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今後の方針を決めるそうです

すみません、前回の訂正をしておきます。

忍のステータスの変更です


攻撃: 12 →攻撃:14


【固有スキル】

言語理解

アイテムボックス


に訂正



【スキル】

解体作業 Lv.1

モンスターからのドロップがひとつ増える

外部伝達 Lv.8

自分と相手の関係が浅ければ浅いほど円滑に対話ができる


に訂正です。御迷惑をおかけして申し訳ありません。

天野とボンボンの睨み合いのあと、俺らは食事に誘われた。豚の丸焼きや美味しい魚、デザートまでたくさんあって、どれも美味しかった。いつも食べる量が人と違うと言われる俺でさえ、満腹になる量があった。

しかし、さっきの騒動があったせいか、あまりみんな騒ぐことはなかった。

遼や安司も何か考え事をし ているようで、話しかけることは遠慮しておいた。


食事の後はひとりひとりに部屋があてられた。

「みなさんのステータスを拝見したあと、今後どうするか一人一人とお話したいと思います」

お呼びする時には使用人を遣わせます、と言って姫様は出ていった。


俺は一人になると、また少し黙考していた。ここまでは異世界もののテンプレできている。とすれば、ここには倒すべき相手が出てくることになる。その敵とは

①シンプルに魔王

②暗躍している大臣や隣の国の国王

③国王

④まさかの姫様

⑨バカ


この選択肢の中で、今すぐ確認できるのは③と④だけだ。しかし、姫様はありえなさそうなんだよな………変則的だが、神様が世界の危機だ、なんて言ってしゃしゃり出てくるくらいだし。姫様が悪者だったとしたら、普通は忠告のひとつくらい、あるだろう。それなら①か②か………どちらにしても、魔王を倒したり政治にかかわらない俺にとってはどうでも良いですね。

そう思ってベッドに横になると、

「シノブ様、姫様がお呼びです」

と、使用人らしき人がやってきた。


その人の案内に従って進んでいくと、部屋の前で姫様が待っていた。

「ようこそ。突然で申し訳ないのですが、後二人、待っていただけないでしょうか」

姫様のその言葉に俺はいいですよ、と答えた。多分、後の二人とは救世主以外の人なんだろう。面倒くさいからまとめて話すに違いない。その二人は遼と安司だろうと思うから、別に構いやしない。もしも金魚の糞だったら速攻で替えてもらうがな。

先に中に入りますか、と言う声と共に遼が向こうからやってきた。

よかった、これで残り一人も確定だろう。

姫様と先に中には入り、談笑することにした俺と遼は、自己紹介を始めた。

「では初めましてというかさっきぶりです、クレリア様。俺は忍。杉本忍といいます。ほかの奴らとは高校………と言ってわかるかな?この世界なら学院かなぁ、での学友です。職業はさっき見た限りでは肉屋。平々凡々なやつなので今後ともよろしくお願いします」

「ええ、わかるわ。さっきコウキから聞いたわ。よろしくね。あと、言葉遣いは普通でいいわ。呼び方もクレアで。そんなにかしこまってちゃ、みんな肩凝っちゃうでしょ?」

姫様の言葉に、こちらも言葉遣いをなおす。正直、面倒だったのも確かだからな。

「では、クレア。私は遼です。いっつも頭のおかしい安司と忍に振り回されているやつです。職業は研究者。クレアもこいつらに振り回されないように注意してくださいね?」

「いや、俺の行動が少しおかしいのは認めるが、本当におかしいのはぶっちぎりでお前だろ………」

「それは違うよ!」

「そういうことにしといてやるよ」

俺がニッコリと答えてやると、遼は不服そうにしていた。

「ふふふ、中がいいのですね。改めまして、私はクレリア。この国の姫にして国家魔導師のリーダーです」

自己紹介のあと、少し間を置いて

「残りの一人が来る前に、少し話しておきましょう。ここに呼んだのはほかでもありません。貴方達は………」

「救世主ではなくて、召喚に巻き込まれてしまった被害者だ」

クレアの言葉を遮る俺の言葉に、遼も続く。

「そして、最後の一人とは、安司。これであってます?」

姫様はかなり驚いているようだ。そりゃあなぁ。わかるよなぁ?と遼にアイコンタクト。遼頷いていた。

「ああ、でも金魚の糞でも救世主なのに俺たちは違うってのがショックだな〜」

「そうだねぇ。とても救世主って柄じゃないしね。それをいえば誠もか」

誠って誰だっけ?ああ〜、ボンボンか………と、そんな話をしていると、姫様が引き攣った顔でいや、あの方たちも見所はありますよ………と言っていた。俺はちゃんと「………多分」と言っていたのには気づいてましたからね?姫様?

武士の情けでスルーしていると、

「それにしても、お二人はとても仲が良いようですが、どの位の付き合いなのでしょうか?」

と聞いてきた。俺と遼は顔を見合わせ、

「う〜ん、そうだなあ、大体三年くらいか?」

と答える。遼は俺に説明を任せるようだ。こいつ人と話すの好きじゃないしなぁ。

「俺達は中学校の頃から根暗っつーかヲタクでな………まあ、同じ趣味のやつだと考えてくれればいいよ。そいつらってな、ある特徴があってな。同じ趣味どうしの奴らは、『匂い』で分かるんだ。なんとな〜くだけど、波長が合いそうだなぁって思ったやつに、俺が話しかけたのが、遼と安司だったわけ。そっからずっと仲良しなんだよ」

俺の説明に、クレアは納得したように呟く。

「そうですか、それならこれからの話も安心してできますね」

俺と遼が違和感を覚えた時に、外から声が聞こえた。

「クレリア様、安司様がいらっしゃいました」




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「遅ぇぞ、安司。早く座れ」

安司は姫様だけの筈なのに、男の声がしたので少し驚いたようだが、いたのが俺たちだったので少し安心したのか、少し落ち着いたように席についた。

それをみて、姫様は姿勢を正して俺たちを見る。

「さて、貴方達に集まってもらったのは、三人にお話があるからです」

姫様は堅苦しい言葉を再度使いながら言っていた。

「クレア、あいつに堅苦しい言葉使いは必要ないぜ。あいつにそんな価値はない」

「おう、後で話があるから屋敷の裏来いや、忍。あ、ほんとに普通でいいですよ、姫様。その方が喋りやすいし」

忍が話すと、クレアは肩の力を抜いた。

「そう?じゃあ私はクレアって呼んでちょうだい。この喋り方、少し肩が凝るのよね」

その間、遼はやっぱり言葉少なかった。まあ、こいつはいつも通りか………



「先ほどお二人に話したコトですが、まずは貴方達には謝らなければなりません」

「え?どういうことですか?」

安司は不思議そうにしている。神様に聞かされなかったのかな?

「異世界召喚された十人のうち、救世主は七人。つまり、ここにいる三人は一般人らしいぜ」

「なんだって?!」

ということは誠についているあいつらも救世主なのか………と安司が愕然としている。そうだよなぁ。俺たちもそれがショックだよ。

「やっぱりそこに突っ込むのね………」

気になるところ間違ってない?とクレアは呆れている。そりゃあ………なぁ?代表して俺が言う。

「おいお前ら、お前らは自分が救世主になれると思うか?」

「「全然」」

その通り。神様だってこんなインドアなキモオタなんか救世主になんかしたくないだろ。

「は、話を戻すわ。貴方達はコウキとの約束通り、戦場に行くことを強制しません。衣食住もここで用意するわ。職業的にも能力的にも、お金を稼いだり、モンスターを倒せるような数値ではないでしょう?」

「………お前らさ、能力値どのくらい?」

安司が顔を引きつらせながら聞いてきた。

「平均値は12くらい。職業は肉屋だぜ」

嘘は言っていない。平均はそうだもん。

「平均値は11。職業は研究者。安司は?」

「………平均値は10以下。無職………」

「「働けニート」」

「に、にーとじゃないもん!」

うん、やけにハモる回数の多い日だな。

クレアは不思議そうにしていた。ニートって言葉はないのかな。

「とりあえず、どう?この城に留まるってことでいいかしら?」

その言葉に、安司が待ったをかける。

「いや、返事をするのは少し待ってくれないか?こいつらとも話をしたいし」

「それってこの城を出て街にいくってことかしら?それは難しいように思うけど………」

クレアの心配はもっともだ。現状、街に出て働き口があるのは俺だけだしな。遼はどちらかというと城の方が働きやすいだろう。こいつら、俺だけに働かせるつもりか………?

「せっかく長年の夢だった異世界に来たんだ。楽しまないとな。二次元に来たのにずっと城の中でニート生活してましたでは、元の世界に戻った時に死んでも死にきれないもんな」

確かにそのとおりだ。せっかく来たんだ。たっぷり二次元を満喫してやる。俄然やる気になっていると、クレアが笑っていた。

「ふふ。ホントに仲がいいのね。わかったわ。返事は待ちましょう」

そう言い切ると、クレアはすこしそわそわしだした。

「と、ところで、コウキの好きなタイプって知らないかしら?」



さすが我らが生徒会長、もう姫様攻略ですか………


急に興味をなくした俺と遼はあらぬ方向を向く。

「さあ?興味もない」

「同じく。三次元になど興味もない」

「ぶれねぇなぁ、お前ら」

なにを当たり前なことを。三次元などとうに諦めているのだよ。

といっても、ここは二次元にありそうなRPGっぽい異世界ですがね。

残った安司は困ったように答える。

「すまない、クレア。俺らじゃ参考になりそうもないな」

クレアは不思議そうに、

「あら、そんなことはないのに。貴方達だって、人を好きになることだって、付き合うことだってあるでしょう?」

と言っている。

安司は俺たちを代表するように宣言する。

「ない。それはない。俺らは人と付き合うことなんて絶対にありえない」

その言葉に、遼と二人で頷き合う。

そうだよな。俺らは一緒だ。裏切り者には死を………



「強いていうなら、猫をかぶらなければいいんじゃないか?」

と安司は当たり障りのないことをいう。

「私が猫をかぶっているって?ひどいわ。これは公務のためにやむなくやっているだけなのよ?」

「まあまあ、そんなにムキにならないで。クレアもありのままの自分を好きになって欲しいだろ?」

「うん………そうよね」

どうやら納得してもらえたようだ。




「じゃあこの辺でお話は終わりにしようかしら。話を聞いてくれてありがとう。

そうそう、明日は救世主の披露宴を開くの。貴方達にも出席してもらうわ。返事はそのあとで構わないわ。

三人で話すこともあるだろうし、この部屋は貸しておくわ。じゃあお休みなさい。あまり夜ふかしはしないでね」

そう言ってクレアは席を立つ。

それぞれ返事をしたあと、俺らは少し話をしたあと、自分の部屋に戻り、明日のために睡眠をとった。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆



休むと言ったな、あれは嘘だ。

「ウワアアアアアアアアアア!!!!!」

「何言ってんだ忍?」

「いや、様式美だと思って………」

夜も更け、安司が持っていた腕時計を見ると、日を跨いでいた。

「さて、日をまたぎ私たちの時間がやってきました」

「では、始めようか」



「第一回、俺らの俺らによる俺らのための異世界活動方針会議〜〜〜〜」

「どんどんパフパフ〜〜〜」

「やんややんや〜」


俺達は少し仮眠をすると俺の部屋に集まってきた。話し合って決めたわけじゃないが、こうなるのは三人ともわかっていた。


「俺の時計がこの世界でも対応できるのならば、この世界では深夜か。テンション高くなってくるのも無理はないな」

「そんなこといいからさっさとやろうぜ。時間が惜しい」

遼は安司を急かす。

「お、やっとちゃんと喋るようになったな」

「お前は外ではいい子ちゃんだからな………」

「違う!あれも素だ!しゃべるのが得意でないだけだ!」

「いやぁ………あれも素だったら、かなりイタいよ?」

「本性を知っている人からしたらね…」

「否!断じて否!」

遼は俺らと違い、周囲からヲタクたと思われていない。完全に隠しきっている。俺達だって、遼からヲタクの『匂い』がしなければ、全く気づかなかった程に。

「おい厨二病、話が始まらないだろ?」

「厨二病じゃない!」

「うっさい厨二病」

「うがァああああ!!!」

身内が虐められるのは嫌だけど虐めるのは大好きなのが俺らである。


「では話の続きを。最近、俺が異世界召喚モノのネット小説ばかりを見ているのは言ったよな?」

と安司は言う。最近、こいつが話題を振るときにはだいたいこのネット小説の話だった。

「そうだな。耳にタコができるくらいには聞いた」

どうやら遼も同じ思いのようだ。

「うぐっ………ま、まあ、この世界はその異世界召喚モノのテンプレ通りの内容だから、今回は俺の知識が使えそうだ」

「お、期待しているぜ」


「まず、異世界召喚で救世主ではない人が主人公、または召喚された中で一番弱い人が主人公の場合、活躍できるようになるには二つのパターンがある。

パターン1

神様から奇跡的な能力をもらい、それによって活躍するパターン。

パターン2

致死率100%の場所に行き、鍛えて帰ってくる。

この二つかな」

「神様にもらったスキルといえば、言語理解とアイテムボックスかな?」

安司の説明に、遼はこたえる。

「固有スキルはそんな感じだな。他にもスキルと言うやつがあったが、俺は二つほど埋まってた」

「えっ?!マジで?!」

俺の言葉に、安司は狼狽える。

「俺もあった」

「げぇ?!」

安司はよろよろと後ずさりながらポツリと呟く。

「………俺、0………」

「「さすがニート」」

「ニート言うな!」

流石に可愛そうだが、ニートになんの能力がつくか想像できないな………ポジティブシンキング?


気を取直して、と安司が仕切り直し、

「言語理解はともかく、アイテムボックスは珍しいスキルでもないらしいよ?入るのも籠二つ分くらいらしいし。固有なんて名前もついているんだし、召喚された人には常備されているものなんじゃない?」

「ああ、ゲームのバッグやインベントリってことな」

と、俺も納得する。

「じゃあ、パターン1はダメか。パターン2は?」

「それもダメそうなんだよなぁ。いくらなんでも攻撃スキルがないとダンジョンなんて行けないし、元々スキルもなく、能力値も低い安司だと普通のダンジョンでも苦しい。忍だって、戦闘用ではなく職業に準じた内容のスキルだろ?」

遼の言葉に、俺は頷く。さらに、元々防御が極端に低い俺は、ワンパンで沈んでしまう可能性もあるんだ。中々ダンジョンに行くという選択肢を取れない。

「じゃあパターン2も無理かぁ」

安司はガッカリしたようにへたり込む。異世界召喚モノのネット小説をたくさん見ていたのはこいつだ。だからこそ異世界に召喚されたこの状況に期待していた部分はあるのだろう。

「じゃあクレアのお誘いは?受けるの?」

「将来強くなれるんだったら街に出たんだがなぁ。何もない以上、のたれ死んでしまう可能性があるだろうし、この城から出られないだろうなぁ」

「異世界に来てまでやくたたずのヒキニートかよ」

俺の言葉に、遼までベッドに寝転がる。


「あれ?」

ふと、会話が途切れたときに、安司が変な声を出す。

「なんだ?」

「いや、お前らもちょっとステータス見てみろよ」

言われるがままに、ステータスを確認する。


杉本 忍《すぎもと しのぶ》



魔力:14

攻撃:14

防御:2

俊敏:18



【固有スキル】

言語理解

アイテムボックス



【スキル】

解体作業 Lv.1

モンスターからのドロップがひとつ増える

外部伝達 Lv.8

自分と相手の関係が浅ければ浅いほど円滑に対話ができる



【称号】

巻き込まれし者



【所持金】




※メッセージが届いています



「「は………?」」

三人は目を点にしてそこを見つめた。

これは何なのか。誰からのメッセージなのか。

何かしらの希望の光になるような気がして、運命に導かれるように、三人は同時にメッセージの文字に触れた。

その瞬間、俺達は再び光に包まれた。

どうも。タバサです。

どうでしたでしょうか。少し長いかな………と思いながらもついつい長くなりました。


とりあえず、後少しはこの調子でグダグダと説明回が続きますが、ご辛抱を。


さて、次回で本編に追いつくと思われます。ダンジョンに行き始めるのももうすぐというわけですね。その後はバトルもやりながらも、日常系になっていくつもりです。かっこいいバトルなどは、本編の方でやってくれるでしょう(勝手な丸投げ)。


では、今回はここで筆を置かせていただいて、次回皆様とお会いできるのを楽しみにしています。



P.S.嫌人さんに発破かけないとねぇ。

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