凛 獲得ポイント:-2 総合ポイント:+81 総評:素晴らしい


 総合判定結果:もっと頑張りましょう


 本日のワンポイントアドバイス:女の子は日々変化します。些細なことでも見逃さないように気を付けましょう。

 

 七月三十一日中に白花学園で必ずあなたの愛する天使に告白してください。


 セカイはあなたたちを祝福するでしょう。


 目標が達せられない場合、あなたは大切なものを失います。


 それでは楽しい学園ライフを!


 ※このメールは癒しの天使を含め、第三者に見せることを禁じます。


------------



 今日、7月31日は堕天使遊戯の最終日になる。

 

 俺は天使同盟五翼のうちの誰かに、告白しなければならない。

 

 この胡散臭い総合ポイントの通りなら、宮姫、さくら、楓は絶望的。

 可能性があるのがリナと前園だけ。

 

 獲得ポイントはここのところ、横ばいに近い。

 

 当てにならないと思いたいが、納得できるところがあるのも事実だ。

 

 例えば、昨日さくらの獲得ポイントが低いのは、先ほどのビデオ通話で機嫌が悪かったところを考えても合点がいく。


 非公式生徒会は今日もどこかで俺たちを見ていたから、この評価が出せる。


 俺は今日、誰かに告白する。


 できればフラれたくないが、今は気にしても仕方ない。

 

 告白は午前11時、白花学園第二校舎屋上だ。

 

 でもその前に、()()()に会わなければならない。

 

 いつものあの場所で、俺を待っているだろう

 

 「だからさ……待っててね……ちゃん」

 

 ……疲れのせいか、意識が勝手に遠のいていく。

 

 (目覚ましは大丈夫だよ……な?)

 

 手の中にあるスマホをもう一度確認する間もなく、意識は暗闇の中に落ちていく……まだ、やり残したことがあるのに……

 


お越しいただき誠にありがとうございます。


お時間がございましたら「ブックマーク」「いいね」「評価」「誤字修正」「感想」「ご意見」など頂けましたら幸いです。


一言でも「ここ好き」などあれば、ぜひ教えてください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
なつの夕凪の作品
新着更新順
ポイントが高い順
☆バナー作成 コロン様★
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ