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魅了魔法しかない序章7

受付に依頼を届けると慣れた手付きで依頼を出した婦人に連絡を取り始めた。


「連絡は滞りなく済みました。早速、依頼に書いてある場所に向かってください」


僕はダースたちが待つところへ向かった。


「無事に受けられたよ。早速行こう」


僕の言葉にキースが頷くとパーティーメンバーのドドルとリカも異論は無かったようでダース共に了解の返事をいただいた。


そのままギルドを出て目的地へと向かう。


その道中にドドルとリカが話しかけてきた。


「名前はナナシだったな。俺はさっきも紹介してもらったがドドルってんだ」


「私はリカよ、聞きたいことがあるのだけれどいいかしら」


「おいてめぇ俺が先に聞こうとしてんだから邪魔をしないでもらいたいね」


ドドルはリカの動きを手で制するように置いた。


歩きながら、それも人混みのなかを歩きながらだったからかリカはそれをひらりとかわしてドドルより前にでた。ドドルを無視して僕に話しかけてきた。


「あなたはどうしてダースとパーティーを組んだのかしら」


「え?」


僕は突然何を聞かれるのか考えていただけに、その質問に不意打ちをくらったような気分だった。質問をされてダースの方をうかがうと彼はチラリとこちらを見ていた。がすぐに前を向いた。


「特に理由なんかないよ。強いて挙げるならパーティーメンバーが二人以上じゃなかったら依頼を受けられないって決まっていたから正直、回りも見えてなかったし、それでかな?」


「ふーん、それは苦労するわよ」


「リカてめぇは何が言いたいんだよ!」


ドドルは強気に言う。

それは僕の気持ちを代弁してくれたとも言える。


「何も考えていない、成り行きに任せるのは愚かな者がする事。1つだけアドバイス」


リカはそうやって言葉に間合いを入れると、僕の目を捉えて話しだした。


「何をするでも良いわ。その行動ひとつひとつに理由を付けなさい。それだけで、目的と行動の意味、意識、主旨が変わってくる。例えば、今回の依頼なら<草むしりで根気強さを身に付ける>とかね。忍耐力を養うことにも繋がるわよ」


行動に理由を付ける。


それをすることで、確かにこれまでの行動の前に何かを考える時間があったとしたら……。


「つまり、行動に理由をつける。これを日常化すれば不意な出来事が起きたとしても考える事を怠らなくなる」


これはリカなりの僕に対するフォローなのかもしれない。

もしくは警告。


「分かった、頑張るよ」


僕はその提案を素直に飲み込んだ。


「けっ」


悪態をついたドドルは何か気に入らなかったのか機嫌が少し悪くなったように見えた。







依頼の場所に来てみるとそれはそれは広大な敷地のお屋敷だった。


門番の方に依頼を受けに来た冒険者だということを告げると、確認を取ってくれた。


門番は確認が取れたみたいで依頼人の元まで案内してくれるようだ。


「草むしりだな、頑張れよ」


簡単に励ましの言葉とともに僕たちは依頼人のもとまで通されたのであった。

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