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ボスに挑もう

ボス部屋の前。俺たちは扉の前にいた。

「おし…じゃあ安司、俺の剣と盾を持っててくれ。」

そういって渡す。安司は異空間に閉まったようだ。それを見届けてから静かに目を閉じ、念じる。

「黒…走…!」

すると、周りから黒い靄が出てきて体を包み込む。霧が晴れるころには足に黒い禍々しい装備がついていた。


<こくそう>シリーズ。俺の黒歴史の能力の一つだ。

俺の本に書かれていた能力の主題は「闇を操る能力」。闇を武器にしたりする能力だ。

今回俺が使ったのは黒走(コクソウ)。身体能力を上げ、スピードが上がる能力だ。

俺は腰に短剣二本を腰の位置に装備し、準備を整える。レッグホルスターには遼特製のポーションをいくつか入れておく。

ほかの二人も、準備を整えたようだ。


「行くぞ!」

ボス部屋の前に立ち、その扉を開いた。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆



ボス部屋はもともと鍵がかけられている。なぜかというと、ボスがその部屋からでないようにだ。ボスがいる部屋は特にダンジョンからの魔力供給が強く、モンスターは短時間に強くなってしまう。だからと言ってその部屋を封印するとダンジョンはほかの空間をボスの部屋としてしまうので、壊すことはできない。だから、ボス部屋の前に扉を作り、入ることはできても出られないような細工をしてあるのだ。

中から出るには簡単な魔力検査があり、ダンジョンの魔力を取り込んでいるモンスターは出られないようになっている。

これで、ボス以外のモンスターが強力になることを少しでも抑えている。

まぁその分ボスの力が跳ね上がるんだが………対価としては安いもんだ。



扉の前に立つと自動でドアが開いた。中は薄暗く、広い。このダンジョンで一番の広さだ。

足を踏み入れると誰もいない。

「隠れているのか…?どこにもいないんだが。」

俺がうろうろしていると、パラ…と石が頭上から落ちてきた。

「上からくるぞ!気を付けろ!」

その警告とともに上から何かが落ちてきた。



スキルによって強化されていた脚力で何とか避け切った。よかった。ちゃんと能力は使えてる。そう思いながら振り返ると大穴があいていた。

ぱらぱらと落ちてくる残骸を浴びながら一息つく。

「あっぶねぇ…おいお前ら!どこからどう見ても後ろからじゃねえかふざけんな!」

その中心にいたのは、巨大なオーガだった。


体長は5mほど。腰布1枚で、手には大きな棍棒を持っている。さっきはあの棍棒を飛びかかりざまに振り抜いてきたようだ。とりあえずの感想としては

「でけぇ………」

普通のオーガは3m弱しかないから、これもダンジョンの能力だろう。力も相当に強いに違いない。


俺たちはさっとオーガから離れ、ひとまず体制を立て直す。不意打ちは出来なかったが(と言うかされてしまったが)、まだ状況は悪くない。ここから立て直していこう。


「安司!やるぞ!」

「おう!」

声をかけてから、一目散に飛び出す。オーガへのファーストアタックは、俺の役目だ。

なぎ払うように振られた棍棒を、身を低くしてかわす。まずは脇腹。すれ違いざまに逆手で持った短剣をぶち当てた。

「?!かったぁ?!」

皮膚はありえないほど固く、短剣ではほとんど刃が通らなかった。せいぜい血が滲む程度だ。

「まじかよ。腸ぶちまけるつもりで切ったんだけど………」

そういいながら振り向くと、お返しとばかりにオーガからの棍棒による打撃が迫っていた。

「げぇ?!」

『黒走』の瞬間的な加速により頭からグチャグチャになるのは回避したが、風圧だけで吹き飛ばされてしまった。体制を整える暇もなく、オーガが迫ってくる。

強いだろうと思っていたが、ここまでとは………

このままでは、『このコクソウでは』勝てない、そう思ったとき、安司かなにかしているのが目に入った。



安司は右手に装着したデバイスを操作し、バッと腕を広げた。

すると何やら異空間から飛び出してきて、安司の身体を覆っていく。一段落する頃には、フルアーマー状態の安司がそこに立っていた。その姿はまるで………

「「アイアン〇ン………?」」

「ほらそこメタイからやめーや」


安司の身体は人間のシルエット状に覆われた機械を元に、いくつかの武器を装備している。ショットガンや、スラスターらしきものまである。

「いやーレベルが低いせいかろくな武器がなくてねー。まあ後でどうにかするから勘弁してね」

そういいながら、ショットガンを構える。

「じゃあ今回は、遠距離支援ということで!」

言うがいなや、オーガに向けて引き金を引いた。

ドンッッッッッッッ!!!!!!!!!

最早発泡音が心臓を叩いてくるようなくらいの射撃は、相手をよろめかせた。確かにオーガにダメージは与えられたようだ。

だが、足りない。すぐに立ち上がってしまう。

振り抜かれた棍棒をかわしながら、俺は戦闘の長期化を予感していた。


「チッ、報告と全然違うじゃねーか!俺らでも簡単に倒せるって言ってたのに!」

体感的には一時間だが、実際は10分ほどの時間しかたっていないだろう。俺たちは追い詰められていた。

黒走の力でオーガを挑発、回避し、スキが出来たら安司のショットガンを放つ。このループで今までに何十発も打ち込んだが、一向に倒れる気配はない。

安司は文句を言うが、もはや戻る道はない。扉は戦闘中には開かないように仕組まれている。この部屋から出るには、こいつを倒すしかないのだ。

仕方がない。危険な賭けだが、やるしかない。


「安司!力貯めるから、お前がまずコイツのお守りしとけ!」

「はぁ?!」

そういうがいなや、前線から退いた。

「バカが………ああもう!分かったよ!やりゃあいいんだろやりゃあ!」

安司は意味不明なことを言われたことに慌てていたが、真意を汲み取り、前線を一人で守ってくれた。



俺は安司がオーガの気を引いてくれているうちに、背後に回り込む。そして右手を引き、左手を前に添える。

ちょうど、槍投げのようなポーズになった。

ここからは、集中しなければならない。

自分に掛けていた『黒走』を切り、目を閉じる。途端に体の疲れを自覚したが、頭の隅に追いやった。

四肢に思い切り力を入れ、右手に力を送り込む。すると、右手の少し上に、黒い何かができ始めていた。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「もう無理ぃ!」


安司がこちら側に吹き飛ばされてくる。安司を覆う装甲は傷付き、安司自身も疲労困憊のようだ。

流石にこれ以上は無理だ。


「よくやった。俺は準備はできたから、お前も用意しろ」

そう言って後ろへ後退させる。これ以上働かせるのかよ?!と言う言葉が聞こえたが、気にしない。

「おう化物さんよ!そろそろ反撃してやるから覚悟しろ!」


大声を出したことで、オーガは俺にターゲットを絞ったようだ。ならば好都合。

俺はガツン!と拳をぶつけて、静かに唱えた。

「黒………爪………!!」

ぶつけた拳から、黒い紋様が広がっていく。肘のあたりまで広がったそれは、徐々に厚い装甲となり、覆っていった。

手の甲には殴るための突起。指には爪状の鋭い刃物のようなものができていた。

これが黒爪。腕の装甲を作ると同時に筋力にまで作用する殴るためのものだ。

「やっぱ重がけは難しいな………」

俺は体にかかる負担を自覚しつつ、オーガを睨みつける。

「じゃあ………反撃開始!」



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


走り出すのは同時だった。

俺は棍棒スレスレの回避を選んだ。しかしオーガもこの長時間戦闘で俺たちの呼吸を読んできたらしく、俺を吹き飛ばした。

「いってぇなぁもう!」

遼からもらっていたポーションを煽り、再び走り出す。

先程とは違い、黒走を切っての戦闘なので、自分でもわかるほどに行動が安定しなかった。

回避の連続で、攻撃のチャンスなどない。そしてついにその時がやってきた。


腕についていた装甲が、霧となって消えたのだ。



「なっ………」

黒爪が掻き消えたことに気を取られ、動揺してしまった。それを逃すような敵じゃない。

一瞬のスキを突かれ、俺は初めてのクリーンヒットを貰った。



「ガッ………!」


壁にしたたかに打ち付けられ、息ができない。意識を手放しそうになりながらも、なんとか持ちこたえることができたが、最早立つ気力は持ち合わせていなかった。


オーガはゆっくりと歩いてきた。その後ろに慌てて駆け寄ってくる安司が見えるが、間に合わないだろう。遼の姿は見えない。流石にこの状況では俺たちを見捨てたか。

「クソ………反撃とか言ったのに、何もできないのかよ」

俺は壁にもたれながら座り込む。オーガは俺の前に立ち止まり、仁王立ちをしていた。こころなしか、その顔は残虐に笑っているように見える。

「笑ってんのかよ、化け物め………」

安司も諦めたのか、反対側の壁めがけて走っている。これ以上状況を変えるものはなさそうだ。

俺の力の抜けた顔をみて、オーガはゆっくりと棍棒を振り上げていく。徐々に上がっていくそれは、俺を一撃ですり潰すための力が篭っていた。

俺は虚空を掴もうとするかのように手をあげ、穏やかな笑みを浮かべながら述べた。




「あ、今までの全部嘘だから」




オーガの頭に標準をあわせていた右手のそばから、何かが出現する。



「黒槍」



雄叫びをあげながら棍棒を振り下ろすオーガの頭目掛けて黒い槍は飛んでいき、オーガを吹き飛ばした。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「いやーやっぱ二つ同時はキツいわ。隠しながらの直接戦闘なんてやるもんじゃないねー」


オーガは顎を貫かれ、反対側の壁に縫い付けられている。棍棒も落としていて、足も宙に浮いている。それでもボスとしての戦闘能力は伊達じゃないらしく、まだ死んでいない。黒槍を掴んでもがいている。




黒槍。闇を凝縮し槍状にし、撃ち出す俺の必殺技だ。槍として使うことも出来るが、撃ち出す方がスピードが比較にならないので、普段は遠距離攻撃として使う。

しかし必殺技とだけあって、槍の製造にやたらと時間がかかるし、一発しか出せない。ほかのコクソウとの重ねがけもできないので、不意打ちか、仲間がいないとできないのだ。




「さっきの黒爪はダミーだったからな………殴ったら即バレるし、お前が猛攻してくれて助かったよ」

オーガはショックが抜け始めたのか、明確に貼り付け状態から抜け出し始めていた。



さっきの黒爪はただ形を揃えただけで、なんの効果もなかった。その状態でも黒槍は不安定になってしまうので、意識を集中しないといけない。回避しながら黒槍を撃つスキを狙ったが、回避だけで手一杯で攻撃なんてもちろんやる暇はなかった。


そこで、一つの賭けに出た。


あえて黒爪を消し、黒槍に意識を集中させて攻撃を受ける。そして立てなくなったフリをしてオーガから寄ってきてもらおうというものだ。

安定して一撃を繰り出せる作戦だが、デメリットは

「ぐっ………」

脚に痛みが走り、思わずうめく。

この作戦はオーガの一撃を受けなければならず、必ずダメージが入ることだ。相手に疑われてはないのでカスって済ます訳にも行かない。この作戦は諸刃の剣だった。



「グォォォォオオオオオ!!!」

遂に壁から抜け出せたらしく、怒り心頭の様子でこちらに向かってくる。

「ほーら、鬼さんこちら、手のなる方へ」

グッタリとしながら、手を叩く。

「俺もうちょっと立てそうにないからさ」

俺は呟く。

「後はよろしくな、安司」

「あいよ」




ドガガガガガガガッ!!

突然オーガの背後から現れた安司は、黒槍によって空けられていた穴からショットガンをねじ込み、胴から頭が消し飛ぶまで連射した。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「だぁぁぁぁぁあああ疲れたもぉぉぉぉん!!!!」

そのまま横に倒れ込み、叫び出す。

さっき受けた一撃は、体の芯を捉えた本気の一撃だった。受ける準備をしていなければ、一撃で戦闘不能だっただろう。それほどの威力だった。流石はボス、ということか。



「………お前、俺狙ってたろ」

オーガが縫い付けられていた壁の近くから、遼が出てきた。あ、気付いてた?

「当たり前だ。それに気づいて安司が慌てて助けてくれたんだぞ」

なるほど、だから走って俺の反対側の壁に向かっていたのか。俺はてっきり逃げ出したのかと。

「お前後一撃って言ったじゃんかよぉ………なんで余計な仕事させんだよぉ………こっち目立っちゃいけないからスラスターかけられないしよぉ………」

「用意しろとは言ったが後一撃とは言ってないからな」

安司の泣き言にそう返しながらゆっくりとオーガを見る。実際に安司はよく働いてくれた。あいつがいなければ俺達は負けていただろう。

遼は俺と安司にそこらへんの薬草で作ったというポーションを渡してきた。色があまりにも毒々しいが、遼特製だ。効果は間違いないだろう。

「なんだこれ………苦?!甘?!でも、おおお?!」

凄まじい味だったが、みるみるうちに足の怪我が治っていく。さすがという他ない。

「このポーションは疲労感は抜けない。まだそこで寝ておけ。オーガは俺がもらう」

そう言って歩き出す。



遼の能力は支配能力。

ウイルスを操り、寄生虫を駆使することもできる。能力の定義の範囲が広く、さらに遼自体の力も強い為、自分で自制しなければならないほどの能力だ。

遼の身体能力は一般人レベルなので、手下を作る必要がある。しかし今回が初めてのダンジョンなので手下は0。なので隠れていてもらったのだ。

今後のことも考え、このオーガは解体して素材にするのではなく、手下にするのだろう。俺の出番はない。


オーガは沈黙していて、ピクリともしない。目も閉じたまんまだ。


だが、なにか忘れているような………


疲れてろくに回らない頭で考えながら、遼を見送った。


★★★★★★★★★★★★★★★


「まだ帰ってこないのか?」

サンソン副団長の声が執務室に響く。忍、安司、遼の三人が出かけて五日。移動が片道半日と考えると、もう帰ってきてもいい頃だ。というか遅すぎるくらいの期間となっている。

「俺なら半日で攻略できるのに………」

「こらこらあなたと一緒にしないでください。私でも一日はかかりますよ」

カール団長がたしなめる。

あなただってだいぶ速いですよ………そういう団員の声に苦笑いしながら話し続ける。

「あの方々は貴方達ほど鍛えていませんからね。移動にも時間がかかっているのでしょう。この世界にも不慣れですしね。貴方達は心配しているようですが………副団長、貴方がしっかりと鍛え上げたのでしょう?」

その言葉に、サンソン副団長は胸を張って答える。

「当然です!今のあいつらならほかの救世主たちよりも強いはずです。ほかの救世主たちはたくさんの知識と経験値を与えているので大器晩成型ということもありますが。

まぁ三人で挑めばボスが十体で囲んでも返り討ちにできるでしょうな」

カール団長は手元に紙を取り出した。それは忍達の行ったダンジョンの地図だった。

「地図はいらないのか、と聞いたらもう持ってると言っていましたし………下調べも完璧のようでしたしね」

その地図は………

「まあ、たった一体のゴブリンごときにやられるようだったらお笑いぐさですけどね」

遼の能力によって入手した地図の、十分の一にすら満たない内容量のものだった。




★★★★★★★★★★★★★★★★


「遼〜、お前死体を使役するときどうすんの?」

俺は寝転んだまま質問をする。

「口の中から俺の寄生虫を入れる」

オーガを調べながら答える。

「俺は魂を蘇らせることなんてできないからな。新しい魂の形として脳に寄生させるんだ。

脳に寄生するから記憶だって引き継げるし、もちろんスキルも引き継げる。そうしないと寄生させる意味ないしな。

身体能力は脳の静止を振り切りMAXまで上げられる。ただし、その分筋肉にダメージがあるがな。

死んでなければ精神支配が効くし、それがホントはメインだ。

………クソッ、コイツうつぶせだから顔が下になって入れにくい」

懇切丁寧に説明してくれたのを聞き流しながらゆっくりと起き上がる。やっぱり疲労は抜けていないようだ。

ボヤ〜っとした頭では、遼に質問したい違和感があるのにまとめることが出来ない。不安に包まれていく感覚の中で、何故かはっきりと逆ギレする遼の声が聞こえた。

「ああもう!安司も考えて殺せよ!うつ伏せで頭を起こさなきゃならないだろ!」



頭?



急にはっきりしだす思考の中で、思い出していた。

安司は頭を吹き飛ばして殺したはず………それが導き出す答えは………

俺はばっと身を乗り出し、オーガを見、スキルを発動する。

「やっぱりか………!」

俺の発動した能力は『完全解体』。しかし俺の視界には死体の解体時に出る黒い線が出ていなかった。つまり




やつは死んでいない!!




「遼!」

俺が叫ぶ前に安司が叫ぶ。俺と同じ結論に至ったようだ。スラスター全開で遼目掛けて飛び込んでいく。俺もダッシュで駆け寄っていく。

その最中。

オーガの右拳がゆっくりとふり挙げられた。



次に起こったことは一瞬だった。

オーガが遼目掛けて拳を振り下ろしたこと。

安司が飛び込み、オーガの拳を回避したこと。

拳は地面に振り下ろされ、地面が崩れて大穴ができたこと。

大穴は、走り寄っていた俺、飛び込んでいた安司と遼の真下だったこと。


俺達は大穴に真っ逆さまに落ちていった。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「カ………ハッ………」

真っ暗な視界の中。俺たちは生きていた。


「うぐっ………お、お前ら大丈夫か………?」

安司の声が聞こえる。

「………ああ」

遼も大丈夫なようだ。


ここは………だいぶ落ちたようだ。

落ちてきた大穴の光が見えるかと思ったが、かすかな光すら見えなかった。登るのは困難なようだ。



「おい遼、お前のスキルでどこらへんだか分からないか?」

「もうやってる。だがスキルが発動できないんだ。ということはつまり………」

「つまり?」

遼は諦めたかのような声で言った。


「ここはまだ人が立ち入ったことのない、未知の領域だ」


絶句する俺と安司に対して、遼はにやりと笑った。両手を芝居がかった仕草で開き、俺たちを見つめた。そして吹っ切れたかのように明るい声で告げた。





「さあお前ら、どんな地形かわからない、どんなモンスターがいるかわからない、どんなレベルかわからない、食べ物があるかわからない、ましてや出口があるかわからない。そんな絶望しかない素晴らしいダンジョン。

俺達の初めてのダンジョン攻略と洒落こもうぜ」




俺は返事を返すことができなかった。

どうも、タバサです。


今回はとっても長かった………流石に疲れました。


前回あそこで一旦投稿したのは、自分に縛りをかけるためです。

バトルシーンだけで5千字かく。こんな縛りをつけました。

初めてのバトルシーン。何もかもが初めての中で、不安なところの中の一つです。書きたいモノがあるのに、なかなか表現できない………これを克服するための荒治療だとおもっていました。


一週間目は全く書けませんでした。話の概要だけでも………と言ってズルズルと伸ばしていました。


原案者たちにも色々と話し、やっと筆が乗り始めたのは、実はつい二日ほど前だったりします。

そろそろ書かないとな………と思って書き始めると、初めての感覚に襲われました。



書きたいことが溢れてしまい、筆を止めることができないのです。書けば書くほど新しい考えが生まれ、ドンドン書き込んでいきました。

今回の本編はほぼ一日で書き切りました。まだまだ書き足りないぐらいですが、私のボキャブラリーが貧弱なので全てを書くことができないのがほんとに残念です。


こんな感覚を毎回持つような人達が小説家になるのでしょうね。ちょっとかっこいいなと思いました。


さて、次回についてですが、地下ダンジョン編………ではありません。それもやりたいんですけどねぇ。なんにも考えてないんですよ。

とりあえずは先に進ませていただきます。


ということで、今回はこの辺でおしまいです。

次回も見てくれると大変嬉しいです。




次もバトルシーンだけ………だと………?

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