プロローグ
初めまして八神 紫雲と申します。今回初投稿です。つたない文ですがよろしかったら読んでみてください。
「・・・・ん。」
灰色の空間、そこで彼は覚醒する。何もなくただただ灰色が広がっている。そこに彼は漂っていた。
「私は・・・負けてしまったのですね。・・・・」
彼は戦い、そして多くを犠牲にして・・・負けた。
「どうして・・・・こうなってしまったのでしょう。」
彼の名は『守護神 カイトデウス』・・・4つの世界を管理する神の1人である。この4つの世界は『守護神』、『破壊神』そして『創造神』の3人が管理を任されていた。『創造神』世界に生きる物を創造し、『守護神』が世界を見守り、時に導いてより良い世界へと成長させる。その成長の過程で腐敗や堕落が出てくれば『破壊神』がその力を分け与えたものを出現させ、試練を与え警告する。それがこの世界の理だった。
カイトデウスにっとて初めて管理を任された世界というのもあって彼は真面目に、忠実に、仕事をこなした。・・・・がそれがいけなかった。彼が導いた人々は争いもなく一丸となって世界を発展させた。もちろんその中には腐敗や堕落が少なからずあったが彼はそれをすぐに見つけ人々に対処させた。
その結果、この4つの世界は他の世界に比べ強い絆で結ばれた強固な世界へと発展した。その中で『創造神』は新たな存在を作る必要のないこの世界に退屈し、『破壊神』は自らの試練をことごとく、しかも簡単に乗り越える世界の人々と『守護神』に嫉妬した。
そんな日々が続き長い時がったある日、4つの世界の1つ、最初に作られた『第1の世界』で『創造神』と『破壊神』がゲームを始めた。
『破壊神』が自分の力を分け与えた者たちを使い人々を攻撃し始め、それを『創造神』が別の世界から力のあるものを第1の世界に召喚し人々を導いて応戦する。しかもこの力あるもの達はなぜか世界の人々を団結させることせず個々の国、組織、団体で『破壊神』の使途たちと戦った。まるで競争のように・・・・。
普段なら1つに結束する世界が個々で動いたため、村が、町が、国が次々に滅んで行った。
カイトデウスは困惑しながらも『破壊神』と『創造神』になぜこんなことをするのか聞いたが返事はかえってこなかった。彼は自らの力を分け与えた者たちに世界を団結させるように呼びかけたが『創造神』が召喚したもの達によってことごとく阻まれ、世界は腐敗し彼の力を持った者たちも多くが死んでいった。彼にとって今まで世界をともに守ってきた仲間、いや家族ともいえる者たちが寿命と関係なく理不尽に死んでいくのはとても辛く悲しいことだった。そして彼は決断する・・・・・自ら第1の世界に行きこの事態を収拾させることを・・・・それが罠だとも知れずに・・・。
「あの時・・・・私がこの世界に降りなければ・・・・」
『創造神』と『破壊神』は彼が第1の世界に降り立つの待っていたのだ。彼が下界におりその力を使い事態を収拾しようとしたとき、『創造神』と『破壊神』が現れ彼の力を封印したのだ。ともに管理するといっても彼らは天界で直接会うことを禁じられていたためこういった方法をとったのだ。そして『破壊神』と『創造神』の力によって第1の世界ごとカイトデウスを破壊した。
この灰色の空間は世界の燃えカス・・・・まさに灰なのだ。
「残った力でなんとか生きながらえましたが・・・・」
体全身が軋みそのたびに激痛が襲う。彼自身の体もまた灰色に染まっており、それは彼もまた燃え尽きてしまった証拠だった。
「ほ、かの・・・・世界は・・・」
痛みをこらえ右手を前にかざす。すると灰色の空間が歪み小さな穴が開いた。穴は三つに別れそれぞれに彼が管理する他の3つの映像が映し出された。
「3と4の世界は・・・まだ大丈夫・・・!?」
第3の世界と第4の世界の無事を確認し安堵したのもつかの間、第2の世界を見て驚愕した。第二の世界は青と緑の広がる美しい世界だった。それが今1/3ほど赤く染まっているのだ。
「彼ら・・・今度は2の世界を!?」
自分を葬ったと思っている『創造神』と『破壊神』が今度は第2の世界でゲームを始めた。そう考えたカイトデウスは表情をひどく歪ませ、怒りを折らわにする。
「人は・・・生き物は・・・・命は・・・玩具じゃないんだぞ!!」
しかしどうする?力のほとんどを封印され今や自分の力を分け与えたのもたちとすらコンタクトできない。自分も神の状態で第2の世界に降りることもままならない。
「神の姿・・・・そうだ!・・・・これなら行けるかも知れない・・・しかしそれでどれだけのことが・・・・・・・・うぅん悩んでいる時間などありません!」
カイトデウス残された力を振り絞り第2世界の見える穴に飛び込んだ。
お読みいただきありがとうございます。
投稿ペースは非常に遅いですがなるべく早く上げていきます。