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イサム、旅立ちます!

 それから7年が経ち10歳になりました。これまでの七年間でいろいろわかりました。まずここは対魔物の前線基地であるということ。しかも最強のオーガ種であるタイラントオーガのナワバリの近くだそうです。過去に何度も著名な戦士や魔法使いが討伐に行きましたが、全員帰ってこなかったそうです。そこで国は僕たちみたいな子供たちをオチビトとして集めて訓練させて討伐に向かわせることにしたそうです。ちなみにオチビトは奴隷売買が禁止されてるこの国での隠語でした。普通に奴隷です。そして僕たちはぶっちゃけ生贄です。タイラントオーガとはこの貢物を送ることで国と不可侵を結んでいるみたいです。では何故訓練するのかというと、不可侵とはいいつつも国はタイラントオーガに消え去って欲しいのです。そこで子供たちが万が一でも勝てるために訓練するそうです。負けても餌になるので、まさに死人に口なしですね。そして今日がその旅立ちの日です。


名前 136号

年齢 10才

力 E

体力 B

魔力 G

速さ F

賢さ E

幸運 D


スキル 拳の友情 拳の忍耐 

称号 異世界人 拳伝道師 殴られ屋 拳フレンズ


 ステータスは体力が上がった以外ほとんどクソ雑魚ステータスのままです。世知辛いですね。あと拳フレンドは僕のスキル拳の友情で落ちた人が10人を超えた時に発現しました。なんでも友情度が上がりやすくなるみたいです。なんで殴られ続けなければ発言しない拳の友情で落ちた人がこんなにいるのかと言うと、今隣にいるニーサが原因です。あの頃はあんなに可愛かったのに今ではこれから討伐にいくタイラントオーガより怖い鬼です。


 きっかけは僕が僕のスキルについて説明した6歳のあの日からでした。


「ニーサ、君にだけ話しておきたいことがあるんだ。」


「なぁにイサム?」


「僕のスキルについてなんだけど、、」


そう言い僕のスキルのこととオバザが優しくなったことについて説明しました。ニーサーはなんだか合点がいったような顔をしてこう言いました。


「そうだったんだぁ。じゃあ私のスキルでイサムにヘイトを向けたらこの施設を乗っ取れるじゃん!」


「え、ちょっヘイトって、ニーサのスキルって何?」


「私のスキルはねぇ移し替えってスキルだよ。私に向けられた感情を他の人に移し替えることができるんだ。だから私が問題起こして、イサムが殴られる。イサムって最近オバザが守ってるから全然殴られてないよね。だから私が殴られるようにしてあげるね!」


「いや、僕殴られたくないんですが。」


「これは決定事項だよ。」


とニーサは邪悪な笑みを浮かべました。


それからは宣言通りニーサが教官のヘイトを集めて何故か僕が殴られるという地獄のサイクルが続いたことで施設のみんなが優しくなりました。ニーサは殴られてる僕をみて爆笑してました。あの時のニーサはどこへ。


魔物たちの巣食う森との境界線に僕たちは集まりました。そして最後の言葉を教官たちがかけていきます。


「イサムゥ、なんとか俺たちもこのくそったれな生贄を何とかできないか頑張ったが無理みたいだ。ほんとにごめんよぉ。だけどなタイラントオーガは話が通じるみたいだからなんとかなかなるかもしれない。でも喰われそうになったら逃げろよ。ほんとごめんなぁ。」


そう言いながらオバザを含め教官たちはぼろぼろ泣いています。


「ええ、できるだけ何とかしてみますよ。オバザたちのお陰でみんなも強くなりましたからね。」


「最後に、抱きしめてもいいか。」


泣きながらオバザがいいます。


「もちろんですよ。」


オバザにぎゅっと抱きしめられる。長いこと抱きしめられた後、重厚な扉が開きます。


これから僕たちはタイラントオーガとの戦いに向かいます。


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