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運命の転生劇 ~乙女ゲームの世界へようこそ~  作者: 無乃海
第一幕 『転生という運命が始まる』 編
20/117

18話 2人目の転生者

 いつも通り、主人公視点です。


リナとの遣り取りの続きとなります。

 今回、わたくしにとっては、強い味方が出来ました。同じく前世からの転生者という形で。元々、わたくしの親友という立場のリナでしたが、わたくしと同様に前世からの転生者と分かりまして。あれからも詳しくお話していましたら、どうやら同じ時代かもしれない、ということも分かりましたのよ。リナが、わたくしの父の会社の商品を、()()()()()()()()のですから、間違いありませんわ。


まだお互いに5~6歳頃の記憶しかございませんけれども、その記憶の中に彼女の遊んでおられた玩具がございまして、それが…実は、わたくしの初めてアイデアで生み出した、という経緯の玩具だったのですわ。…まあ。このような異世界で、ご愛用されたいらしたお客様に、お会い出来ますとは…。感激ですわ。結構気に入ってくださっていたそうでして、わたくし…とても嬉しいですわ。できることでしたら、()()()()()()()()()()()…のですが。


リナとは、同郷の日本人であり、同じ時代に生きた存在ですのね。今のところは、会社を通しましての生産者と顧客の繋がり、としか言いようがございません。

リナもわたくしも、ハッキリしている部分とボンヤリしている部分が、混在しております。お互いにまだ、ハッキリしている部分の方が少ない、という共通点でございます。それ故に、これ以上のことに関しましては、もう少し年数が経たなければ分からない、という次第ですわ。


こんなにも身近に、転生者が同士が存在しているという事実は、今迄にも気が付いていなかっただけで、案外と何人かは存在しておられたのかもしれません。

今世の今に限り、という可能性も…有り得なくはないのですが。あと何人かの前世からの転生者が存在しておられる、と。わたくしの勘が確かであれば、そのように考えられますのよ。できるだけ他の転生者の方々と共存関係でおりたいと、考えておりますわ。トキ様はご自分の微妙なお立場でもございますので、将来トキ様の隣に立つ者と致しましては、なるべく…()()()()()()()()()()()()()()

わたくしは自立したい、と考えておりますのよ。


その後、この世界のこの国での転生者の扱いを、リナに詳しくご説明致しました。このままでは、リナが転生者だとバレてしまわれますと、この国に管理されて言動が縛られることになりますもの。一刻も早くお知らせしておいた方が、リナだけではなく、他の転生者の為にも良いでしょうからね。


前世の記憶を持っているわたくし達は、トキ様の公爵家に…王家に、保護されるという形になります、と。王家が保護してくださるとは、聞こえが良いお話ではございますが、完結に言いますれば、王家に見張られる扱いと同じようなもの、という意味を含ませております、と。それだけ転生者が、重要視されているのかもしれませんし、それともただ単に、危険視されているだけなのかもしれませんし、どちらにしましても、あまり良い扱いとは…思えません。そう…ご説明致しまして。


わたくしが語る内容に、リナは段々と顔を青ざめていかれます。そういう反応に…なりますわね。保護の意味合いより、監禁という意味の方が強いと言われて、何も感じない方がおかしいですわ。リナの身体は、少しだけ震え出していますもの。

怖がらせるつもりはございませんが、これ事実はハッキリさせておかねばならない問題ですし、仕方がありませんわね…。


 「…リナ。貴方は1人ではございませんわ。わたくしもついております。1人で抱え込まないでくださいませ。トキ様も、あなたの味方になってくださいますわ。わたくしとリナとの仲ですもの。トキ様が悪いようにはされませんし、わたくしも絶対にさせませんわ。ですから、これからも前世の事柄は、わたくしには全て隠さず…お話してくださいませ。」

 「…カノン、ありがとうございます。カノンのお気持ちは、痛いほど伝わりましたわ。カノンとトキ様が協力してくださるのでしたら、こんなにも心強いことはございませんわね。わたしくが前世のお話を語ることで、カノンにもご協力出来るかと思いますと、わたくしも嬉しく思いましてよ。」


流石は、マチュール伯爵家のお嬢様ですわ。マチュール伯爵家の血筋は代々、学問の分野では、他の貴族よりも一段と秀でた家柄なのですのよ。その家の娘であるリナも、理解が早くて助かりますわ。わたくしのお伝えしたいことを、十分に理解してくださったリナとは、今後も良い関係を築きたいと考えておりましてよ。





    ****************************






 こう見えましてもリナの外見は、わたくしよりもずっと大人っぽい少女、という雰囲気でして。背丈も、同じ年頃の子供達よりも少々高めで、容姿も大人びた顔立ちをされており、今の年齢から…かなりの美少女なのですわ。ストレートヘアーのわたくしとは異なり、フワフワした癖毛でお人形のような雰囲気ですわね。

髪の色はこの国では多い一般的な茶髪ですが、一般的な色よりは明るめの茶髪なのですのよ。前世でしたら間違いなく、「髪を染めているのか?」と、訊かれそうな色合いですわね。


光に透けますとよく分かるのですが、彼女の髪はただの茶髪ではなく、赤みが強く入っていることが分かります。普段から明るく見えるのは、その為なのでしょう。

瞳の色も同じく茶色で、髪の色とは反対に濃い色で、偶に…黒目に見えますのよ。道理で以前から、何となく懐かしい気が致しておりましたのよ。これが…原因でしたのね?…その割にお顔は…ザ・西洋人、という雰囲気ですのよ。


リナと初めてお会いしたのは、わたくしや彼女のお誕生会以前で、生まれた頃からのお付き合いなのですわ。()()()()()()()()、もうお友達でしたのよ。

両親同士が仲が良い為、王都の別邸に滞在中は勿論のこと、領地に戻りまして本邸でも、一緒に遊んでおりました仲なのですわ。領地も比較的近い距離にございまして、近いと言いましても、車や電車で数十分という距離だとしましても、今世ではそういうものはございませんので、馬車で1時間以内の距離にお互いの本邸が建っている、としか申し上げられませんわね。要するにマチュール伯爵家は、お隣の領地に住んでおられますのよ。


マチュール伯爵家は王家に、学問の分野で多大な功績を上げたそうでして、過去に没落して王家に没収されていた領地を、マチュール伯爵家が褒美として受け取ったという、経緯がございます。以前のマチュール伯爵家領地は、あまり作物が育たない土地に住まれておられたのですが、今はその土地を王家に返還されております。マチュール伯爵家だけではなく、その領地に住んでいた領民もご一緒に、今の土地にお引っ越しされたのです。


没収された時に領地に住んでいた領民は、王家から他の土地に移り住むよう打診され、無事にお引越しされた後は、平和に過ごしておられるようですわ。

もう随分も前のことですので、この事実をご存じのお方も少ないそうですが。

わたくし達貴族も、勉強の一環として教えられているぐらいですのよ。


そういう理由もございまして、リナのお家が伯爵位と言いましても、実際には侯爵家と何ら変わらぬ扱いを、受けておられますのよ。彼女を「たかが伯爵の娘」であると、未だに馬鹿にする貴族の方も若干いらっしゃいますが、王家からはわたくし達侯爵家と同等の扱いをされておられます。他の伯爵家も含む、伯爵位以下の貴族のお方が、マチュール伯爵家に何か無礼な態度を取られますと、シャンデリー国王のご判断次第では、罰が与えられるかもしれないぐらいには。我が家は辛うじて、マチュール伯爵家よりも上の扱いではございますが。


リナの婚約者として、サンドル侯爵家の次男であられるエイジが選ばれたのも、十分に頷けますわ。サンドル侯爵家は代々武官の一族であり、サンドル侯爵家当主…エイジのお父君は、王家を守る騎士となる近衛隊の隊長をされておられます。

現在は一般の隊長職をされており、以前は王の専属護衛騎士として、()()()()()()()()立っておられましたわ。ご結婚をされてお子様もお2人おられます。

王の護衛はまだ独身の若者に任せられて、ご自分はそういう若者を育てる立場の隊長職に、近年になってご転職されたのですわ。王家の護衛騎士は、常に命の危険が纏わりつきますので。


そのような栄誉のある侯爵家との婚約は、他の貴族に取っても、ぜひとも繋がりがほしいところでしょう。リナとエイジの婚約は物心つく前に、政略結婚という形で決まられましたのよ。そこには残念ながら、お2人の気持ちは入っておりません。ですが、リナはエイジのことを良く理解しておりますし、エイジもリナのことはよく知っておられますのよ。お2人はわたくしの幼馴染でもございますから、政略結婚だとしましても、()()()()()()()()()()と信じておりますわ。


リナは大人びた印象の割には、普段からおっとりとした性格をしておられます。

エイジが何をしても何を言っても、おっとりと対応をしておりますけれども、先日のお誕生会のように、エイジがわたくしを馬鹿にした態度を取ったりされますと、わたくしの代わりに怒ってくださるのですのよ。…ふふっ。わたくしは気にしておりませんというのに、リナの方がエイジにお説教をされたりするのですわ。


リナは、わたくしの大切な幼馴染でもあり、大親友でもございますのよ。

わたくしも、リナのことが大好きなのです。リナのことは、わたくしが守りたいのです。まだ…()()()()()()()()()()()には、任せられませんことでしてよ。

 リナとの遣り取りの続きではありますが、会話は殆どありません。リナについての人物説明となります。


これにて、第一幕本編は終了となります。次回は、この第一幕の登場人物のご紹介を予定しております。その後、第二幕へと入って行く予定となっています。


※第一幕まで読んでいただき、ありがとうございます。

 第二幕の方も、よろしくお願い致します。

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