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魅了魔法しかない序章3

村を追い出されたのだが、行き先は意外と近場だったりする。


半日ほど歩いたところに存在する冒険者で町が潤い繁盛しているトーチという町だ。トーチの冒険者ギルドには僕の村からも依頼をよく出していた。


魔獣まじゅう怪物モンスターと呼ばれる生物が村の畑を荒らしたりすることがあるのでそれを倒してもらう等の用事で主な依頼を出すのだ。


トーチの町の門番に、町への入門料金として銅貨5枚を渡す。それから簡単な聞き取りが行われた。名前や出身の村についてであったけど難なく行われたので余計な時間を食うこともなく目的の冒険者ギルドにたどり着くことができた。


「ようこそ、本日のご用件は……」


受付で話を聞き、冒険者の契約をするとギルドタグが作られる。首飾り型のタグを下げてみた。服装はまだ村人のままだが、ギルドタグを持っているだけで一応は冒険者であるということになる。


タグに刻まれた文字の刻印が本人のランクを示す。


一番下のEから僕は始まった。


受付で説明を受けているときに、Eランクの冒険者は単独での依頼を受注することが禁止されていると話をされた。それは、Eランクの冒険者の依頼完遂率が低いことから来ているらしい。調子にのったり、時間を守らなかったり、命を散らしたり、自分の行動に誰かを結びつけることで、それが如何に危険なことかを学ばせたいとの配慮らしい。


そんな理由でEランクの掲示板を見に行くついでに何処かのパーティーに加えてもらおうと考えたわけだけど、なんか揉めてるみたいだ。


「今の世の中、魔法がなくても魔力さえあれば体を強化できる」


「だから壁役なんて、今は求めてないよ」


「それに俺達はEランクだからよ、鈍くさい奴の面倒は見切れねぇ、すまねぇが他を当たってくれ」


そう言って僕よりも一つ年上か、あまり変わらない年頃の少年三人組が掲示板の前を離れていった。


そこに残されたのは体がとても大きな男だった。ゴツゴツの筋肉……ではなく、もちもちとした感じの男だった。


「なぁお前この町に来たばかりで仲間が未だいないんだよな」


去っていった少年の一人が僕の所に歩いてきて話しかけてきた。


「いない」


「はんっ、口数が少ない野郎は中々死なねぇから丁度良い。頼む、あの男とパーティーを組んでやってくれないか?」


気が強そうな少年は口数が少ないことを鼻で笑った。でもそれは嫌みったらしい感じでは無いことは直ぐに分かった。


「どうして?」


「あの男は、ちょっと訳ありでな。特にこの町出身の人間は近寄り難いタイプなんだわ。出自が坊っちゃんって言えば分かってくれるかな?」


「うん」


なるほど、この大男は僕みたいな村民として生まれたわけではなかったのだ。それも、この町でそこそこ有名と。そりゃ怪我させたら大変かもしれない。


「お願いを聞き入れてくれるか?」


「良いけど、条件あるよ」


「なんだよ、抜けてる奴と思ってたのに………気に入ったぜ。だが、金は用意できない。余裕がないことは理解してくれ」


「簡単なことだよ、僕と仲良くしてくれたら良い」


「……はんっ、言われなくてもそこは守ってやるよ。初めての奴にそれなりに無茶を吹っ掛けるんだからな。一言だけアイツについて情報を伝えておこう」


それを言ったら少年・キースは仲間のもとへ戻っていった。





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