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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

神様が、いる。

作者: 名無しの金平糖

とある死刑囚の記録


────────1日目─────────

コツ…コツ…コツ…コツ…コツ…コツ…コツ…

「ああ、今日も歩いてる…」「当たり前さ。だって神様だから」「にしてもなんで廊下なんかにいるんだろうな」「そりゃ俺たちのためよ」「そうですよ。偉大なる神様が私たちを守ってくださってるのですから感謝しなきゃダメですよ。」「全くその通り!儂らなんかのために…ありがたいとじゃ…」「にしてもなんで神様はこんな所に連れてきたんだ?」「きっとてんごく?って所に連れてってくれるんだよ!」そうに違いないと話が多いに盛りあがったまま眠りに着いた。

────────2日目─────────

コツ…コツ…コツ…コツ…コツ…コツ…コツ…

「今日も廊下を見回ってくれてるよ。」「いやはや、神様は働き者だなぁ。」「確かに」

「なんだか嬉しいなぁ、俺達のためにここまでしてくれるなんて。」「そうですねぇ…なんとお礼をすれば喜んでくれますかねぇ…」

「きっと儂らが大人しくお勤めを全うするのが神様にとって喜ぶんじゃなかろうか?」

「それがいいや!」「明日も神様のためにお勤め頑張るぞー!」

「「「「「「「「おー!」」」」」」」」

神様への感謝を感じつつ全力でお礼をするために明日へ備えて眠りに着いた。

------------------3日目------------------

コツ…コツ…コツ…コツ…コツ…コツ…コツ…

「にしても神様って奥さんいるのかなぁ?」

「いるんじゃないか?神様ほど立派な方ならすりよってくる女は山ほどいるだろうよ。」

「いやはや、神様は大変罪なお方ですよ」

「ガッハッハッ!やはりモテる男という言葉は神様によく似合いますなぁ!」「やっぱすごいや!神様って!」「きっとお顔は、とてもハンサムに違いない!」「女性にもモテて優しくて金も地位もあるなんて…本当に羨ましいよ!」みんなで頷き合いながら眠りに着いた。

------------------4日目-------------------

コツ…コツ…コツ…コツ…コツ…コツ…コツ…

「神様の子どもってどんな感じなんだろうなぁ?」「うーん…やはり神様に似てハンサムで優しい子なのでは?」「ふぅむ…そもそも男の子なのかの?女の子なのかのぉ…儂もここには長くいるが、どちらかは分からないのぉ…」「どちらにせよきっと良い子に違いないよ!」「うんうん!とてもじゃないけど神様には叶わないや!」と神様の子供のことに付いてひとしきり盛りあがったところで眠りに着いた。

------------------5日目-------------------

コツ…コツ…コツ…コツ…コツ…コツ…コツ…

「何か…おかしくないか?」「どういう事でしょう?」「気のせいじゃないのか?儂は特に何も感じなかったが…」「ぼくもー」「同じく」言いようのない不気味さを感じたがこんな事を言うのは神様はお望みじゃないという結論に至り眠りに着くことにした。

-------------------6日目------------------

コツ…コツ…コツ…コツ…コツ…コツ…コツ…

「………………おい。やっぱおかしいって」

「えぇ…おかしいですよ。目に見えて"減って"います。」「いや、でも儂はここにいて長いから分かるのじゃが…定期的にこのような事があったのじゃから問題は無いはずじゃが…」「長老が言ってるんだからだいじょーぶだよ!」みんなはそうかそうかと頷きまた神様の話をして眠る事にした。

------------------7日目------------------

コツ…コツ…コツ…コツ…コツ…コツ…コツ…

「…外どうなってるのかなぁ」「気になりますねぇ…なんせここ窓もテレビも無いですよねぇ…」「まぁ、神様からご飯と儂らが話せるだけありがたいじゃろう?」何故か不安になりながら神様の話をして眠りに着いた。

------------------8日目------------------

コツ…コツ…コツ…コツ…コツ…コツ…コツ…

「…………おい。気づいてんだろ?やっぱりおかしすぎる。お前と2人だけなんて言うのはよ」

「えぇ、おかしいです。前までなら神様について語り合った方たちは私と貴方と合わせて"9人"いたはずです。長老は何回かあったと言ってましたが、私たちと一緒に入った筈なんですよ。」

「つまり?」

「減っていってるというのはこれまでに無かったわけです。」

「長老が嘘を付いていたと?」

「いいえ、長老はボケていたので勝手にそういう事にしたんでしょう。」

「なるほどな…なんだか俺怖くなってきたよ。」

「えぇ、私もですよ。」

そうして俺達は眠りに着いた。

───────────────────

コツ…コツ…コツ…コツ…コツ…コツ…コツ…

ガチャ

「おい。30050番嘉山 雄三出ろ。」

「ひっ……か、神様?」

「………あぁ、執行者という名のな。」

「執行者?」

「詳しい事は知らなくていい。とりあえずこれを被れ」

そう言うと、どこかに連れていかれた。

一時間ほどたったと思う。

訳も分からずに、椅子に座らされ布を取られると、執行者と名乗るものはおらず目の前の黒いガラスに拘束されている俺の姿が見えた。するとどこからともなく執行者を名乗る男の声が聞こえた。

「お前は最期に、1人の時間を9日間欲しいと言ったな?感想はどうだった?」

「お、俺はそんなこと言っていない!第一お前は誰だ!」

「知らなくていい事だ。さて、準備を始めるとしようか。」

「準備?」

するとドアが開き先端が丸くなっている縄が括り付けられている台が来た。その時点で、自分は何をしたのか、なぜここにいるのかを思い出した。

「その顔は…思い出したようだね。」

「や、やめて、、、いやだ、、、いやだ、、、」

「後悔してももう遅い。」

俺は、力が抜けたように立ち上がり、一つだけ塗装が違う床の上に立ち丸くなった紐に首を入れた。その時に

「おっと、忘れてた。いま君には"何人"いるんだい?」

「一人です…」

力無く答えた直後床が落ち、首に全体重がかかり、少しでもこの苦しみから逃れようと暴れるものの、抵抗虚しくこの嘉山という男の人生は幕をとじた。

--------------嘉山死亡直後---------------

「はぁ…犯罪者とはいえ人の命を奪うとなると気が滅入りますね…」

「まぁ、その罪悪感から逃れるために3つもボタンがあるのですが……ねぇ?」

「こんなもので人を殺した罪悪感なんで薄れるものじゃないですけどね。」


3人の執行者達は、大きくため息を吐くと、部屋を出て行きまた、いつもの廊下を歩いて行った。



コツ…コツ…コツ…コツ…コツ…コツ…コツ…




------------------後日-------------------あるニュースにて、

「第三小学校体育館毒ガス事件の犯人である嘉山雄三の死刑が昨日未明に行われたという事が明らかになりました。この事件は、犯人である当時38歳の嘉山氏が第三小学校の体育館に毒ガスを垂れ流し、生徒200名教師20名が亡くなった事件で、当初嘉山氏は多重人格であるため刑事責任能力が無いと言う事で裁判を起こしましたが、結果は認められず死刑ということになりました」

……

………

…………おしまい

初めての小説&投稿です。

至らないところも多々あると思います。

生暖かい目で見てやってください

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