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運命の転生劇 ~乙女ゲームの世界へようこそ~  作者: 無乃海
第二幕 『乙女ゲームが始まる一歩手前』 編
22/117

19話 もう1人の幼馴染

 いつも通り、主人公視点です。


あれから時間が経っています。今回はまだ未登場で、のちに主人公に関わりそうな人物の一部が、主人公によって語られています。


※愈々、今回から第二幕開始です。第二幕は第19話~となります。

 第二幕もよろしくお願いします。

 エイジとは幼馴染とは言え、リナの婚約者なのですから、本来でしたらわたくしは、エイジとは距離を取るべきでしょう。しかし、リナとも幼馴染のわたくしは、リナにくっ付いて来られるエイジを、お家柄からして完全無視する訳にもいきませんのよ。リナの為に、お相手しておりますだけですわ。ですから、今までに、エイジと2人だけでお会いすることは、ございません。わたくしとエイジの関係性は、()()()()()()()()()()()()()なのですわ。


ただ…エイジはリナと違い、婚約者であるリナを大切にしているという雰囲気は、今のところ見られませんわね。親に勝手に決められた婚約者としか、見られておられないのでしょう。幼馴染として、見ておられるぐらいなのでしょうね。

まあ、仕方ありませんわ。エイジはまだ…お子ちゃまなのでしょうから。

初恋なども、当分先のことでしょう。


エイジは今現在、騎士になることに夢中になっていらっしゃいますのよ。

この世界の子供達は、大人っぽい子供達なのか、若しくは脳筋っぽい子供なのか、どちらか両極端に分かれますかしらね。それにはこの時代背景が、多大な影響を与えていると思われます。前世のように、子供は子供らしく振舞えるような、時代背景であれば、きっと子供らしく考えたり、振舞ったりできるのでしょう。

まあ…例外的に、わたくしのように前世から、子供らしくない子供も一部おりますけれども。前世のわたくしは、会社を経営する父を助けたいと言う気持ちが強く、また…特殊な環境でしたのよ。


抑々、エイジとトキ様は正反対のタイプですし、トキ様は大人っぽい頭脳派タイプですが、エイジは完全に脳筋タイプですわね。騎士になる為の体力づくりならば、喜んで運動されるご様子でも、お部屋の中でのお勉強になりますと、嫌々されるご様子なのだとか…。気分が乗らない時は、家中を逃げ惑われるそうですわ。

それが、月に2~3回程はあるのだとか。


これらの情報は、全てリナからの()()()()()()()()情報なのですわ。リナから会う度に、エイジの愚痴を零されるものですから、嫌でも詳しくなってしまいますわ。婚約者抜きにしましても、エイジのお相手などは、おっとりとしたリナぐらいにしか出来ない、と思っておりましてよ。わたくしでしたら…ご遠慮したいですわ。


そのようなお2人なのですが、容姿的にも外聞的にも、まあまあお似合いのお2人だと思いますのよ。性格的な相性なども、意外と合うのではないかしら?

エイジが怒っているような時は、リナはおっとりと宥めたりされておりますし、滅多に怒らないようなリナが、本気で怒るような時には、エイジが大人しくなっておられますから、案外と良いカップルになりそうですのよ。


後は、今後のお2人のお気持ち次第でしょうね。エイジが心から、リナを婚約者と認めて接するようになるのか、それとも、リナ以外の他の女性と恋に落ちるのか、若しくは、リナが他の男性と婚約を望まれ、結果的にエイジと婚約を解消したいと願うのかは、全てお2人の今後の対応で、関係性が変わって行くのでしょうね。

わたくしは何時でもリナの味方でして、もしもエイジがリナを裏切るならば、わたくしは絶対に許しませんことよ。リナがエイジに()()()()()()()というならば、彼女の為にも…わたくしは全力でもって尽力したい、と思っておりますのよ。


エイジがわたくしに対して、どのように思ってくださっているのかは、わたくしには想像もつきません。リナと同じく、ただの幼馴染と思っておられるのかもしれませんが、別にどのように思われていても、わたくしには関係ございません。

わたくしの立場から言わせていただくと、エイジのことは幼馴染(イコール)お友達という程度ですのよ。物心がついた頃には、エイジはリナの婚約者として認識しておりましたし、エイジのことはリナの(つい)でというぐらいに、認識しておりますわ。






    ****************************






 「まさか…エイジまでとは……ね。それで…本人は、何て言ってるの?」

 「それが…エイジは、あまり気にしていないようでして、ご自分で気が付いた訳ではないようでしたわ。婚約者でもあるリナが、最近のエイジの言動に疑問を持たれたようなのです。リナが気が付きませんでしたら、エイジのことですから、一生気が付かれなかった…ということもあり得ますかしら?」

 「…えっ?!…自分自身のことなのに、彼は…全く気が付いていなかったの?…それは酷いね…。まあ、エイジらしいかな?」


今日はとても良いお天気ですので、アルバーニ侯爵家の庭園にてお茶会をしております。本日ご招待したのは、トキ様お1人だけですのよ。何しろ、トキ様にご報告しなければならない、重大なお話があったのですもの。主に、幼馴染のエイジのことですが。同じ年での幼馴染は、リナとエイジだけではございますが、わたくしの婚約者であるトキ様や、エイジの兄であるリョー様も、わたくしの年上の幼馴染ということになりますかしら。反対に年下の幼馴染でしたら、トキ様の妹君であるユイ様も、そういうことになりますのよ。これはわたくしだけではなく、他の方々の幼馴染にも兄弟姉妹が多いのです。これは、この世界の状況も大いに関係しておりまして、前世と比べましたら、()()()()()()()という事情と言えましょう。


リナがわたくしと同じく転生者であり、日本人であったと知りましてから、あっという間に2年の月日が経ちました。その間に、わたくしには弟が生まれておりますのよ。弟は、4月末頃に生まれました。この国を含めこの世界では、誕生日という考えがありません。生まれた月は記録されていても、何月何日に生まれたとする習慣がなく、家族でさえ明確に覚えておりません。お誕生会もその生まれた月にすれば良い、と軽く考えられておりますし、何日生まれかは重要ではないのです。


この世界の庶民達は、苗字が与えられていないだけではなく、生まれた月さえ分からない、そういう状況の者達が大勢おられます。貴族も身分が低くなる程、同様の傾向がございまして、愛人の子供などは貴族扱いされず、何歳かも分からないこともございますのよ。一応貴族として爵位がある者達は、生まれた月を王家に報告する義務がございますので、お誕生月が分からないことはございませんわ。


前世の考えで言いますと、弟は4月後半生まれで、トキ様は5月前半生まれとのことですから、同じ星座なのかもしれません。わたくしは前世で星座占いに嵌っておりましたから、最低限の内容は覚えておりますのよ。但し、今世の自分の誕生日と前世の誕生日が、同じ日であるかどうかは覚えておりません。誕生月が同じであることを考えますと、同じ日の可能性が高いとは言えなくもないのですが。

前世の事柄を、全て覚えている訳でもないようでして。まだ8歳までの記憶しかないのもありまして、()()()()()()思い出せない事項もございましてよ。


この2年間で、わたくしはお誕生会を2回迎えまして、7歳と半年といったところですわ。弟も、もうすぐ2歳となりますのよ。今はヨチヨチと歩き出したばかりでして、わたくしの後を追いかけて来たりと、本当に可愛らしい弟なのです。

今日も、わたくしとトキ様のお茶会に出席したいと、可愛い我が儘を言ってくれましたわ。弟に激甘であった杏里紗ちゃんの気持ちが、漸く理解出来ましたわね。

前世では兄弟姉妹のいない、わたくしの姉のような存在の杏里紗ちゃんと、現世でお会い出来ないのは、残念としか言いようがございませんけれど。


今世では弟も出来ましたが、今後は…妹も出来そうなのですよね。そうなのです。また母がご懐妊されたのですわ。今度は、絶対に妹がほしいのです。今から神頼みもしておりましてよ。どの世界の神様にでも神頼みしたいほど、「妹にしてくださいませ。」とお願いしておりますの。この国には神社はございませんが、教会はございます。慈善事業の傍らとして、教会に通って祈っておりますのよ。


わたくしが7歳になれば、周りの人々も2年分年を経ておられます。弟と同じ4月生まれのアリー様は、もうすぐ8歳になられますし、5月生まれのトキ様は、弟が2歳になった後に10歳になられます。エイジも7歳になられましたし、リナはまだ少し前になられたばかりです。リョー様はトキ様と同じく9歳に、ユイ様は6歳になられておりますわ。


皆様、年齢が上がる度に、落ち着かれて行くご様子ですのに、エイジに限って違いますわよね…。本邸に戻ってからも、リナとはよくお会い致しますが、エイジとは別邸の時ほどお会いすることもございません。リナのお家の領地とはお隣同士ですのよ。そしてエイジのお家の領地とは、反対側でお隣同士なのですわ。

リナと一緒にお茶会をする時には、お互いにご招待致しましても、わたくしがエイジの本邸にご招待されることは、一度もございませんわ。反対に、わたくしがエイジを正式にご招待したことも、一切ございませんでしたけれど。エイジはこれをよく無視されて、リナにくっ付いて来られたりされておられましたが。


わたくしが正式にトキ様の婚約者になりましたので、()()()()()()()()()()()我が侯爵家に対しまして、サンドル侯爵様が気を配っておられるのでしょうね。

エイジは、そういう気配りは出来ませんのね…。将来…大丈夫なのかしら?

そういう点は全て、リナがフォローされることになるのでしょう。

 前回から2年半ほど、時間が経過しております。

前半は、もう1人の幼馴染として、エイジのことを語ります。

後半は、トキとのお茶会をして、エイジのことを報告しています。

但し、この2年半の出来事についての事情が、殆ど占めておりますが…。

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