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ⅣーⅡ

ブックマーク評価をして頂き、本当に有難う御座います。

更新が遅くなってしまい、大変申し訳ありませんでした。

 「もう終わったのですか?」




 地面に伏しているライド兄さんを放って、マリアは此方に遣って来た。

 本当にこの二人は仲が良い。

 ライド兄さんとマリアは同い年で、私とは三歳離れている。

 家も年も近かった私達は仲良くなり、幼馴染といえるまでの仲になった。

 一番幼かった私に二人が合わせてくれて、とても楽しい日々を過ごしました。

 その内にライド兄さんとマリアの間に愛が芽生え・・・・・なんてことはなく。

 親同士が二人を許嫁に決めたのです。

 あの時のマリアの怒り様は凄まじく。




 「なんでこんなシスコン拗らせ過ぎて目も当てられない犯罪者予備軍なクソ男と許嫁なんてならなきゃいけないのよ!!!しかも許嫁なんかじゃなく、結婚確定の婚約者じゃないのよッ!!!!!巫山戯んなあああぁぁぁぁああああッ!!!!!」




 と大噴火。

 ライド兄さんがあんなのですからね。

 両親は早々にライド兄さんの結婚を決めたかったのでしょう。

 ライド兄さんも一言「嫌だ」と言えばいいものを、了解の旨を提示しているのですから、マリアの怒りは収まる処か助長され。

 私に関して以外は本当に妹眼で見てもよく出来た人ではあるのですが・・・・・。

 不満が積もりに積もったマリアは格闘技を習い始めてしまい、マリアのご両親を悩ませていました。

 まぁ、元から素質はあったようで、故郷の格闘技選手権・女子の部で見事優勝。

 今では得意の格闘技をライド兄さんに使いまくっています。

 いい使い道です。

 



 「で、最近如何なの?なんか困ってることとかある?手紙の遣り取りはしてるけど、やっぱり実際に顔見て話さないと分かんないからさ」


 「心配てくれて有難う、マリア。私は大丈夫よ。職場の皆さんは優しい方ばかりだし、なによりも本に囲まれて仕事で来て本当にもう楽しくって楽しくって。年に数回絶対に取らないといけないお休みがあるんだけど、それが本当に憂鬱で」


 「いいじゃない、休み。なんで憂鬱なの?私だったら諸手を上げて喜ぶけど」


 「休みよ、休み。休んでなんかいたら本に囲まれていられないじゃない。本を読むのも大好きだけど、本に囲まれた空間にいるのはもっと好きなの。それなのに、休んでなんかいたら・・・・・。今暮らしている家にも沢山本はあるんだけど、図書館の比じゃないし・・・・・・」


 「あー、成程ね。まぁ、兎に角シェリーが元気そうで良かったよ。じゃあ、早速案内してね」


 「勿論!」


 「あんたも来るでしょ?」




 「着いて来たんならちゃんと荷物持ちでもしてよね」と、そうマリアが声をかけたのはライド兄さん。

 今まで地面に伏して屍となっていたライド兄さんはマリアの言葉を聞くや否や、即座に起きた。




 「遣る!」


 「遣るぅ?」


 「遣らせて頂きますッ!!」




 将来は確実に尻に敷かれますね。

 流石はマリアです。



 この後、私達は女同士水入らずとはいきませんでしたが、楽しい時間を過ごしました。

 服屋へ行ったり、靴屋へ行ったり、本屋へ行ったり、屋台でちょっとした物を買って食べたり、広場で遣っていた大道芸を見たりと。

 ライド兄さんは別のことで楽しんでいたようでしたが・・・・・・。

 

 時間が過ぎ、疲れた私達はベンチに座り、休憩することにしました。




 「あ」

 

 「如何かしたの?」


 「あー、一寸買い忘れが・・・・・」


 「じゃあ、此処でライド兄さんと待って「シェリー、着いて来て」るからぁ・・・・なんで?」


 「え、選ぶのをシェリーにも手伝って欲しいからよ」


 「?構わないけれど・・・・・分かったわ」


 「有難う!」






 「此処よ」とマリアに連れて行かれたのはとある雑貨屋。

 其処にはぬいぐるみや髪留め、アクセサリーにネクタイピン、ペンなどが売られている。

 ライド兄さんはさっきのベンチで一人荷物番。

 本人は本当に行きたそうにしていたけれど、マリアが一蹴した。




 「シェリー、こっちとこっち、どっちが良いかな?」




 マリアに見せられたのは、青い石が入っている黒地に金の線が入っているネクタイピンと赤地に金色が入っている万年筆。

 どちらもライド兄さんに似合いそうな代物です。

 真逆・・・・・。




 「これって、ライド兄さんへのプレゼントですか?」


 「・・・・そ、そうよッ。もう直ぐあいつの誕生日だから・・・・・今年は、何か形に残るもの・・・・渡し・・・たくて」




 顔を赤らめながらそう言うマリアは正に恋する乙女。

 最初は本当に嫌がっていたマリアだったけれど、段々とライド兄さんに絆されて行き、周りから見ても分かるぐらいにマリアはライド兄さんに対して恋をしている。

 そんなマリアは今までライド兄さんの誕生日プレゼントは手作りのお菓子だった。

 本来なら、刺繍したハンカチなどを送りたかったマリアだけれど、彼女は手先が非常に不器用で、本人曰く見せれるものではないらしい。

 だから今回は形として残るものを送りたいと思ったのだろう。

 マリアは色んな人に基本優しいのだけど、本命の相手にはツンデレてしまう、本当に不器用な人なのです。

 ライド兄さんもライド兄さんで、マリアのそんな処を可愛いとすら思っている節があり、マリアが婚約を嫌がった時、本当は私達やマリアの両親は婚約させようか迷ったそうですが、ライド兄さんが手を回し、見事に婚約へ持って行ったとかいないとか。

 本人に聞いてもはぐらかされてしまうので、ある意味似たもの同士ですね。




 「だったらそういうのは、自分の直感で決めた方が良いですよ。それでも迷うなら、いっそのこと二つともというのもありですし」


 「そ、そういうものかしら・・・・」


 「そういうものです」


 「そうね・・・・。そうするわ。二つとも買ってくるわ」




 何とか決まったようですし、良かったです。

 私からのプレゼントですか?

 私からのはもう既に用意しています。

 毎年同じ物をあげていますよ。





 買い終えたマリアと共に、ライド兄さんの所へ戻りました。

 何を買って来たのかしつこくマリアに聞くライド兄さんは、マリアの照れ隠しによって十六連打されていましたが、自業自得ですね。
























 その数日後。

 サーライドの誕生日当日に、シェリアから送られて来た誕生日プレゼント・『花のブローチ』により発狂し、鼻から盛大な鼻血を噴出したことにより七日間程まるでこの世の春が来たとでも言いそうな程蕩けさせた顔で布団に入っているサーライドがいた。

 元気になり、漸くマリアンナはプレゼントを贈ることが出来た。

 そしてそのプレゼントを大切そうに使っているサーライドの姿があったという。



此処まで読んで頂き、本当に有難う御座いました。

これからも頑張って投稿して行きますので、宜しくお願い致します。

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