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リベンジ

前回の話との変更点

遼の能力の変更点があります。遼の能力は寄生虫を使う能力ではありません。

遼の能力は支配能力なのは変わりませんが、色々と変わっているため、白紙とさせていただきます。

後日前話の内容も変えていきますので、活動報告で報告させていただきます。

「それで、忍さん達の所在はいまだにわからないのですか」

トゥアール姫の言葉に、王国騎士団全員は黙り込む。

忍たちがダンジョンに向かってから早一年。

あいつらは未だに帰ってこなかった。


忍たちがダンジョンに向かってから一週間後、さすがにおかしいということで王国騎士団の救助隊を編成。地図を便りに内部を確認したところ、忍たちの姿はなかった。モンスターは大部分が倒されていて、ボスの姿も見当たらなかった。ということはボスまで到達し、討伐まではできたのだろう。あとは帰るだけなのに、どうして居なくなってしまったのだろうか?

まるで敵を倒した後に忽然と姿を消したかのよう………

救助隊はダンジョン攻略後に何かがあったのだと断定し、ダンジョンの外の調査に力を入れた。

しかし、めぼしい成果は上げられず、そのまま打ち切りとなった。



ちなみに、ダンジョン内から地響きがあったとの報告があったが、関係性が乏しいということで報告もされなかった。


「私達も全力で調査をしました。しかしこれほどまでの期間帰って来なかったということは………」

「………」

団員の言葉に姫は黙り込む。その姿にカール団長は優しい声色で言った。

「姫、私達も諦めたわけではありません。遺品が出てきたわけではないのでしょう?遺品などはなかったので、その場で死んだとは考えにくい。まだ希望はあるのです。

しかし姫、捜索を再開するにしろ帰りを待つにしろ、あなたが倒れては意味がありません。つい昨日他国に蔓延るモンスターの悪行を正してきたばかりではありませんか。疲労も相当なはずです」

その言葉に、姫は渋々頷く。

最近は救世主たちも強くなり、遠征も多くなった。それについて行く姫様もまた、外に出て行くことが多くなっていった。しかし姫はこの国でやらなければならない仕事も沢山ある。昨日も他の王国に蔓延る亜人族を討伐し、帰ってくるなり今回の遠征の報告や公務をこなしていて、未だ一睡もしていない。流石に疲れもピークに達していた。

極度の疲労とストレスでズキズキと痛む頭を抱え、姫は自分の疲れを自覚した。

「そうですね………団長の言うとおりです。私は少し休ませていただきましょう。これ以上報告がないのなら、みなさん下がってもいいですよ」

騎士団は皆一礼してから部屋を出ていく。そのあとでゆっくりと息を吐いた。

「はぁ………忍さん、遼さん、安司さん、皆さんどこにいるのでしょう………?」

その問に答えられるものはそこにはいなかった。



★★★★★★★★★★★★★★


そいつはそこに居た。

今までとても長い年月を生きてきたが、そいつは外に出たことはない。そこがそいつの全てだった。

目標などなく、ただただ「しなければならない事」を淡々とするだけだった。

それは、『この部屋に侵入させないように隠蔽魔法をかけること』『侵入者を殺すこと』そして、『侵入者が自分よりも強い場合、地面を壊し《扉》を開くこと』。その三つだ。


今までの歳月のなかで、侵入できたのは僅かだ。その中で《扉》を開かせるほど強い奴と会ったのはたったの一回だった。だが、そんなことは関係ない。そいつはただ己の仕事をこなすだけだ。


その時、地響きがあった。底から突き上げるような、不気味な揺れだ。小さいものだったが、地震など一度も起こったことのないダンジョンの中だ、何かあったに違いない。もしかしたら侵入者かもしれない。

そいつは原因を調べるために動き始めた。



★★★★★★★★★★★★★


少年は走っていた。

いつも使っていた木靴はとっくにボロボロ。服も傷だらけで血が滲むガリガリの脇腹が見え隠れしていた。

「ハァ、ハァ………!」

この日少年はダンジョンの奥深くまで入り込んでいた。目的はとある花の入手。珍しいものではないが、それはダンジョン内でしか手に入らないものだった。

大の大人ですらモンスターがウヨウヨといるダンジョンに自分から入ろうとはしない。いくら中にいるモンスターのレベルが低くともだ。しかし少年はダンジョン内に入るのは初めてではなかった。何度もその花をとっていたこともあり、ダンジョンの内部の構造はあらかた知り尽くしていた。

しかしいつも自生している場所の花は取り尽くしており、いつもよりも深い場所に潜らなければならなかった。かなり細心の注意を払っていたはずだ。

だが不測の事態が起こった。大きな地響きが起こったと思ったら、巨大なオーガが現れたのだ。そこから少年とオーガの命がけの追いかけっこが始まった。

今までモンスターと戦わなかったわけではない。そこらへんのモンスーターなら下手な大人よりもうまく立ち回れる自信はある。


しかし、あいつは別格だ。

うまく立ち回るとかいう以前に、闘う意志が起きない。足は少年の胴よりも太く、身体はダンジョンの通路からはち切れんばかりだ。眼光は鋭く、その手に持っている棍棒で叩かれればひとたまりもないだろう。


「なんなんだよあいつは………!」

転び、倒れながらも必死に逃げた。オーガに悟られないように蛇行しながら走り、できるだけ直線通路を走らないようにした。他のモンスターを見つけるとすぐさま道を変え、絶対に立ち止らないようにした。まあ、他のモンスターも少年の背後を見るや否や踵を返して逃げて行ったため、モンスターとのエンカウント率はさほど高くはなかったが。

そうしているうちに、脳内マップは曖昧になっていった。



「こ、ここは………?」

暫くして周りを見渡すと、全く見覚えのない場所へとたどり着いた。その頃には後ろにいたはずのオーガも見えなくなっていて、完全に迷子状態となっていた。

それでも走る足は止めない。むしろ今のうちにもっと距離をとっておこうと足を速めた。


「ハァ、ハァ………!」

姿の見えなくなった追跡者に怯えながら、見知らぬ道を進み続ける。流石に疲労が溜まってきた。

「もうそろそろ大丈夫か………?」

少年はゆっくりと歩を緩めた。すると大きな広間に出た。真ん中には大きな穴があいていて、そこまで深くはないようだが、落ちてしまえばあの化物の追跡を振り切るのは不可能なほどの傷をおうことになるだろう。

そしてその大穴の向かい側には、

「………!」

見つけた。今日ダンジョンに潜った理由。あの花だ。

「みつ………っ?!」



目的のものが見つかったせいで気が緩んだのか、周りを気にしていなかった。

あいつが。別の道から現れた。

ムチャクチャに走る少年の行き先を予測して途中から先回りしていたようだ。

「くっ………!」

相手はもう手にあった獲物を振り下ろすモーションに入っている。どう避けても無傷でいることはもう困難だろう。

「……ちくしょう!」

物が振り落ちる直前。少年は目の前の大穴にダイブした。

「うわぁぁぁああああ!!!!」

その穴の奥。落ちていく少年が見たのは、三人の人間だった。


★★★★★★★★★★★★★



視界の先に光が見える。普通なら見逃してしまうような小さな明かりだが、暗闇に慣れた俺達にとってはとても眩しいものに見えた。

俺は無我夢中でその光に手を伸ばし、思いっきり持ち上げた。



「「「出られたァ!!!!」」」


三人の声が響く。死ぬほど長い時間崖を上り、ようやく登りきった俺達は、その場に経たりこんでいた。


「ハァ、ハァ、な、なんとかなったな。に、二度としたくはない距離だったが」

「さ、流石に帰還の道程が垂直な崖しかないとは思わないよな………」

「………死ぬかと思った」

しばらくグッタリとし、一息ついたところで周りを見渡す。

「ここは………?」

どこか見覚えがある場所だ。いや、何度も夢に見た場所か。

「まさか………!」

そう思った直後。

「うわぁぁぁああああ!!!!」

轟音。そして声と共に何かが降ってきた。

「?!」

俺に覆いかぶさる影。

「いてて………」

とっさの判断で受け止めたそれは人間の形をしていた。男の子か?

「おい、お前どうして………」

「ハァ、ハァ!」

そいつは倒れながらもがむしゃらに動いていた。なにかに怯えているのかと思うぐらいに無我夢中で、少しパニックを起こしているようだった。事情を聞こうとすると

「忍!」


真上からの強烈な一撃が俺と少年を襲った。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「………ふぅ」

パラパラと砕けた石が降る中、無傷のまま俺は立ち上がった。パンパンとお尻を叩き、砂を落とす。少年も無事だ。

さっきの少年はあの一撃で気絶してしまったようだ。腕の中でぐったりとしていた。


砂煙が舞う中、俺達は状況を把握した。

ここは大きな広場となっており、ボスの部屋を示す大きな扉がついていた。

そしてさっき攻撃してきたやつは

「やっぱりか………!」

俺達を地獄の地下世界に陥れたオーガだった。

棍棒を振りおろした状態のまま、俺たちを睨んでいる。その体からは殺気が溢れ出ていた。

俺たちがいない一年間、あいつもより強力になったようだ。身長も一回り大きくなっている。


「は、はは」

俺は掠れた声で笑った。前回負けた相手。こちらはかなり疲労していてコンディションは最悪だ。なのに相手はかなりの興奮状態のようで、今すぐにでも飛び掛ってきそうだ。

この状況は………


「「「会いたかったぜ化け物めぇぇぇぇえええ!!!!」」」

最高のシチュエーションじゃねぇか!



腕の中で何かがビクッと振動した。だが意識は取り戻してはいないようだ。とりあえず少年を抱えたままオーガをにらみ返す。

落とし穴に落とし、俺たちを閉じ込めたのはこのオーガだ。

今まで死に物狂いで生き延びてきた。毒殺刺殺圧死失血死溺死餓死たくさんの恐怖と戦いながらここまでたどり着いた。何度も何度も死にかけながらも、絶望しながらも、なんでこんなことにと神さえも恨みながら過ごしてきた。

それもこれも全てこいつのせい………!

これはこの場で全ての恨みを晴らさないでどうするのか。


「よくも俺らの前に顔を出せたなァ………!」

「随分と殺して欲しいようだなァ………!」

「ギッタンギッタンのメッタンメッタンにしてやるゼェ………!」


「「「ヤロオブッコロッシャァァァァァ!!」」」


三人それぞれ口から気炎を吐きながら呟く。

と、ここで安司が俺達に問いかけてきた。

「で、お前らどうするよ。ここで三人が本気出したら集団いじめで瞬殺できるだろうけれど、それじゃあ面白くない。俺たちが全力を出しつつ、リンチ出来るいい案がないか?」

「う〜ん、………じゃあこうしよう」

安司の言葉に、俺が提案する。

「前にこいつと戦った時には俺たちの能力はほとんど役に立たなかったよな。だが俺たちは強くなったんだ。だからひとつ、前回使った能力だけで戦ってみないか?もちろん、ルール違反は罰ゲームな」

「そ、それは流石に縛りがキツ過ぎやしないか?ほとんど手も足もでない状態じゃないか」

安司は流石に躊躇しているようだ。

「なんだビビってんのか?お前なら傷一つ付かないだろうに。」

「いや、でもなぁ………」

そんな安司は放っておき、振り返る。

「遼、お前はいいか?お前前回能力使えなかったし、能力使った時点で罰ゲームになるからほぼ俺らの独壇場だけど」

「構わんよ。動きたくないし」

遼もあっさりと答えたところでオーガの対面に立つ。

「あっそうだ遼、暇だったらこの子の治療でもしててくんね?後で聞きたいこともあるしさ」

そう言って腕の中で気絶していた少年を遼めがけてぶん投げた。めんどくせぇ………と言う言葉が聞こえたが、とりあえず仕事はしてくれるのか、その少年を片手でキャッチした。これであの子は大丈夫だろう。


そうして散々待たせたオーガに向けて言い放つ。

「前回は散々にやってくれたなぁ?化物?」

俺の声に反応するようにオーガは棍棒を構える。

やはり目の前にするとでかい。俺たちを睨み、目線だけでそうとするかのような殺気を放っている。

やっとここまで来た。こいつに約一年間の恨み辛みを返せることに喜びを感じながら叫ぶ。

「ぶっ殺してやるからさっさとかかってこいやぁ!」

激闘の火蓋が切って落とされた。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「黒走!」

叫んだ瞬間、黒い何かが足に絡みつく。それを確認するよりも速く走りだす。

前回よりも強化されている黒走により、さらに速くなった脚力でオーガを翻弄する。

「だが、前との大きな違いは………」

振り回す腕に合わせて大きく足を踏み込む。

「力が強くなりすぎてほぼ瞬間移動になっちまってんだよ!」

地面を蹴った。

すると視界がぶれ、一瞬でオーガの後ろに回り込んでいた。

「前の借りだ!受け取っとけ!」

廻し蹴りが当たり、オーガは安司の方へ吹っ飛んでいく。

「安司!」

「おうよ!」

安司は空中から機械装甲を取り出す。一年前に比べ、装甲も分厚く、より強固になった。

例えるなら………

「ア〇〇ンマンだったのが、〇イア〇マン1で出てきた敵のアイ〇〇マンに………あれ?バージョン落ちてね?」

「全然違うわ!」

身構えた安司はショットガンで吹き飛ばす。

しかしオーガも然る者。手に持っていた棍棒を振り回して軌道を変えて回避した。

狙いのそれた銃弾は対面にいた俺の方向に。

「………危ねぇ!」

黒走による瞬間移動でなんとか回避した。


バコォ!


壁に被弾したショットガンは大きく壁を穿ち、大穴をあけていた。前回売った時とは比較にならない量と力だった。またアイツ熟練度上げたな?


「アホンダラァ!俺に当たったらどうする!」

俺の怒声に自業自得だ!と返す声の方に振り返ると、安司とオーガがぶつかり合う瞬間だった。


「GRAAAAAAAAAA!!!!!!」

オーガの先制パンチが安司の頭上から振り下ろされる。しかし、安司は逃げなかった。

ゴン!という鈍い音が響く。

「………こんだけか?一年前、俺達が苦戦した相手は。だとしたら拍子抜けだな」

その場にいたのは拳を振り上げた安司だった。オーガの拳に己の拳をぶつけ、攻撃を防いでいた。

さらにオーガからの追撃があったが、どれも安司を傷つけることはできない。それどころか安司は地面に縫い付けられたかのように微動だにしていなかった。

ゴッ!ガッ!と鈍い音が続く。安司はオーガの一撃一撃を正確に弾き返し、翻弄していた。



★★★★★★★★★★★★★


口の中になにか液体が突っ込まれている。甘酸っぱい味が口の中に広がり、気分が安らいでいった。

あれ………?ここは………?

意識がはっきりしてきた少年は目を覚ました。すると男が自分をのぞき込んでいた。

「うわっ?!」

慌てて後ずさろうとすると、体に鈍い痛みが走った。

「! いてて………」

背中からの痛みに思わず顔をしかめると

「動くなよ。しばらくしたら痛みも引いてくる」

そう言って目の前の男は体を起こしていった。手に持っている瓶を見ると、口の中になにか入れていたのはこの男のようだ。

ここはどこだ、と問いかけようとすると、轟音が響いてきた。

そうだ、俺は化物に追いかけられて………

その音に自分の状況を思い出した少年は急いでオーガの姿を探す。


見つけたオーガの前にはさっきの男とは別の何かが立っている。巨大な全身鎧を着たようないびつな形だ。それがオーガを見上げたまま微動だにしない。そのままオーガが拳を振りおろしていった。

「危ない!」

大質量の一撃。あの一撃は回避できないだろう。思わず叫び声をあげ、目を背けた。

ゴキャァ!

まさしく骨の折れる音。少年は思わず顔をしかめたが

「GLAAAAAA?!」

というオーガの異質な声で目をあけた。

そこには潰れた男ではなく、拳を振り上げている男がいた。振りおろしていたはずのオーガの腕はあらぬ方向に折れ曲がっていた。

その後なにか鎧男がつぶやいていたが、聞こえることはなかった。それよりも目の前の状況に動揺していた。


オーガが折れた腕を振ると、逆再生でもしているかのように腕が元の姿に戻っていくのだ。

その光景に、思わず目を見開く。

その治った腕でまた殴り続ける。

それを再び殴り返す。再び腕が再生し、殴りつける。

これが延々と続く。段々と速くなる無限ループの嵐に、少年は目を回しかけていた。



「あ〜、あんなになればしばらくは休憩だな」

急な声に振り返ると、そこには別の男が立っていた。

黒ずくめの服装に、顔には布をまいている。どちらかというと砂漠の旅人のような格好だ。

黒ずくめの男は何故か満足げにその光景を眺めたあと、こちらに歩いてくる。

「おっ、気づいたか。流石遼の薬、即効の効きめだぜ」

鎧男とオーガとの戦闘を平然と無視してこちらに歩いてくる。

「あ、あの!う、後ろ!」

少年は慌てて注意を促すが、黒ずくめの男は何事もないように、ああ、あれか、とのたまった。

「た、助けないのか………?」

「ん?なんで?」

黒ずくめの男が平然としているのを見て冷静さを取り戻してきた少年が質問するが、黒ずくめの男は不思議そうにするだけだ。

仲間なんだろう?!と叫ぶと、ようやく合点がいったようだ。こっちを見てにっこりと笑いながら告げる。


「君だって、自分の獲物を取られたら怒るだろう?」



は………?と少年が聞き返すと、それに応じず黒ずくめの男は振り返った。

オーガと鎧男との殴り合いは今も続いている。だがもう今はゴン、ゴンという硬質のものがぶつかり合う音ではなく、バキッと折れる音やグチャッという粘着質な音に変わっていた。それは鎧男が潰されている音ではなく、オーガの腕から発せられていた。

幾度とない無限の再生も追いつかなくなってきており、いつの間にかオーガは折れた腕のままで殴り続けていた。

対する鎧男は未だ微動だにせず、正確にオーガの拳だけを殴り続けていた。


「ほら、言った通りだろ?」

その驚くべき光景を眺めながら黒ずくめの男は告げる。

「あんなに楽しそうに遊んでいるのに邪魔するなんてありえないね。敵に加担するならまだしも、こんな雑魚相手に本気を出すわけ無いじゃん」

敵になるのも面白そうだけどねーと言っている黒ずくめの男はどこまでも涼しい顔だ。


やがて、少年と黒ずくめの男が見守る中、オーガと鎧男の勝負の決着が着いた。

オーガは二の腕から先をぐちゃぐちゃにしながら倒れた。結局、鎧男は一歩も動くことなく倒してしまった。


少年が口をパクパクさせながら呆然としていると、鎧男がゆっくりと近づいてくる。

黒ずくめの男と肩を並べるように立ち止まると、いつの間にかさっき少年になにか飲ませていた男もそばにいた。

静寂の中、黒ずくめの男が喋り出す。


「で?君はなんでここにいるのかな?」




★★★★★★★★★★★★★★★★★★



俺は慎重にこの少年を見ていた。

少年は怯えたかのように俺たちを見回したが、グッと唇を噛むと、訥々と語り出した。

「ぼ、僕は………花を取りに来たんだ………赤色の、真ん中が黄色い綺麗な花………」

「ふん、リカの花か」

「知っているのか遼?」

「うむ、聞いたことがある」

というよりお前はスキルで知ってんだろ。


「その花は全国各地に咲いていて、比較的見つけやすい花だ。特徴としては魔力を吸収し咲いていて、暗い場所に分布しているために主にダンジョン内に生息してるな。その花の花弁には効能があり、特徴としては鎮痛剤などの効果だな。だが………」

「そ、それだ!それが欲しいんだ!」

興奮するその少年にまあまあ、と安司がなだめるが、話が聞こえなかったかのように話し出す。

「そう、その花さえあればいいんだ!あんた達、知らないか?」

「う〜ん、あったような無かったような………安司、お前持ってる?」

「あ〜なんか遼に持ってけって言われて取ったような気が………」

「ホントか?!くれ!」

もはや安司の胸ぐら(というか胸当て)を掴みながら必死にすがる少年に

「やかましい!」

と俺が拳骨を食らわせた。

ちゃんと力加減はしたつもりだが、少年は目をパチパチしながら千鳥足になっていた。


「なんだよ!あの花をくれよ!」

「うるせぇ!まだ俺の質問に答えちゃいねーだろうが!」

その言葉に少年は?と頭をかしげる。


「お前はどうやってここまで来た?」

少年は黙り込む。

ガリガリに痩せた体、ボロボロの服、擦り剥け傷つきまくった肌。少なくとも十分な装備を整えて来ているわけではないのだろう。しかも道中はモンスターが沢山いたはずだ。これを退けてここまで来るのは、準備をしてきた一年前の俺達でも何度か攻撃をくらった。この少年では一撃でお陀仏だろう。


少年は黙りこくったまま喋らない。

やがて口を開くと、恨むように喋り出す。

「………なんで、お前達なんかにそんなこと言わなければならないんだ?」

完全な拒絶の言葉。そこには何かしらの強い意志が見えた。

「そうか。わかった。もう聞かん」

遼がそう告げたのを合図に、俺達も話題の方向性を変える。

「………ところで、あんた達はどうやってここまでたどり着いたんだ?しかもさっきのあれ!一体どんな力を………」

「ふむ、ここまで来たのはいいが、帰る手立てはあるのか?」

「え、いや、ないけど………」

「ふん、なら俺たちが送っていくか。いいか、忍?遼?」

「え〜、めんどくせぇよ」

「そういうなよ忍」

二人が宥めてきたので渋々俺が折れる。

「おい!あんたたちも質問に答えろよ!」

「え〜、やだ」

「なっ………」

少年は絶句していた。


次の瞬間、急に安司は少年に襲いかかった。それと同時に、俺たち後方から爆煙が生じた。




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




「おい安司、ちゃんと抑えとけよ。」

粉塵の中、俺は一点を見ていた。

「いや、一時間ほどは立てなくしたつもりだったんだが………コイツの回復量を見誤っていたな」

そう答える安司の肩には、でかい棍棒が乗っていた。

棍棒による、全体重を載せた一撃。

さっきの粉塵はオーガによるものだった。

さっきの攻撃は集まっている俺らに向けての一撃だったが、遼は先に見つけて回避することができ、安司は少年に覆い被さることにより保護することができた。しかし回避は間に合わなかったようだ。

安司が一撃を受けるのを間近で見ていた少年は大きく目を見開いている。

対する俺は………

「で?忍、俺が身体を張って攻撃を受けたんだ、ちゃんと攻撃したんだよな?」

「あたぼうよ」


俺の背後にいるオーガ。こいつは安司に棍棒を振りおろした状態からぴくりとも動いていない。

そしてその顔には俺の足元から伸びている黒い槍状の物が刺さっていた。

『黒槍』。つい一年前には一発撃つだけでかなりの時間と集中力が必要だったが、必死の修練の成果で一瞬で出せるようになっていた。

しかもそれだけではない。



顔を潰されてももがきながらもまだ動こうとするオーガは、棍棒を黒槍にぶち当てた。凄まじい回復速度だ。前回は顔を吹き飛ばしていたとはいえ、ここまで回復力は高くなかった。オーガ自身も力が強くなっているようだ。


「あらま。まだおかわりがいるのかい?」

俺は身の回りに黒い影をまとわせる。すると影の中から円錐状の物がボコボコと盛り上がってくる。

「前までの俺とは違うんだぜ?」

影から出てきたのは全て黒槍。しかも半端な数ではなく、十本、百本と出てきてさらに増えている。

手元にある黒槍を一斉射出した。その数十本。

体のあらゆる場所に槍が突き刺さり、オーガは吹き飛んでいった。

しかしこのままではまた抜け出されるのではなかろうか。ふとそんな風に思った。

じゃあまた出すのめんどくせえから今のうちに大量にブッ刺しときますか。

俺はオーガが動けなくなってもまだ黒槍の射出を止めず、次々とブッ刺していく。

「エッ………」

安司の腕の中で様子を見ていた少年が声を上げるが無視してブッ刺していく。

「ちょ………」

ブッ刺していく。

「まっ………」

ブッ刺していく。

「………」

ブッ刺していく。

「………うわぁ」

ブッ刺していく。

あらやだちょっと楽しくなってきちゃった。もう一個おまけでブッ刺すか。

やがて針山のごとく刺さった黒槍の山に、オーガはぴくりとも動かなくなった。うん、完璧。

「はっ、一年前俺を吹き飛ばした恨みだ」

そう吐き捨てるように言っていると、安司が体を起こした。安司は後頭部をさすりながら

「………俺が攻撃を受ける前に吹き飛ばせたんじゃないか?」

とぶつくさ文句を言ってきた。

しかし安司の鎧は特に傷ついているようには見えない。綺麗なままだ。

そのことを言うと、振動は少し通るんだよ、と不満顔で言っていた。

そしてゆっくりと後ろを振り向く。そこには驚愕と恐怖により顔を引きつらせている少年がいた。

俺達と目が合うとヒッ?!と悲鳴をあげた。

「な、なんなんだあんたらは………」

そのつぶやきには答えず、前を振り向く。そこには全身串刺しにされているはずのオーガがフラフラと立ち上がっていた。

全て急所に当てていたはずだが、槍はいくつか外されていて、二本程地面に落ちて砕けていた。落ちた黒槍はザァ………と言う音を残して風化していく。

その姿を見て、流石に俺たちの顔も引きつっていた。いくら回復力が高いとはいえ、ここまで高いとは思ってはなかった。

「あ、あいつに何をやっても効かないのか………?」

少年の絶望的な声が響く。

「な、なんかないのか?あんた達、自信満々にやってきただろ?こいつを倒せる解決策とかないのか?!」

少々ヒステリックになりながら少年は叫ぶ。

俺たちは一応にう〜んと唸りながら頭をひねる。

やがて俺がゆっくりと顔を上げると少年は何かあるのか?!と期待を込めた目で見てきた。

「う〜ん、とりあえずは………」

刺さっている黒槍が残り二本になり、こっちを睨みつけていたオーガの方ではなく、遼の方に振り返り、ニッコリと笑いながら言った。



「遼、あいつ、欲しい?」

少年の呼吸が止まった。


「いや、ちょっと待って、ハァ?!今のどういう意味?!まさか、あいつを生け捕りにするつもりか?!」

「いや、テイムな」

「変わんねぇよこんちくしょう!今あいつを殺す算段つけてたんじゃねぇのかよ!今あんたの技が効かなかったんだろ?!そんな相手をテイム?!ふざけんな!」

「は?俺らが負ける?何言ってんの?」

へ?と少年が間抜けな表情を浮かべている。なんで分かんないかなぁ。


「で?実際いるの?あいつ」

再度俺が問いかけなおすと、

「いらね。あいつに似た能力持ち沢山いるし」

とのたまった。

「んじゃあ………殺しますか」


「………えっ、殺すの?」

「うん」

「さっきの話は?」

「なし」

「………そう」

少年はがっくりと肩を落とす。なにを落胆しているのだろうか?

やがてゆっくりと顔を上げた。

「と言うことは対抗手段があるの?」

「ん?んなもんないよ?適当にやっつける」

「それじゃさっきと同じじゃないか………」

「知らんがな」

とのたまった後、どうするか考え始める。

「………よし。これでいくか」

素早く考えをまとめ、準備を始める。

「安司、遼、俺に任せてくれる?」

「任せた」

「引き受けた」

急に動き出した俺達に少年は戸惑っているようだ。だが幸い、邪魔をするようなことはしなかった。



「よし、行くぜ!」

オーガの方へ向けて走り始める。その頃にはオーガは黒槍をほとんど抜いており、こちらを睨みつけていた。

「ほほう、やるじゃねぇか」

走りながら相手を賞賛する。実際、今までこんなに早く回復するモンスターはいなかった。回復系のモンスターは沢山いたし、スライムのように定形を持たないモンスターだっていた。だがそんなモンスターでも痛覚はあり、ダメージによる精神的ショックはなかなか回復しない。一撃で大ダメージを与えるか、ダメージを与え続けていればいずれ回復できなくなるのが常だった。

しかしこのオーガは別格だ。回復量の桁が違う。頻度も有り得ない領域まで達している。この調子だとあいつの身体のかけらが残っている限りいつまでたっても終わらないだろう。


走りながら呟く。

「黒走」

瞬時に脚に黒い霧が集まり、脚部装甲を形作る。今まで長いあいだ使ってきたスキルであるこの黒走は、コクソウシリーズの中でもお気に入りのスキルだ。そのスキルによって上げた脚力でオーガの顎を吹き飛ばす。スキルに加え、身体の捻り、重心移動、速度まで加えた完璧な足蹴りだった。

「この一発で地を這え!」


だがしかし、オーガはふらっと倒れかけたが、なんとか押しとどまる。

「あ、あれっ?!今ので倒れてくれないの?!」

予定が狂った俺はまだ空中にいた。オーガと目が合う。

目の端でオーガが体勢を戻しながら思いきり拳を握りしめるのがわかる。

会心の一撃を放った体勢では空中での方向転換は厳しい。流石に俺の額にも冷や汗が流れた。


バカン!


殴られる直前、下の方からとんでもない音が鳴り響く。

するとオーガは突然バランスを崩し、大きく空振った。

クルンと一回転して地面に立つと、そこには安司がショットガンを構えていた。俺が失敗するのを見てオーガの足をショットガンで吹き飛ばして助けてくれたようだ。

今はあいつの足は消失している。


「サンキュー、助かったぜ」

「一人で突っ込んでおきながら負けるなよ」

最早安司は呆れ顔だ。

「て、どうするつもりだったの?」

「ああ、とりあえず回復できなくなるまでたたき潰そうかとも思ったけど、さっきの蹴りでそれも難しくなったからねぇ。とりあえず『引きずり込む』かね」

「………」

「ん?どうした?」

「いや、お前がそれでいいならそれでいいんだけどね」

安司は歯切れ悪そうに言った。

とりあえずはそれは置いといて。

安司の助けにより、図らずしてオーガが倒れてくれた。これで前準備は済んだ。

俺が手を掲げると、オーガの周りが黒い霧に包まれた。


★★★★★★★★★★★★★★★★


遠くで黒ずくめの男が手を掲げると、オーガの足元に黒い霧が集まっていた。

少年は薬を飲ませてきた男と一緒にそれを見ていた。男はその状況を見ると、

「………ま、いいか」

フン、と鼻を鳴らして言った。

「ど、どうしたんだ?」

少年は会話しやすいと思ったのか、話しかけていたがその男は無視してさっさと後片づけを始めた。

「心配するな。たぶんすぐ終わる」

少年が慌てているのを見かねてか、男が話しかけてくれた。そしてオーガ達の方を指さす。

そこには黒い霧に覆われたオーガがいた。倒れたまま、ピクリともしない。

「し、死んだのか?」

喜ぼうとしたが、オーガの近くで黒ずくめの男が掲げた手を下げない。緊張状態がまだ続いているようだ。

「よく見てみろよ。霧の方」

その言葉に、少年は霧の方に目を凝らす。するとうっすらと見えてきた。あれは………手?

地面から底冷えするような音と共に現れた手が、オーガを包み込んでいる。

まるで………地獄へ引きずり込んでいるような。

「そう。あれが忍の最近手に入れた技」

男はそっちを一瞥もしないまま少年の考えを見透かしたかのように言った。

「_____黒葬。らしい」



★★★★★★★★★★★★



オーガの下の地面は円状に黒ずんでいる。



ドクン


その黒ずみは脈打ち始める。やがて霧は粘着質なものに変わり、黒ずみは沼のようになる。

準備はできた。

「………黒葬」

言葉と共に沼から黒い手が無数に現れ始めた。死者の手を彷彿とさせるその手は、真上にあったオーガを包み、飲み込んでいく。

「うへぇ………なに?これが解決方法?地獄に引きずり込むようだな」

安司の言葉に俺はうなずく。

「だろ?だから死をイメージして黒葬って名づけたんだ」

そう言っている間にもオーガはズブズブと引きずり込まれている。

「何度体を削っても回復してしまうからな。だったら体ごと消し去ってしまおうと考えてな」

この黒葬の効果は(引きずり込む)。俺の操る闇で造った空間に引きずり込み、一生出られない。

安司のスキルと違うのは、空間が有限であること、俺自身は自由に行き来できるが俺以外は中にいるだけで気がふれてしまうことだ。しかも戦闘用であるので道具を入れることができない。

だが無限増殖する敵やこいつのように回復してしまうやつには絶大な力を放つ。

引きずり込まなくても無数の手で足止めもできるしな。

その時、オーガの腕がピクッと動いた。どうやら状況を理解したようだ。

脱出しようともがくが、動けない。無数の手が体を包み、半分ほど沈んでいたからだ。逆に、もがけばもがくほど沈むスピードは上がっている。最早抜け出す方法はない。

動けないオーガは血走った眼でこちらを睨みつけている。

「Grr、GRRAAAAAAAAAAAAAAA‼‼‼‼‼」

「おお、こわいこわい」

そう言ってクルリと振り返る。そこには青い顔をした少年が遼と一緒に立っていた。






手足が震え、俺達から距離をとっている。正しく信じられないものを見たかのように。

「………これ、あんたらの仕業なのか?」

安司達は黙っていた。俺が話すのを待っているようだ。

目を見開き、唇が震えている。まるで敵と相対しているかのように。

「………こんなの、人間技じゃない。こんなスキル、みたことない!」

少年は化け物でも見るような目でこちらを見つめていた。



「何なんだ。こんな化け物相手にこんな戦い方…お前らいったい何者なんだ!」



背後からオーガの断末魔が響く。

やがて口の中にも手が突っ込まれたのか、くぐもった音を立てながら消失していった。

最後にドポン、と音を立てながら、黒い沼も消えていく。

それを背中で感じながら俺はゆっくりと話し出す。




「俺らか?そこらへんにいる肉屋、研究者、引きニートであり、ただのオタクだ。異世界からやってきた、な。」


こうして、俺たちを窮地に追いやった憎き化け物との戦いは幕を閉じた。



















「ところでさ忍、あんた罰ゲームな」

「は?」

「縛りのルールは何だった?」

「………あっ」

どうも。タバサです。


皆様本当に申し訳ございません………!

二週間かかると思っていたら二か月かかっていました………!


理由としては私のリアルの状況が激変したこと、スランプに陥ったこと、ふせんを貼るために先の話を作りまくっていたこと、ただ単純にめんd………ゲフンゲフン。

ということですべて私のせいです。すみませんでした。今後はこのようなことにならないよう注意いたします。


そして私が見ぬ間にブックマークしてくれている人が増えていました!本当にありがとうございます。

今まで自分の趣味爆発で書いていたので、評価は気にしていませんでしたが、やっぱり目に見えるものがあるとうれしいものですね。思わず二度見してしまいましたwww

そこからは慌てて初めての活動報告を書き、必死こいて書きました。頑張ったぜ。

私はなろうの傾向など関係なく、ただただ書きたいものを書くだけですので、負ける話、鬱展開などじゃんじゃんやっていきたいと思います。(私が鬱展開大好きなのがありますがwww)ブックマークしてくださる人は注意してください。

今後も趣味爆発、我が道を行く小説を書いていきますので、どうぞよろしくお願いします。


さて、今回の話はサブタイトルの通りリベンジ、というのを重視してみました。

前回での戦いと今回の戦いとの違いでどんだけ強くなったかを表したかったのです。

しかし………グダグダと長すぎですねwww

初めて一万字超えました。最終的には一万三千字超えたのでいつもの倍以上書きました。

あ、今回いっぱい書いたのでこんなに遅れたことも許して………くれないですね。はい。

話を切るところが見つからず、だからと言って短くすることもできず………ここまで書くことになりました。

次回まではちょっと長めだと思います。その次からは元の長さになるかも?

ここ一週間でいろいろ直しましたが、今回はグダグダです。直しきれなかったんや~(´・ω・`)

とりあえず伝えたかったのは、三人がとても強くなったこと、オーガもかなり強いんだぞ、ということです。

強い奴vsチートだと強い奴が目立ちませんね。そのせいで話をこねくり回していたらこんなに長くなりました☆



さて、次回の話。

今回の話の後日談のようなものです。説明回です。

面白くないかもしれませんが、私のオリジナルの話になってから初めて作った設定ですので、色々話さないといけないことが多いのです。


それに伴い勇者組の話もしていこうかな~と。まぁ、あいつらカマセなんですがね。

嫌人さんと違い、光希視点はやるつもりは今のところありません。本編だけで精一杯じゃあ………


と、いうわけで、今回はここでおしまいです。次回も読んでくれれば幸いです。




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