彼の日記10
11月29日
昨日の続きを書くよ。昨日見つけた変な紙のこと。昨日の紙について色々と考えていたんだ。裏返してみると、
「日記を見ろ。君と同じ部屋の子の日記だ。借りたりするんじゃなく、盗み見るんだ。
ちなみに僕が入院していた時は女の子だった。その子は本当のことを知ってる。早くしないと君も実験台にされるぞ。そうなったらもうここから出られない。」
と書いてあった。日記?と思ったけど、確かにみるちゃんも僕みたいに日記を書いていた。この人が見たのもみるちゃんの日記だろうか。ちょっと怖いけど、隙をついて盗み見ようと思う。
それから実験台っていうのは恐らくみるちゃんの言っていた研究のことだろう。やっぱり本当だったんだな…
12月10日
今日みるちゃんの検査中、みるちゃんの日記を探してたんだ。するとみるちゃんの枕の下から紙がひらひら出てくる映像が見えたんだ。だから枕をゆっくりあげてみると、やっぱり。枕の下から、4つに折りたたんだ紙が出てきた。
記憶呼出行程表。
正直見る目を疑ったよ。
そこには僕が今まで予知してきたデジャヴが、ずらっと並んでた。僕が見ていた、何か突飛なことが起きる前に見えていた景色。予知能力で見た情景が並んでいた。
それから、そうじゃない出来事もたくさん。日にちと時間、分、秒単位まで、きっちり書いてある。そしてその隣に、みるちゃんの絵で、表情や具体的なシチュエーションが事細かく書いてあった。演者、協力者の名前も書いてある。看護師:14時15分20秒医療器具をぶちまける、隣の部屋から悲鳴を流す、等々…
どういうことだ?
僕の予知をみるちゃんが演技していた?僕の予知は、みるちゃんが仕組んだものだった?いや、紙には看護師の名前も医師の名前もある。なぜ?どういうこと?デジャヴはデジャヴじゃないのか?今まで僕が見てきたものは、一体なんだったんだろう。
でも今日の枕の下、ちょっと前の夢はどうだ。それには誰も関わっていない。僕1人の問題だ。それさえ操られているのか?僕の記憶ってなんだ?
というか何のためにこんな事をするんだ?デジャヴを演じて何があるだろう。紙にはかなりの量の出来事が書かれている。これを全部、この一年やっていたなら相当な労力だ。何のためにみんなはこんな事をしているのだろう…
待って、今これを書いていて思ったんだけど、実験…実験…?実験じゃないのか?僕はすでに何かの実験に巻き込まれている?




