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優しいだけの嘘つきは今日もラブコメを演じる ~幼馴染、義妹、婚約者、金髪碧眼、親友に迫られてます! 俺? ごくごく普通の陰キャモブですが……  作者: なつの夕凪
~第一章 天使同盟編~

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第204羽♡ ガチな楓さんの世界一どうでもいい事件簿(上)

 

 「緒方君今すぐ爆発四散するか、オリオン大星雲にただ一人で移住して」

 

 宮姫にはさっきも似たような事を言われた気がする。

 オリオン大星雲は地球から何光年離れているの?

 

 そもそもどうやってオリオン大星雲に行くの?

 宇宙に向かって交信してUFOをヒッチハイクするとか?

  

 「発情したカスミ君には激痛が伴うしつけが必要かしら?」

 

 Dearマイ・ハニーさくらたーーん!

 親しき中でも礼儀あり、物理攻撃はNGだと思います。

 やめてぇーーー!!

  

 「カスミ……さすがにやっていいことのラインを超えているよ」

 「ちょっと待て楓、俺Tueeeゲームを主導したのは俺じゃないから!」

 

 リビングにくじ引きの入ったティッシュ箱を残していたため昨晩、俺Tueeeゲームと言う名の過激なゲームをやったことがバレた。

 

 せっかく朝チュン疑惑騒動から抜け出せたのに、今度は別の理由でさくら達に絞られている。

 

 ……しくしく。

 どうしていつもこうなるの?

 

 「女の子が股間に潜むゲテモノなんて見たがる訳がない。ド変態緒方君が無茶苦茶なゲームを利用して見せつけようとした。これが真相だね」

 

 「宮姫だから違うって!」

 

 「皆落ち着いて聞いてくれ、このゲームを作ったのはオレと妹ちゃんだよ、でも好きな食べ物を答えるとか普通の命令カードしかなかったはずで、いつの間にかに過激な命令カードが追加されてた。当然オレ達も戸惑ったけど、言いだしっぺだから途中で止めずらくて」

 

 「大罪人緒方君、一刻も早く自首して、残りの生涯は塀の中で生きて」

 

 「ちょっと待て宮姫、俺は何の罪も犯してないから!」

 

 「ゲームを始める前に兄ちゃんはわたしたちの作ったカードをチェックしたのだ。その時は大丈夫って言ってたよね?」

 

 「あぁ、前園の言う通りゲーム序盤は普通の命令カードしか出なかった。過激な命令カードばかり出るようになったのは途中からだ」


 リナが一枚目のスキルSカードを引いたあたりから。

 

 ゲーム中に俺は一度も離席していない。

 俺の目を盗んで、ふたりのどちらかが命令カードを追加するのは難しい。

 

 では誰がどうやってティッシュ箱に追加の命令カードを入れた?

  

 「命令カードは全てPC(パソコン)かタブレット端末の文書作成アプリで書いたものをプリンターで印刷したんだね。手書きの文字じゃないから筆跡から犯人を特定することは不可能。過激な命令カードも普通のカードも同じコピー用紙を使っている。命令カードを作ったのは全て同じPCだった可能性が高いかな、ところで凛ちゃんとリナちゃんがカードを作っている時にカスミは何をしていたの?」


 「多分、宮姫を家に送っていた頃じゃないかな」

 「凛ちゃんリナちゃん、カスミの言う通りでいい?」

 

 「あぁ楓」

 「うん、合っているのだ」


 「じゃあ、すずちゃんを送った後は?」

 「お風呂に入って洗濯した後にゲームをやろうって話になって、その時初めて俺Tueeeゲームを知った」

 

 「つまりカスミ君には愚劣で卑怯な野望があっても、空いている時間がないから命令カードを作るのは無理だったということね望月さん」

 

 「うん、そうだね赤城さん」

 「俺に愚劣で卑怯な野望なんてないから!」

 

 「命令カードを作ったのは昨日じゃなくて元々この家にあったってことはないかな? もしそうなら緒方君にも犯人の可能性が出て来るけど」

 

 「宮姫、俺はやってない」

 「ミステリードラマでは大抵の犯人は、そう言うよね」

 

 「だから違うって!」

 

 「すずすけ、緒方にはゲームを始める寸前まで説明してなかったし、事前に準備をするのは無理だよ」

 

 「でも緒方君なら持ち前の変態妄想力を発揮して、ありとあらゆる怪しいゲームに備えていた可能性もあるよ」

 

 「それはありえるわね」

 「兄ちゃんならありえるのだ」


 宮姫のトンデモ理論にさくらとリナが同意する。

 

 「いや、いくら何でも無理があるだろ!!」

 

 ねぇ宮姫さん、何が何でも俺のこと変態にしたいの?

 これでも俺は幼馴染だよ?

 今日はいつにも増して塩対応過ぎるよ!

 粗塩対応半端ないよ!


 「凛ちゃんとリナちゃんで命令カードを作っていた時、どちらかが席を外したことは?」

 

 楓の質問は続く。

 どうやらやる気スイッチが入ったらしい、事件解決に積極的だ。 


 「はっきりと憶えてないけど飲み物を取りに行ったり、トイレに行ったりで互いに席を外したことはあったけど、オレも妹ちゃんも五分以上は席を外したのはないかな」

 

 「離席している間の短時間で複数の命令カードを作るのはちょっと難しいね」


 楓は指を組み再び思考を巡らす。

 恐らく俺達の発言を一から頭の中で再生し、矛盾点を探しているのだろう。

 

 「ねぇ……凛ちゃんもわたしも兄ちゃんにムフフな命令をされる前に俺Tueeeゲームはなし崩しで終わっちゃったから皆が心配するような事はなかったよ、だから犯人捜しはもう止めない?」

 

 「そうね……不届き者がいたのは感心しないけど、未遂で終わったのならこれ以上粗探しをするのは不毛、でも誤解される様なゲームをしたことは反省して欲しいわ」


 「うぅ……わかったのだ、ごめんなさい」

 「悪いな皆……反省する」


 「カスミ君もそれでいいかしら?」

 「あぁ……すみませんでした」

 

 さくらが落としどころを提示し、この件は終わりにすることとした。もちろん犯人ではない俺はすっきりしないところがある。だからと言ってこれ以上長引かせたくもない。

 

 こうして俺Tueeeゲーム事件の真相はお蔵入りになるはずだった。

 

 ところが……


 「皆待って」

 「どうした楓?」

 

 「真実に辿り着いたかも、まずこの事件の犯人だけど……」

 

 スイッチが入ったままの楓は安楽椅子探偵のように静かに語る。


 果たして事件の真実は如何に……って気にしている人いるのか?!


お越しいただき誠にありがとうございます。


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 少しの油断が命取り。 >どうしていつもこうなるの?  仕方ないとしか言いようがないです……。  皆に優しい弊害なのかもしれませんね。  普段は言えないつらさが形を変えているだけのようにも見えますから…
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