エピローグ
今日はとても喜ばしい日だ。
そう、ラインツ皇国の民達はそう思っていた。
何故なら自国の皇太子と大国の一つであるイウォーラ王国の王女が結婚するのだから。
両国は元から仲が良かったが、今回の婚姻でより仲が深まったと両国ともに喜んだ。
その上政略結婚ではなく、恋愛結婚だというから殊更国民達への印象はよかった。
本当に極一部というか一人は未だに納得はしていないが。
式典が終わった後は馬車でのパレードがもようされることになっている。
国民達は一目その姿を見ようと国中から王都へ遣って来た。
今か今かと待っている中、一台の真っ白な馬車が此方へ向かって来た。
真っ白な式服に身を包んだ皇太子とこれまた真っ白で美しいウエディングドレスに身を包んだお姫様。
人々は歓喜し、二人を祝福した。
二人は馬車から手を振り、国民達に答える。
「凄く綺麗なお姫様だねぇ」
「なんでも身分を偽って図書館で働いていたらしいじゃないか。その上大変博識で優しいらしいよ」
「そうかい。いい人をお嫁にもらったもんだねぇ。うちの皇太子様は」
「あ、今皇太子がお姫様にキスしたよ!」
「仲良しだねぇ。この国も安泰さ」
後に二人の出会いは姫と同じ図書館で働いていたとある人物の手によって本にされ、ベストセラーを叩き出したのだが、それはまた別の話。
これから紡いでいかれるのは二人の幸せなのだろう。
これにて、『図書館司書は皇太子に愛でられる』完結させて頂きます。
此処までお付き合い下さった読者の皆様にお礼申し上げます。
誠に有難う御座いました。
本作品は此処で完結とさせて頂きますが、本編では書けなかった番外編を書いて投稿して行こうと思いますので、今後とも宜しくお願い致します。